さて、巷ではハロウィーンの賑わいが終わったのも束の間、まだ 11 月だというのに街はすでにはやクリスマス・カラーに色づき始めているというそんな今日この頃、時代の最先端を走る実話系ホラーコミック雑誌の老舗として確固たる地位を築いて久しい 『 HONKOWA 』 は、世間のさらにその先を行ってすでにもう 2013 年 1 月号が発売中であります。


ドワンのブログ@アメーバ-HONKOWA-2013-1
『 HONKOWA 』 2013 年1 月号


  11 月なのにもう、クリスマスさえ通り越してすでに 『 HONKOWA 』 ワールドの住人たちはお正月気分に浸っているわけなので、そんな今回の 『 HONKOWA 』 2013 年 1 月号の主要なライン・ナップは以下の通りとなっています。

    『 HONKOWA 』 2013 年 1 月号
    の主要ラインナップ
    ( 当ブログ推奨作品 )
  1. 霊能者・寺尾玲子の真 闇の検証
    常盤御前[ときわごぜん]の謎 」
  2. 気まぐれニッポン異界奇行
    狛犬のあれこれ
  3. 永久保貴一
    密教僧みっきょうそう あきつきどう秘儀ひぎ 霊験れいげん修法すほ う曼荼羅まんだら
  4. 語り◆加門七海 画◆JET
    「 怪奇心霊語り 」 【 第十八夜 】
  5. 流水ながみりんこ
    「 オカルト万華鏡まんげきょう
  6. 伊藤三巳華
    「 伊藤三巳華のスピ☆散歩 」
  7. 画・鯛夢[たいむ] 語り・山口敏太郎
    「 オカルト博士の妖怪ファイル 」
    File No.11 姑獲鳥[うぶめ]
  8. 高野美香
    霊感ママシリーズ 「 萌黄もえぎやま 瑠璃るりそら
  9. 読者投稿体験漫画各種

 上の 1 と 2 は漫画ではなくレポートで、 3 以下がそれぞれ各作家さんの実話漫画になり、上の一覧には掲載しておりませんが、実話系ホラーコミック業界では日本最強との呼び声も高く、その理性的な回答にも定評のある寺尾玲子さんの 「 心霊質問箱 」 も当然掲載されています。


 漫画作品について簡単に一覧しておくと、まず永久保さんの密教僧シリーズは相変わらずな感じで、実在するという天台宗の霊能坊主・秋月慈童氏の修行時代の物語が引き続き描かれていて、その話の信憑性は別にするとしても、漫画としては楽しく読む事ができる手堅い仕上がりになっているかと思います。


 今号では天台宗の修行寺で、幽霊[]える子としての正体を知られてしまった密教僧・秋月慈童さんが、その修行寺に集められてきた未熟な修行僧たちの念から生み出されたキメラ的霊体を、缶コーヒー 2 本とみかん 1 個というにつられて封印したというエピソードをメインに据えて、その修行寺やその上級段階らしい天台宗の “ 本山学園 ” などに在籍していた能力者たちとの出会いのエピソードを紹介しながら、そんな秋月さんが如何に才能と素質に恵まれているかという事が描かれています。


 ただ、一つ気になったのは、秋月さんが天台宗の “ 本山学園 ” なるところに一体何年いたのか、という永久保さんの問いに対して密教僧・秋月氏が “ それは秘密です ” と回答しているところで、そんな事は通常であれば特段の秘密としなければならないような事でもなく、例えば “ 四年制のところを一年しか在籍しなかった ( 途中退学したから…… ) ” とかあるいはその逆に “ 四年制のところに五年もいた ( 留年した…… ) ” などという他聞をはばかるような事情でもあるのだろうな、という推測もしくは揣摩臆測を惹起する事にしかならないもったいの付け方のような気がします。


 それはさておき、滝上一門の弟子たる慈童さんのお手並み拝見というだけの訳の分からない理由で六年物の式を飛ばしてくる先輩僧侶だの、宇賀神を頭の上に載っけてる宇賀神行者の老僧の弟子の尼僧だのと、様々な異能者たちが今回のエピソードには登場してきます。


 また、特に前回以前のエピソードにおいてもすでに紹介されているさる老僧 ( 雲仙さんという本山の大僧正さんだそうです ) が本尊としているらしい弁財天の一類型としての宇賀神さんは、いかなるワープア ( 勤労貧民 ) をもたったの三日でセレブ・ライフへと導いてくれると伝説に語られている 《 三日成就法 》 の御本尊として知られた方で ( かつて紹介されたエピソードにおいて秋月慈童さんが述べられていたように、それによって日本酒が飲めなくなるかどうかは知りませんし、そもそも秋月さんたちのように僧侶が酒を飲んだくれた上にそれを堂々と公言するというのもどうかとは思いますが ) 、 《 三日成就法 》 の儀軌はオカルトの世界においてもこの弁財天の五部経や三部経として人口に膾炙しているものになります。


 ブラック・カードを使いこなす真のセレブ・ライフにははるかに遠いものの、薄福少徳の身であるこの私がかろうじて生きながらえながらワープアン ( 勤労貧民 ) として暮らすダダラ~なその日々に、松屋のギューテーを大盛りで食した上、さらにはドトールのケーキ・セットを味わいながら発売されたばかりの 『 HONKOWA 』 に読み耽るという優雅なひと時を堪能する事ができるというのもひとえに 《 貧転の秘法 》 を伝える宇賀神さまの利生の賜物という事もできるわけであって、機会があればその消息についてもご紹介したいところなのではありますが、今は先を急ぐ事にします。


 いずれにしろ、そんな新年号のトップを飾るにふさわしい永久保さんの密教僧シリーズに続く二番手は、久しぶりの登場という感じがしないでもない 「 怪奇心霊語り 」 であります ( 2012 年 5 月号以来ですね ) 。


 加門さんの様々な怪しい体験を漫画という形で紹介してくれている 「 怪奇心霊語り 」 も今回で 【 第十八夜 】 ということですが、今回も漫画の中では相変わらず加門さんはお美しい姿で私を誘惑してくれていて、さらに今回はその上を行くという感じで、エピソードのツカミとして紹介されている加門さん行きつけのあるレストランで目撃された 《 虎憑[とらつ] 》 のご婦人がとっても怪しげな香りを放っております。

 加門さんに虎の姿で霊視されたエネルギー体を身にまとったそのご夫人は、なんとも艶めかしく、ノン気の加門さんをして怪しい百合の世界に誘われたらしく窺えるほどで、そんな艶めかしいご夫人にはぜひとも一度お近づきになってみたいものでもあり、そのご夫人が目撃された加門さん行きつけのレストランとはいったいどこなのか、ぜひとも探り当てたいものであります。


 そして、野球で言えばクリーンナップとも言える三番手は流水さんの 「 オカルト万華鏡 」 で、今号では 《 おまじない 》 に焦点を絞って様々な薀蓄が披露されています。


 今回はなにやら “ 大黒さん ” という仮名で 《 おまじない研究家 》 というか、 “ 呪術などを趣味で研究して ” いる “ 自称 民俗学マニア ” なる謎の人物が登場しておまじないの解釈について講釈を垂れているものの、やっぱり〆はR子さんで、流水さん曰く “ 最高に似合わない ” というおまじない本を手にしての登場となっていました。


 元・占い師で現・気功家という異色の経歴を持つR子さんですが、以前に当ブログのエントリーに対するコメントでR子さん=H師匠説が指摘されて以来、言われてみれば確かにその経歴にしろ言動にしろH師匠らしいと言えばらしくもあって、どうもR子さんがH師匠にしか見えなくなってしまうとともに、流水さんのその大胆なデフォルメぶりに感嘆を禁じ得ない今日この頃なのでもあります。


 ところで、 《 おまじない 》 と言うと、ちょっと話は逸れてしまいますが、老舗オカルト雑誌 『 月刊ムー 』 よりもやや下の世代の、中でも特に女の子を主たるターゲットとした伝説のオカルト ( 占い ) 雑誌として 『 マイバースデイ 』 なる雑誌があったという都市伝説がオカルト業界の一部消息筋において語られる事もあったのですが、それがどうやら都市伝説ではなく実在の雑誌であったという衝撃の事実が証明される事態が発生しています ( ……、というか、実は私もそのオーパーツの一部をかつて所持していたことがあるんですけど、ね ) 。


 その証拠が、こちら……。


ドワンのブログ@アメーバ-マイバースデー復刻版1号
『 マイバースデイ 』
1 号限りの復刊!
( 実業之日本社 / 1200 円 +税 5 % )


 できればこちらも詳細にご紹介したいところなのではありますが、ここでも再び先を急ぐことにしましょう。


 クリーンナップの要の四番手はいまや飛ぶ鳥をも落す勢いの伊藤三巳華さんの 「 スピ☆散歩 」 で、これまで三巳華さんの活動圏に範囲が限定されていたスピ☆散歩が今回はついに関西圏にまで出張散歩して、奈良の東大寺と春日大社をスピッと散歩されています。


 『 華厳経 』 の寺とも言うべき東大寺をかなり高評価している今回の三巳華さんによるスピ鑑定は、 『 華厳経 』 を信心する立場からは喜ばしくはあるものの、その一方で、春日大社に対しては相変わらずの自由奔放さでの言いたい放題があって、この辺りが三巳華さんの魅力であるとともに三巳華さんに対してネット上で毀誉褒貶が激しく交錯している遠因となっているのかなどとも思われます。


 ……。


 という事で、そろそろ紙数が尽きる、という事はないのですが、このまま書き続けると寝落ちしてしまいそうなので、この辺りで今回はパソコンの電源を切ることにしたいと思います。


 では、皆様もぜひ書店・コンビニ等へと走って、早速 『 HONKOWA 』 2013 年 1 月号をご購入くださいませ。