さて、それに対して、前回は 『 HONKOWA 』 に好評連載中の 「 スピ☆散歩 上野篇 」 の検証に訪れた先で、穴稲荷の怨霊に取り憑かれてしまった、というお話をエントリーしたのでありますが ( 記事はこちら から ) 、今回はその後日談となります。
さしもの上野・徳大寺のパワーをもってしても祓い切る事の叶わなかった穴稲荷の呪詛でありますが、このままでは本当に社会の底辺にあるワープアの底を突き抜けてしまいかねない危険もあると察知した私は、本日 ( 2012 年 10 月 14 日 ) 再び上野を訪れました。
なんか green がどうたらこうたらというイベントをやっていたみたいですがそんなもの眼中にありません。
何よりも、穴稲荷の呪詛を祓う事が先決なわけですが、そのようなオカルトな呪詛を祓う最良の武器は明晰な知性と理性であって、蒙昧を払って知性と理性を頼りとするならばオカルトなど恐れるに足りません。
そこで、私は再び上野の桜木亭を訪ね、おもむろに 300 円のソフト・クリームをオーダーするとともに、裏へ廻ってあの五台の自動販売機の前で仁王立ちしました。
そして、ここは気合が肝心とハラに力を込めてから、私はおもむろにジュースの自販機のスロットに日本硬貨を一枚また一枚と投入したのであります。
百円硬貨を一枚、十円硬貨を2枚、自販機のスロットに投入し終えた私は自販機に向かってクールに微笑んでみせました。
すると、私のサイフからなけなしの 120 円を呑み込んだ自販機は、黙ってオロナミンCの瓶の上の赤いランプを点灯させました。
理性と知性がオカルトに勝利した瞬間であります。
……。
そう、私は、五台ならんだ自販機の中から一番手前の自販機を選んで硬貨を投入したのであります。
私の聡明な知性の前に屈服した自販機は素直にオロナミンCを吐き出し、私は勝利の美酒の代わりにその 120 円のオロナミンCを一気に飲み干しました。
オカルトに打ち勝つには、正しい知識を持ち、その正しい知識に基づいた的確で理性的な判断というものが欠かせないわけであり、逆に言えば正しい知識と的確で理性的な判断さえあれば、オカルトなど恐れるに足らないという事がこれで立証されたわけであります。
そこに 120 円でオロナミンCを販売する自販機があるという正しい知識を持ってさえいれば、わざわざその並びにある 130 円で同じ商品を購入するような馬鹿な真似などする必要はないわけであります。
そんな馬鹿な真似は、そこに 120 円でオロナミンCを販売する自販機があるという事を知らないという無知の故なのですから、その無知を明晰な理性と正しい知識によって吹き払いさえすれば、結果は自ずとついてくるのであります。
事の次第を摩利支天さまに報告した私が、件のパスタ屋へと足を伸ばして 980 円のパスタ・セットを食した事は言うまでもありません。
ここに、恐るべき穴稲荷の呪詛は音をたてて崩壊し、私は再び明るい陽光のもとへと舞い戻ってきたのであります。
……。
ただ一つ残念なのは、私が相変わらずワープアである事には変わりがないという厳然たる事実で、こればかりは如何ともし難いようであります。