さて、前回の記事 ( はこちら から ) では、一度その姿を拝んだだけで小周天・大周天を発動させてしまうという脅威のご利益を持つという金剛蔵王権現様とその金剛蔵王権現様をお祀りしている吉野の金峯山寺のお話をエントリーしました。


 そして、吉野金峰山寺の蔵王権現堂を総本社として蔵王権現を祀った神社を一般に御嶽神社みたけ じんじゃと呼んで ( 金峰神社・金峯神社とも呼んで ) いるという事から、関東近辺でどこか手頃な場所にこの蔵王権現をお祀りしている御嶽神社みたけ じんじゃはないものかとネットを検索してみたところ、東京都心から西へ数時間・・・、 JR 中央線から青梅線へと乗り継いだところ、東京都青梅市に位置する標高 929 m の御岳山みたけさんという山に武蔵御嶽むさしみたけ神社という神社があるという事が分かりました。


JR 中央線 東京駅
↓ 約 40 分
JR 青梅線 立川駅
↓ 約 50 分
JR 御嶽駅
西東京バス ケーブル下行き
↓ 約 10 分
西東京バス ケーブル下
↓ 徒歩3分
御岳登山鉄道 滝本駅
↓ 約 6 分
御岳登山鉄道 御岳山駅
↓ 徒歩 25 分
武蔵御嶽神社

( 観光協会のアクセス案内はこちら

 御岳山麓にある滝本駅から標高 831 m に位置する御岳山駅まではケーブルカーが約 6 分ほどで運んでくれるそうであります。

ケーブルカー営業案内
営業時間
07:30 ~ 18:30
料金
大人片道 570 円 ( 往復 1,090 円 )
子供片道 290 円 ( 往復 550 円 )

 この神社の創建は第 10 代崇神天皇の 7 年 ( 紀元前 91 年 ) にまで遡り、武渟川たけぬかわ別命わけのみことによる東方十二道平定の際に大己貴命や少彦名命をお祀りしたことに源を発し、奈良時代の天平 8 年 ( 736 年 ) に行基が東国鎮護を祈願して蔵王権現の像をここに安置したと社伝は伝えているということで、さらに平安前期の延喜式神名帳には、この地の地主神である大麻おおま止乃豆乃とのづの天神社あまつかみやしろとして記されているということでもあります。


 現在のご祭神は櫛真智命・大己貴命・少彦名命・安閑天皇・日本武尊という事 ( 主祭神は櫛真智命 ) で、特に蔵王権現様のお名前は見当たらないようなのですが、これは明治時代の神仏分離政策の影響で、神仏習合的な伝統において蔵王権現は安閑天皇 ( 広国押建金日命 ) と同一の尊格とされていたらしく、その為に明治時代の神仏分離対応策として、金峯山寺以外の蔵王権現を祀っていた全国各地の神社ではそのご祭神を安閑天皇としたところも多いのだそうであります。


 さらには、神道において蔵王権現は大己貴命や少彦名命、国常立尊、あるいは日本武尊や金山毘古命等と習合していったものらしく、その関係から蔵王権現をお祀りする神社ではこの上記の 5 柱の神をそのご祭神とするようにもなっていった、と言われています。


 さらに武蔵御嶽神社の特徴として同社の社伝に、日本武尊の東征の際に日本武尊が深山の邪神の放った深い妖霧に道を見失って危難に陥った折りに白狼が日本武尊を導いてその危難を救ったという伝説が伝わり、その後その白狼が大口眞神おおくちまがみとしてお祀りされるようになったと伝えられている点があって、この神様は特に火難除けや盗難除けに著効があるものとされています。


 大口眞神おおくちまがみとは単純に眞神まがみとも呼ばれ、これは日本オオカミの神格化したものとされているのですが、御嶽神社ではオオカミを眷属とした上で、その神格化された存在としての大口眞神を摂社の大口真神社のご祭神としてお祀りしているわけですね。


 ホームページなどを調べてみると、現在では、どうも武蔵御岳神社は蔵王権現様をお祀りしたところというよりは、むしろもともとは日本オオカミの神格化した形態として知られている眞神をお祀りしているという側面が強いようであるようにも感じられるようなのでありますが、・・・、オオカミ神社と言えば、実話系ホラー・コミックの業界では日本最強とも一部では言われている実在の霊能者・寺尾玲子さんの護法的神社とも言える三峰神社が思い起こされてくるではありませんか・・・。


 なんとこのようなところからも玲子さんに繋がっていくとは、まるで運命の赤い糸で結ばれているかのようであります・・・。


宝物殿営業時間 9:30~16:30
宝物殿休業日 平日休館 ( 神社は年中無休 )
宝物殿入館料 300 円

- つづく -


国立公園御岳山-みたけさん- たびガイド