首を長くして待っていた人もおそらくはいるのではないかと思われる実話系ホラー漫画業界のツー・トップの活躍を描いた 『 悪魔百合の恐怖報告まゆりのショック・レポート 寺尾玲子&天宮視子 総集編 2010 年 冬の号 』 が現在発売中であります。


ドワンのブログ@アメーバ-総集編2010冬
ネムキ 12 月号増刊
魔百合の恐怖報告まゆりのショック・レポート 寺尾玲子&天宮視子
総集編 2010 年 冬の号 』
( 第 15 巻第 7 号 / 朝日新聞社 )

 が、よく見てみると、メイン・タイトルの下に小さく 《 ネムキ 12 月号増刊 》 の文字が・・・。


 なんか大人の事情でもあったのでしょうか はてなマーク


 まぁ、それはともかく、収録内容は以下のようになっています。

  1. 巻頭カラー!!書き下ろし 41 枚
    昇華する魂
  2. 闇の触手
  3. 幽界の牢獄
  4. 蠱毒こどくの使い魔
  5. 暴走する蠱物まじもの
  6. 心霊旅日記
  7. 巻中カラー!!書き下ろし 36 枚
    いにしえの境界線
  8. 祟りの波紋
  9. 飛べない心

 1 から 5 までが山本まゆりさんによるいわゆる 《 玲子さんもの 》 で、 6 は山本まゆりさんご自身の旅先での心霊体験談 ( 玲子さんは出演されていません ) 、 7 から 9 までがひとみ翔さんによる 《 霊感お嬢★天宮視子シリーズ 》 という全部で 9 作品の収録という事になっているようであります ( ちなみに、書き下ろし 2 作品以外の再録作品にはきちんと初出表示がされています ) 。


 まゆりさんの単独心霊体験談である 「 心霊旅日記 」 を除いた 8 作品には 「 玲子と視子の Tea Time Talk 」 が併録されていて、各作品に纏わる様々な裏話を読む事ができるのはいつもの通りで、ボケ担当の玲子さんにツッコミ担当の天宮さんというある意味で霊能漫才コンビ的な会話を楽しませていただけるというところもいつもの通りのようであります。


 まぁ、アンチ派の方々に対して若干脇が甘いボケもあるのかな、というような気もしなくはありませんが、まぁ、それも愛嬌と言うものでありましょう。


 個人的には、 273 ページの広告ページの玲子さんがとっても萌えで、つい若い娘 ( 稲葉さん、ね ) に浮気してしまった事を反省する事しきりであります。


 そんな成熟した大人の女の色香をも感じさせる玲子さんが活躍する、『 魔百合の恐怖報告まゆりのショック・レポート シリーズ 』 を 2 本立てで掲載したコンビニ専用 《 AS コミックス 》 霊障ファイル 『 供養の落とし穴 』 特集号もただ今全国のコンビニで絶賛発売中なのだそうでありますが、こちらはまだ未購入・・・。


 それはさておき、巻頭カラーで書き下ろしの 「 昇華する魂 」 はキリシタン弾圧に纏わる因縁譚で、なんでも過去世においてキリシタンを弾圧する側であった女性が歴史上の過去においてキリシタンを弾圧する側にあった家系に生まれ、同じ過去世において弾圧される側だった女性の転世者とこの現世で出会ってその弾圧される側だった女性から生霊を送られて苦しむ、というお話のようでした。


 このエピソードでは般若心経たった一枚の写経で浄霊してしまったのですが、それにしても怨憎会苦とはよくいったもので、実は私も現在生霊を飛ばす奴に纏わりつかれて往生しているところであったりしなかったりという噂がちらほらと流れていたりいなかったりしているので、まことにもって身につまされるお話ではあります。


 続く 「 闇の触手 」 は書き下ろしではないものの私は初見のようで、どうも私が買いもらした号に掲載されたもののようであります ( 『 ほん怖 』 を買うのはやめよう・・・、と思って買わなかった号が若干ありますので ) 。


 このエピソードは、あの古ツワモノとも言うべき玲子さんをして “ いや~ん、こんなの初めて・・・ ( 多少の脚色あり ) ” と言わせ、 “ 面白かった ” とも言わしめた霊障譚となっていて、自殺・病死・事故死などで絶家する家が後を絶たないという地域に実家を持つある女性が直接の相談者となっています。


 遠隔で土地に問題がある事を感知した玲子さんが問題の相談者さんの実家を訪ねると、ちょうど押入れの中に霊のブラックホールのようなもの ( と原典では言っていますが、そこから様々な悪霊が飛び出ても来るようなのでブラックホールというよりはワームホールのような感じではありますね ) があるのを発見するのですが、その場ではさすがの玲子さんも今ひとつその正体を絞りきれず、とりあえずは相談者の実家にかかっていた 《 ( 霊道とは異なる新概念のようです ) 》 を消した上でその土地の歴史や由来、郷土史などを調査する事によってその霊的ブラックホールのような穴の正体に迫ろうとします 〔 《 筋 》 についてはひとみ翔さんによる 《 霊感お嬢★天宮視子シリーズ 》 の書き下ろし作品中にも出てきてその作品に関する 「 玲子と視子の Tea Time Talk 」 ( p.314.) の中でも少し触れられています 〕 。


 そして、様々な調査の結果ついに玲子さんは 《 鬼神遺跡 》 という鍵を発見し、その鍵と謎の霊的ブラックホールの正体を突き止めるために 《 る 》 能力に関しては今や玲子さんをも凌ぐ霊能力チカラの持ち主であり玲子さんの弟子的な立場でもある幽霊えるっちゃんこと霊感お嬢・天宮視子さんを呼んでその正体に迫ります。


 この 《 鬼神遺跡 》 というものが実際にはどの場所の遺跡を指しているのかは検討もつきませんが、 《 鬼神遺跡 》 でググルと鬼神山古墳 ( 遺跡ウォーカーβ ) なるものがヒットしてくるようでありました。


 《 鬼神山古墳 》 の所在地は兵庫県神戸市西区伊川谷町北別府ということですが、はてさて・・・。


 と、そんな野暮な詮索はとりあえず横において、天宮視子さんを助っ人として同道した上で再び問題の家を訪れた玲子さんが取った解決策は・・・。


 まぁ、初出時の掲載誌を読んだ方は知ってることですし、未読の方はぜひ総集編をご購入の上直接確認なさってくださいませ。

 《 霊感お嬢★天宮視子シリーズ 》 の方の書き下ろしは、以前のエピソードの後日譚にして解決編という感じのお話で、霊障の内容そのものは実話系ホラー漫画業界の最強コンビ 《 玲子と視子 》 にとってはどうという事もないというか、もともとは土地絡みの問題で土地そのものはいじれないので応急処置だけしておくので可及的速やかに転居を・・・、という処方箋を出してあった相談者が 10 年の時を経てようやく視っちゃんこと天宮さんの忠告に従ったあとの微調整を行なった、という感じのお話のようであります。


 このエピソードは霊的なものよりは人間の持つさがのようなものの方により注目すべきもののようにも思えますが、どうせなら前編に相当している作品も同時収録 ( 再録 ) した方が良かったように思うのは、私だけ・・・ はてなマーク


 という事でいずれにしても、稲葉さんのようなフレッシュな若手もよいけれど、やっぱり長い経験と場数を踏んでいるお姉さまたちの活躍も捨てられないな、と思わず唸ること請け合いな作品が詰まったこの総集編は、全国書店とコンビニなどで絶賛発売中であります。