さて、それに対してここに、皆様お待ちかねの 『 HONKOWA 』 2012 年 3 月号がついに発売されました。
今月号は旧 『 ほん怖 』 が新 『 HONKOWA 』 にリニューアルされてから一周年記念号という記念すべき一冊。
巻頭を飾るは押しも押されもせぬ 『 HONKOWA 』 の顔ともいうべきマユリーナこと山本まゆりさんの筆になる実在の霊能者・寺尾玲子さんの活躍を描いた寺尾玲子シリーズ 「 魔百合の
今月号のエピソードでは東京都は西のはずれに鎮座するあの 《
これまでの玲子さんシリーズにおいては秩父に鎮座する 《 三峰神社 》 にはたびたびの言及があったことは皆さんご存知の通りかと思いますが、 《 武蔵御嶽神社 》 が玲子さんシリーズに登場するのは初めてなのではないでしょうか・・・。
・・・って、えっ?
もしかして、玲子さんシリーズにおいて秩父に鎮座する 《 三峰神社 》 がたびたび登場して各エピソードにおける霊的諸問題を解決するためのキー・スポットとなっていたことをご存知でない?
仕方ありませんね。
そんなあなたは早速書店へと走って 《 厚く!大きくなって!生まれ変わ 》 ったという 『 魔百合の恐怖報告 《 新装改訂版 》 全 10 巻 』 ( 各税込み 945 円 )をまとめて大人買いしましょう。
そして、玲子さんと三峰神社との深~い関係を知った上で新たに 《 武蔵御嶽神社 》 さんが関わる今回のエピソードを読めば感慨もひとしおとなるはずであります。
で、当然の事ながら、 《 厚く!大きくなって!生まれ変わ 》 ったという 『 魔百合の恐怖報告 《 新装改訂版 》 全 10 巻 』 ( 各税込み 945 円 )を大人買いした上で読み進める今回のエピソードなのですが、これは、やはり私と玲子さんが運命の赤い糸という奴で強く結ばれたソウル・メイトだったという証となるエピソードなのでありましょうか?
そんな・・・、実在の霊能者でしかも熟女さんとの不倫 ( にちゃん情報では玲子さんは既婚だそうです ) だなんて困ります。
それに、ケーキのホール喰いや羊羹の一本喰いをこなすような体型はちょっと、さすがにポッチャリ好きの私でも二の足を踏んでしまいそうですし。
・・・。
いえいえ、そんなことはさておいて、今回のエピソードのタイトルは名づけて 「
曰く “ このあたりの/土地って確か……/今も/
いずれにしろ、玲子さんシリーズとは別な作家さんの筆になるものの玲子さんシリーズのある意味で姉妹シリーズとも言うべき
- 【今回のエピソードに対する玲子さんの見立て】
- 《 ○○国三十三ケ所△△霊場第○番 》 の
K寺のライン ( 霊道 ) - G神社から流れてくるケモノ筋
- 憑き物筋の女性が発する無意識的な生霊
G寺のラインは漫画の中でコマ化されることもなく玲子さんが相談者の自宅を訪ねたその日の内に片づけられてしまって、メインは関係者の発する無意識的な生霊とそれに影響されて発動したケモノ筋ということで、そのG神社のケモノ筋と憑き物筋の女性が発する無意識的な生霊およびその眷属的なケモノを片づけるために玲子さんはケモノ筋の神社を実際に訪れることになるのですが、そこからさらに、今回の相談者の住んでいる地域は三峰神社の管轄地ではなく青梅の御嶽山の管轄になるため青梅の御嶽神社へと行くことに。
それでもまずは、青梅へと赴く前に地元のG神社を実地見聞してみると、玲子さんの見立てどおりに同社には 《 武蔵御嶽神社 》 の分社が勧請されていることが判明するとともに、その 《 武蔵御嶽神社 》 は “ わかってる人が / 建て直したんだろうけど…… ” ( p.36. ) その勧請の仕方が間違っていたらしくその分社が正しく機能していないことがG神社から流れてくるケモノ筋の問題となっているらしいことが判明したりもします。
そこからは、近年の玲子さんシリーズの特にケモノ絡みのエピソードには欠かすことのできないキャラとなっている 《 霊犬ブリーダー 》 であるとともに 《 霊的ケモノの運び屋 》 としての宿命を背負ってしまった沙弓さんの登場となって、そこから展開する沙弓さんと玲子さんの “ なんか憑けたでしょ? ” から “ バレた? ” という一連のやりとりはすでに玲子さんシリーズのお約束的なボケとツッコミの定番ネタとなっているようでもあります。
そんな沙弓さんを伴なって、相談者宅に巣くい相談者に悪さをしていたケモノたちを纏めて青梅市の 《 武蔵御嶽神社 》 へと強制連行した上でそいつらを青梅の武蔵御嶽神社の霊狼たち ( 大口真神 ) に処理してもらう事になるわけなのでありますが、その武蔵御嶽神社の霊狼たちのかわいい事といったらありません。
その姿は三峰神社のそれよりはやや小ぶりで “ 柴犬とスピッツが合体したよう ” ( p.43. ) なお姿であるということのようであります。
いずれにしろ、今エピソードにおける主要な霊的問題は、相談者宅に巣食っていた縁戚筋の女性が発した生霊に乗って送られてきた特殊なケモノ霊とそれによって発動された地元のG神社からのケモノ筋のケモノ霊にあったわけで、それらを霊犬ブリーダーの沙弓さんに纏めて青梅の武蔵御嶽神社に運ばせた上で、武蔵御嶽神社の霊狼たちにそれらを処理してもらうことによってすべて解決したわけなのではありますが、ただ一般読者である私たちにとって一つ気になるのが、それでは一体この青梅の武蔵御嶽神社が管轄しているというG神社や《 ○○国三十三ケ所△△霊場第○番 》 のK寺とは一体どこなのか、という事であります。
それを特定していく一つのヒントとなりそうなのが、《 ○○国三十三ケ所△△霊場第○番 》 という表記で、○○国と△△霊場は○と△がそれぞれ二つ重ねてあるのに第○番は○が一つしかなく、これは一ケタ台の寺という事を指している事になるのでしょう。
そして、肝心の《 ○○国三十三ケ所△△霊場 》 ですが、まず第一に考えられるのが元禄 10 年( 1697 年 )に篠田太郎兵衛と田村門三郎の両氏によって創設されたと伝えられているという 《 武蔵国三十三ヶ所霊場 》 で、その第 9 番に蓮華山観音寺 ( 埼玉県吉川市中曽根45 ) というお寺さんがあります。
ただ問題の土地は武蔵御嶽神社の管轄地でもあるため、埼玉県吉川市ではやや遠いという感じが否めないようにも思われます。
地理的な条件を優先して考えていくと、 【 猫のあしあと 】 という一都三県における寺社のデータベース・サイトの埼玉県の寺社概観 と多摩地区の寺院 に掲載されている地図を見れば一目瞭然なのですが、埼玉県の飯能市や入間市などの地域が、三峰神社よりも青梅市に所在している武蔵御嶽神社の方により近接しているようで、そのあたりのK寺が怪しくも思えます。
そこで、埼玉県の飯能市や入間市あたりのK寺という事で考えてみると、 《 武蔵国三十三ヶ所霊場 》 とは別に昭和 15 年という比較的近年になってから西武池袋線沿線に結成された 《 武蔵野三十三観音霊場 》 というユニットがあって ( ユニット一覧はこちら をご参照下さい / リンク推奨ページはTOP ) 、その第 24 番に 《 般若山観音寺 ( 埼玉県飯能市山手町 5-17 / 西武池袋線の飯能駅北口から徒歩 15 分 )》 さんというお寺さんがあります。
霊場名に 《 国 》 はつかないし、通し番号の○一つという事にも特に意味がないものとして考えなければならないわけですが、基本的には漫画内での表記ですのでそれほど厳密なものではないのかもしれず、可能性としては充分に考えられるかとも思います。
他にも 《 △△霊場 》 とあるという事は必ずしもそれは 《 観音霊場 》 であるとは限らなかったりもするのではあって、なかなかその場所を特定することには困難が伴うわけなのでもありますが、ただ、ここで一つ忘れてはいけないポイントは、従来の三峰神社の如くに今回は青梅市の武蔵御嶽神社がエピソードの重要な霊的スポットとして登場してきたという点にあるのだという事なわけであって、そちらの所在は明々白々なわけでありますので、なにもここで今回のエピソードにおける事件の発生地を特定する必要性は必ずしもなかったのだという事も言えるわけでもあります。
そして、そうだ、武蔵御嶽神社へ行こう!、と、ふと思い立つ今日この頃なのであったりもするのでありました。