時の経つのは早いもので、 『 HONKOWA 』 のリニューアル二周年記念号が発売されてから、すでにもう二か月が過ぎてしまいました 。
読み切りが基本の 『 HONKOWA 』 には珍しく、前号では看板コミックとも言うべき山本まゆりさんの 「
『 HONKOWA 』 2013 年 5 月号がいよいよ全国書店並びにコンビニ店頭にて大絶賛の声のもと発売となりました。
まずは、いつものようにそのおもな掲載作品の中から、当ブログが推薦する押しコミ・ラインナップを纏めると以下の通りであります 。
- 霊能者・寺尾玲子の真・闇の検証
「大内義隆 &陶晴賢 の謎 」 - 山本まゆり<
魔百合 の恐怖報告 >
「術者 の謀略 < 後編 > 」 TO NO 「日常怪談 」流水 りんこ 「 オカルト万華鏡 」月嶋 つぐ美 &上杉 かや
硝子心眼 シリーズ 「御 稲荷 様 」
当ブログのHONKOWA 押しコミ一覧
( 一部レポート含む )
まずは巻頭の 《 真闇検 》 ですが、これは前回の毛利元就編の
本筋の検証とはそれほど深い関係はないものの、やはりここまできたからにはせっかく厳島神社があるのにそれを素通りというわけは いかなかったのではありましょう。
その検証の詳細な内容については本誌をご覧いただく事としてコミック編へと目を移すと、まずは何をおいても真っ先に目を通さなければならないのが、まさにこれからといういいところで 《 トゥー・ビーコ ンティ 》 となっていた前号掲載の前編に続く 「 術者の謀略 ( 後編 ) 」 であります。
これはまず、ページを開くや冒頭の柱に四行にもわたって前編のあ らすじが掲載されているという気配りの
物語そのものは、まずは玲子さんが相談者宅の仏壇を通して、 “ 教団先生に追いやられてたご先祖様 ” にザオラクとベホイミをかけて相談者に対する守りを固めた上で、
そこで、玲子さんは次の一手として、霊犬ブリーダーの沙弓さんに憑けてきた狼たちの力によってケモノ憑きの教団先生のシカケを破壊し、そのことによって “ 本ボシ ” とも言うべき “ 紫恩の仕掛け ” を炙り出したところで、 “ 紫恩に気づかれないように仕掛けを解くのに
まったくもって、我々凡人の想像をはるかに超えた世界の出来事ではありますが、ここまでの準備を済ませた上で玲子さんは、信頼おくあたわざる玲子さんの一番弟子にしてパートナーでもある幽霊
師匠である玲子さんからの連絡を受けるや視っちゃんは、何故か “ 出雲大社に行かなくちゃ ” というインスピレーションを受けて出雲大社へと出かけ、玲子さんとは独自に “ 龍道使いバーサス龍道使いの戦い ” に対する備えを進め、無意識の内に出雲大社の龍神を一体調達してくるのでありました。
このようにして、各々がそれぞれの準備を誰に命じられたでもなくそれぞれに整えたところで某所に、玲子さん、視っちゃん、沙弓さんという三人が集まって作戦会議を開くことになったわけですが、そこで示された玲子さんの作戦は、霊的な “ ゴミ捨て場 ” すなわち “ 紫恩が仕事をした時に処理しなくてはいけないモノを捨てる場所 ” に伊勢神宮でコピーしてきた龍道を設定して、紫恩が処理したモノ や紫恩自身の呪詛が紫恩自身に還流していくような仕掛けを施す、という実に気宇壮大なるものであったのであります。
私たちの知らないところで、今でもこんな壮大極まりないサイキック・バトルが繰り広げられているとは興味津々と言うべきところで 、この一連の出来事を
もちろん、すでにコミックという作品にはなっているのではありますが、前後編がやっとの 『 HONKOWA 』 ベースのコミックという表現媒体では紙幅の関係などからかなり大雑把に省略されたり割愛されざるをえない部分もありそうで、そのあたりを敷衍しながらノベライズしたりなぞすると、かなりの傑作を読む機会が提供されるのではないかと思います ( いずれにしても、特にこの作品については総集編におけるティー・タイム・トークが今から楽しみな限りであります ) 。
それにしても、このような一連の作業をなんの術式も使わずに、天性の感だけでこなしてしまうとは、これはまさに植芝盛平翁が到達 したと伝えられる “ 動けば技” という境地をアストラルな次元において体現しているとも言え、そんな境地に独力で到達してしまった玲子さんとは、一体何者なのでありましょうか。
一方、まゆりさんの大作に続いて TONO さんの作品は小品とも言えるものですが、 TONO さんは古くからの 『 HONKOWA 』 読者には従来からかなり高い評価を得ていて熱烈にその復帰を期待されていた作家さんで、現象に対する深い考察を追求したような作品ではないものの、多くの読者の期待を裏切る事はないだろうピリッとした仕上がりの作品になっています。
私個人としては、作品の内容そのものよりも、扉絵のちょいファンシーなテイストの女性のイラストがとっても気に入っているんですけど、ね。
さらに、ややコミカルなフレーバーと独自の切り口で “ 不思議と神秘のパワーコミック ” として 『 HONKOWA 』 のエンタメ班を 担当する流水さんの 《 オカ万 》 こと 「 オカルト万華鏡 」 では今回、日本人にとっては大変身近な 《 お墓 》 について取り挙げています。
流水さんご自身はインド人のように死んだらガンジス河に流してもらいたいほどで、お墓の意義などというものについてはよく分からないということでしたが、例の如くに〆に登場した謎の元占い師・R子師匠は従来からの持論である 《 お墓=パワー・ストーン 》 説なるものを展開されていました。
ところで、前号の予告では今号でも人妻にして美人の霊能漫画家という三重に偉大なタイトルをほしいままにする三巳華嬢の 「 スピ☆散歩 」 が、オーラマスター・氷室奈美さんの登場という豪華特典付きで掲載される予定だったはずなのですが、三巳華さんの 「 スピ☆散歩 」 が今号には見当たらず、 「 平成の今時に落丁か ( ほとぼりが冷めてからビブリア古書堂に持っていけばちょっとした小遣い稼ぎになるか ) ?! 」 などと思いながらよくよく見てみると、目次のページに小さな文字で [ おわび ] と題して “ 伊藤三巳華先生 、急病のため 「 スピ☆散歩 」 は休載になりました ” との不吉な文字が……。
これは一大事。さては正体不明なアンチ三巳華派の不逞の輩どもが生霊 ( ) でも飛ばしやがったか、あるいは前号に掲載された奈良の地でのガッツ・ポーズが神々の不興を買ったものか、はたまた調子に乗ってこれまでアチコチとスピ☆散歩しすぎてスピ・パワーに当たってしまったものか、いずれにしても心配であります ( まぁ、別にスピに関わらずに普通に生活してても、生きてる限りは体調がすぐれない時というものは誰しもがなかなか避けては通れないものではありましょうし、売れっ子作家の 《 急病 》 は 《 原稿落ち 》 の業界用語……という説もあるほどではありますが、いずれにしろ、一日も早いご回復をお祈りするところではあります ) 。
そんな今号において、もとから掲載の予定でしたので 「 スピ散 」 の代わりというわけではまったくないのですが、 「 スピ散 」 休載の大きな穴を埋めるべく活躍している一品が、
幼少のみぎり、かやちゃんの強すぎる霊能力をもてあました親の手によって高野山の知り合いの寺に預けられてしまったという、 悲しく ( ? ) もメチャクチャ胡散臭い
中でも興味深かったのは、伏見稲荷大社境内の稲荷山を登拝された際のエピソードで、お年のわりに健脚らしいかやちゃんが ( おそらくは ) 年相応な運動能力の月嶋さんを置いてけぼりにして一足早く山頂に到着したところ、稲荷山の山頂にある 《 一ノ峰・
神職の方の祝詞奏上にあわせて “ 稲荷山の 「 気 」 がすべて ” 祝詞が奏上されているその場所に集まりつつある様をかやちゃんはありありと幻視するのですが、その刹那に、参拝者の一人の携帯が無粋な着信音を発し、今まさに集まりつつあった全稲荷山の気が一瞬にして霧消してしまった、という事のようで、漫画の中では、かやちゃんが幻視したものと同じ様を現地のごく普通のおじさんやおばさん達も幻視していた、という事が語られていました。
もちろん、それはそれで驚くべきところなのかもしれませんが、私個人としては、そのような場においてマナー・モードにする事もな く携帯の電源を入れっぱなしにしていた輩の存在の方に注目してしまい、本当に困ったものであります。
勉強会や講習会の席などにおいても、主催者側から 「 携帯電話の電源は切るかマナー・モードにしておいて下さい 」 と明確に注意されているにも関わらず携帯の電源を切ることはおろかマナー・モードにする事さえもしない輩が確実に存在するわけで、言葉の意味が通じないという事はまことにもって恐ろしい限りであります。
さてさて、そんなこんなで今号も内容充実の 『 HONKOWA 』 2013 年 5 月号は大絶賛発売中です。
そこで皆様にもぜひ、今すぐに書店かコンビニ店頭へと走っていただきたいところなのではありますが、そんな 『 HONKOWA 』 読者としての私の不安を喚起するのは来号の予告でありまして、実は今回の来号予告には三巳華さんの 「 スピ☆散歩 」 の予告が掲載されていないんですよね。
先号の予告では、今号 ( 2013 年 5 月号 ) に “ オーラマスター氷室奈美さん登場!! ” とまで銘打って再びのスリランカ旅行の話という具体的な内容まで示した上で予告が打たれていたのにも関わらず今号の休載という結果となり、それを受けて来号に掲載できるかどうか分からない、という事で掲載予告を控えられたのでしょうが、二ヶ月の時があるのに回復の予断を持つことができないという事は 、事態はそれほど深刻だ、という事なのでありましょうか。
そもそも、今回の 《 急病による休載 》 が、業界用語としてのもので単なる原稿落ちに過ぎないのだとしたら、来号 ( 2013 年 7 月号 ) の掲載予定としては充分な余裕を見て予告を打つことができるのではないかと思うのですが、それができないという事は、やはり 今号 ( 2013 年 5 月号 ) における 《 急病による休載 》 と言うのはその言葉通りのもので、しかもその病状はかなり予断を許さないほどのもの……、という可能性も考えられます。
これはやはり、単なる急病というよりは、スリランカで何か霊的に深刻なアクシデントが発生してしまい、その事態の処理が三巳華さんのキャパをはるかに超えてしまっているという状況が危惧されるところではあるのかもしれません。
あるいは、スリランカに同行された氷室奈美さんと三巳華さんの見解の相違を調整する事ができずに揉めているとか、さらには、顔出 し以降アイドル化している三巳華さんと編集部の間でなんらかの確執 ( 「 原稿料上げてよ 」 という三巳華さんの要求に対して編集部が 「 誰のおかげで人気者になれたと思ってるんだ 」 的な対応をして紛糾もしくは干されてるとかいう確執 ) があるものなのか、あるいは 、某漫画家さんの時のように 《 急な出産 》 などというある意味おめでたくも笑える裏話が進行中なのか、いずれにしても三巳華さんが作品を掲載されていないというだけでも 『 HONKOWA 』 読者の興味をひきつけてしまうというほどに、三巳華さんが人気者であるという事は確かなようであります。