さてそれに対して、未曾有の大震災とそれに連動する原発大人災に四苦八苦する日本を襲ったところの水に落ちた犬を叩くかの如き台風禍も過ぎ去り、楽しかった夏の日々を惜しみたくなるようにやや肌寒い空気を感じ始めもする今日この頃、それでも大丈夫、『 HONKOWA 』 2011 年 11 月号がついに発売されました。


 今回の 『 HONKOWA 』 の当ブログ推奨作品は以下の通りであります。

    『 HONKOWA 』 2011 年 11 月号の主要推奨銘柄
  • 霊能者・寺尾玲子の真 闇の検証
    女帝の真実 推古天皇の謎
  • 山本まゆり
    「 魔百合の恐怖報告ショック・レポート  母の想い 」
  • 伊藤三巳華
    「 スピ☆散歩 」
  • 永久保貴一
    霊験れいげん修法すほ う曼荼羅まんだら
  • 流水りんこ
    「 オカルト万華鏡まんげきょう

 まぁ、大方の 『 HONKOWA 』 読者の方の推奨作品とかぶっているのかとも思いますが、 1 は以前にも玲子さんが挑戦した事のある古代の女帝推古天皇の検証に再挑戦したもので、 2 は言わずと知れた山本まゆりさんの筆になる 「 霊能者・寺尾玲子シリーズ 」 ・・・。今回のお話はちょっとほろりとさせてくれるところもある異色の内容になっているようであります。


 3 は半端な霊感が災いして増刊号ではついにある意味で同業者とも言える寺尾玲子さんのクライアントになってしまった伊藤三巳華さんの霊感紀行シリーズで、今回は前回の高尾山に続いて私にも身近な江ノ島を探訪しています。


 江ノ島の龍伝説に絡めて “ 龍探し ” をメイン・テーマとしつつも実際は江ノ島神社がらみの探訪がメインとなっていて、しまいには炎の真言行者・池口慧観阿闍梨さんのお寺の江ノ島別院まで探訪されていました。


 ある意味でちょっと意外だったのが池口さんの江ノ島別院が三巳華さん的には結構なお推めポイントのようだった事と江ノ島名物の岩屋がかなりな低評価だったことなのですが、この三巳華さん的には低評価な江ノ島名物の岩屋で邪悪な拾い物をしてしまった方には、逆に高評価な池口さんの江ノ島別院で厄落としすることが、三巳華さん的には推奨されるみたいであります。


 4 は飛ばして 5 の流水さんのエッセー的漫画の今回は、流水さんの身の回りで起こった雑多な不思議体験の小ネタ特集といった感じに纏められていて、お話としては面白いかもしれないものの、 “ あぁ、これじゃ俺はゼッテェー幽霊なんかモクゲキすることはないな・・・ ” との思いを強くする事しきりで orz な一品であります。


 断言しましょう。


 京極堂さんの言葉に頼るまでもなく、この世界に不思議なことなどありません。


 もし不思議と思えるような事が起こったとしたら、それはただ単に未解明なだけの話でしかないのであります。


 ・・・、実もフタもない話ではありますが、流水さんもご自身で “ ホラ あたし 思い込み 激しいから ” とおっしゃっているように、彼女の不思議体験はすべて彼女自身の思い込みが激し過ぎたが故なのでしょう。


 もっとも、不思議大好きな私としてはその思い込みの激しい性格というものはまったくもって羨ましい限りではあるのですけど、ね。


 最後に、今回の推奨作品の内でもメインとも言えるものが 4 の永久保さんの 「 修法曼荼羅 」 なのですが、これは前回でも予告されていた通りに密教における印や真言の粗雑な扱いや越法罪に関するお話を主として取り上げたものになっています。


 『 HONKOWA 』 の前号をここでご紹介した際 ( の記事はこちら ) に “ 密教の印契をたかが酒の味を変えるなどというお遊びの道具にして弄んだ上にそれを堂々と雑誌上に写真公開して嬉々としてい ” た永久保さんの “ 過去の反省なども聞けたりするのでしょうか? ” と書いたりもしたわけですが、やはり聞けました。


 天下の永久保さんも反省しきり・・・、という事のようではあります。


 しかし、まぁ、永久保さんご自身が “ 汗汗汗 ” などと反省を表明されているようでもありますので、その上で注意を促されたのでは耳を傾けるしかない部分があるものの、その出所が酒びたりの生臭坊主ではねぇ~。


 ちなみに、作中で慈童 - 生臭 - 僧侶サマが “ 私 今は飲めないんです ” ( p.80. )とおっしゃっている部分で、 “ 日本酒 ” にわざわざ傍点が振ってあるという事は、 “ 日本酒以外なら飲めますし飲みます ” という含みである事は中学生以上の読者ならわかる事かとは思いますが、小学生くらいの読者だとこの辺の国語の読解力に不足する部分があるかもしれないので注意が必要なところかとも思います。


 まぁ、それはそれとして、今回の永久保さんの漫画では一般に三種重罪と呼ばれる脱獄不可能にして刑期なしな終身地獄行き確定な三つの重罪の中でも越三昧耶罪と呼ばれる事もある越法罪と呼ばれるものに特に焦点を絞って語られていたわけなのではありますが、これとは別に三種重罪と呼ばれる脱獄不可能にして刑期なしな終身地獄行き確定な三つの重罪の中には、真言秘法の伝授を受けても懈怠からそれを修行せず実践しないという退三昧耶という重罪もあるという事も同時に知っておく必要があるかと思います。


 もっとも、この退三昧耶というものは真言秘法の伝授を受ける機会のまずはない私たち素人にはあまり縁のない罪目ではあるものの、チベット仏教系の講座業界では意外とチベット密教系の真言秘法の伝授が行われる機会があったりもしていますので、そのような講座に興味本位で顔を出して伝授を受けるだけ受けて教えのコレクションを増やしながらもそれを正しく実践しないなどという態度を取っていると、その事によって返って罪を造り罪科を重ねることになってしまうだけ、という悲喜劇もあったりするものなのでもあります。


 さらには、真言坊主どもの退三昧耶ぶりにあきれ返るためにも、そういったものがある、という事を知っておくことは必要でもありましょう。


 それにしても、今回の永久保作品は、密教の印や梵字にかぶせたナンチャッテ・モザイクや眷属タヌキのエピソードなど、突っ込みどころ満載でもあり、ますますもって勢いに乗ってきた感があり、今後がますます楽しみな今日この頃なのでありました。


 ・・・。


 と、ここで記事を仕上げてアップしようかと思ったのですが、今回は特別にもう一つなかなか興味深いトピックが目についてしまいましたのでもう少し続けます。


 それは、旧 『 ほん怖 』 以来の名物コーナーでもある 「 寺尾玲子の心霊質問箱 」 中の同質問箱に寄せられた富山県◆Y・Mさんからの相談で、縁切りした友人の邪気に苦しむという富山県◆Y・Mさんは 《 霊気 》 の実践者なのだそうであります ( 叫び


 相談者の質問に対する “ 霊気や霊といわれる一切の事から手を引いて、リセットしてみる事をおすすめします ” という玲子さんの回答は単純明快にして一部の隙もなく ( アオキラ ) 、それ以外の部分に関しても玲子さんの回答はまったくもって道理にかなったもので、この文章からも玲子さんが常識というものをキチンと踏まえているらしいことが窺えます。


 個人的には 「 寺尾玲子の心霊質問箱 」 にはあまり目を通さない方なのです ( もちろん、旧 『 ほん怖 』 時代に何本かは適当に選んで読んだ事はありますので、そのおおよその常識的な回答の傾向性というものは把握してはいたものなのです ) が、今回は “ 霊気 ” という文字に思わず引っ張られて読んでしまいました。


 このブログを読むような方には霊気について今さら説明する必要はないものとは思いますが ( 叫び ) 、玲子さんに “ 霊気というものを勉強している知人 ” がいるとはマニアとしてはワクワクな上に (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル なのでありましたよ。


 ・・・、まぁ、だからどうという事は何もないのではありますけど、ね。


 でも、都会の隅のそのまた片隅のカフェか何かでスウィーツを頬張りながら ( でもケーキのホール喰いはやめてね 叫び ) 、霊気というものを勉強している知人に ‘ 霊気ってなんなの? ’ などと訊ねている実に無邪気な日本最強の霊能力者・寺尾玲子さんの姿を想像すると、なんかとってもワクワクしませんか はてなマーク


 という事で、今号もお推め作品が満載な 『 HONKOWA 』 2011 年 11 月号はただ今大絶賛発売中なのであります。


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