この週末は暇だったもので部屋の掃除をしがてら部屋の一角に積み上げられた保管雑誌などをパラパラと眺めたりしていたのですが、そんな中で今読み返してみてもやっぱり面白かったものの一つがこちら・・・。
加門七海さんについては今さら説明する必要もないかとは思いますが、加門七海さんの語られる心霊体験談を漫画家の JET さんが作画する 「 怪奇心霊語り 」 シリーズの一篇であります。
この回のお話の舞台は、お盆前後の夏の青山・・・。
青山のどこぞかで “ さまざまな伝統音楽や民族音楽をパフォーマンスや舞踊演劇として見せる ” とかいうイベントが毎年恒例な感じで行なわれているらしく、上の回の心霊語りで語られた年はシベリアのシャーマンによる祈祷やパフォーマンスを一種の舞踊演劇として披露するという趣旨の公演 ( ? ) が行なわれていた、との事でありました。
その公演には比較的に年配な印象のホワイト・シャーマンと若めな印象のブラック・シャーマンとが出演されていたとの事で、ホワイト・シャーマンの方は公演と割り切った上で軽めのパフォーマンスに抑えていたものの、若めのブラック・シャーマンの方がマジになり過ぎて本当に招霊をし始めてしまったらしいんですね。
そこで、件のブラック・シャーマンも実際に雑霊が招霊されてきたのを感知するやさらに気合を入れて、招霊した雑霊の一体、二体は浄化したものの、青山周辺に眠る雑霊たちが次々とやってきてしまって、ついにはブラック・シャーマンの手には負えなくなってしまい、件のブラック・シャーマン氏は舞台から逃げるようにして退場してしまった、という事です。
そこで、雑霊たちを招霊するだけしといてほったらかしにされてしまってこの先一体どうなる事やらと加門さんがビビっていると、一度舞台袖にはけていたホワイト・シャーマンが先ほどとは打って変わった真剣な表情で再度舞台に登場し、観客たちの協力を仰いでその場に集まってきていた雑霊どもを一気に追い払ってしまった・・・、というお話でした。
いや~、私もぜひその場に同席したかったです。
チベットなどでもチューといって、このように魔物や雑霊を呼び集めてそれらに対して自分の身体を切り刻んで供養したり布施したりなどする事によってそれらを浄化させる ( 事によって功徳を積む ) などという密教の行が伝えられていて、日本などでもそういったパフォーマンスが行われたりする事もあるようですし、 さらには You Tube などを検索しても様々な動画がヒットしてくるかとも思いますが、そういったパフォーマンスの際にこんな事態になって会場がザワつくなどというお話を耳にする事はあまりありませんので、そういった意味でも興味深い体験談のように思われます。
まぁ、そういった意味ではチベット密教におけるチューなどという儀礼も、現在ではかなり伝統芸能化してるのかな、かな、という事を考えたりしなくも無いのではありますが、チベット・マニア的な立場からすれば、チューの実践者ならそんな雑霊如きでビビったりしない、という事になるのでしょうかね
いずれにしろ、そんな加門七海さんの興味深い体験談が掲載されていた 『 ほん怖 』 の 2009 年 9 月号には、このほかにも氷室奈美さんの 「 オーラドローイング 」 に伊藤潤ニさんが登場していたり ( 伊藤さんの作画による氷室さんがとっても美人でした・・・ ) 、永久保貴一さんの 「 闇考 」 こと 「 永久保異聞 闇の考証 」 が漫画部門のトップを飾っていたり、あるいはタレント恐怖体験コミックに竹中直人さんという大物が登場するなどと、けっこう貴重な一冊となっていたように思われます。
ついでにいろいろと部屋の整理をしていたら、なにやら 3 年前の朝日新聞が発掘されてきまして ( ) 、そこに加門七海さんが同新聞のアンケート調査に協力したとかいう事で近影付きのコメントとともに顔を出していました。
なにやら、加門七海さんと朝日新聞の編集部さんとでエントリーした複数候補の中から、朝日新聞の会員サービス 「 アスパラガス 」 のホームページで “ 行ってみたい神社 ” というテーマでアンケート調査をしてみた、ということらしく、そのアンケートに関連して加門さんが神社めぐりについて軽く語られていまして、そのコメントに執筆者近影という感じで上の写真が掲載されていたわけですね。
こちらの写真では耳を出して前髪もちょっとスカっているのであれですが、耳を隠してもっと前髪の密度を上げてくれたら、そのまんま漫画のキャラにかぶってくるようにも思えます。
ちなみに、そっちの方が私の好みにもかぶってきますので、ぜひそちらの方向でお願いできれば、心霊スポットでデートしてやってもいいですけど・・・。
・・・。
・・・、って、すいません、つい、サントリーの缶コーヒー 《 ボス 贅沢微糖 》 飲んじゃいました・・・ 。
ちなみに、アンケートの結果は、お伊勢参りで知られている伊勢神宮が見事第一位に輝いたという事のようであります。
そんなこんなで、あちらこちらでご活躍の加門七海先生の語られた心霊語りを JET さんが作画しているシリーズの第3弾 ( 『 ほんとにあった怖い話 』 2009 年 9 月号 調べ ) の単行本はこちらでお求めいただけます ( 上記エピソードはこの巻にはまだ収録されていませんが・・・ ) 。
私は加門さんの作品はエッセイ系 ( ?) しか実は持っておらず、 JET さんとのコラボ作品となるこのシリーズも雑誌掲載時のものしか読んでいなかったのですが、今回検索してみたらこの巻以前の巻はみな品切れ状態のようですので、買える時に買っとかなきゃいかんな、などという事なども改めて考えてしまった今日この頃なのでありました。