普段はあまり買う事の無い雑誌なのですが、珍しくこんな雑誌を買ってみました。
たまに購入しようと思うこともある事はあるのですが、たいていの場合に書店に置いてなくて結局は買わずじまいになってしまう、という事の多い雑誌です。
それでも今回はあちらこちらの書店をハシゴして回ってやっとの購入にたどり着きました。
それは今月号の 『 新潮 45 』 が特別だから・・・、ではなくて、今月号の 『 新潮 45 』 にはこんな特別付録がついていたから・・・。
言わずと知れた昭和の大政治家・田中角栄による田中派 「 七日会 」 青年研修会における四本の記念講演を収録した C D です。
収録されたコンテンツは以下の通り。
- 昭和 56 年 9 月 3 日
於:静岡県函南町 富士箱根ランド - 昭和 57 年 8 月 27 日
於:神奈川県箱根町 芦ノ湖ホテル - 昭和 58 年 8 月 29 日
於:静岡県函南町 富士箱根ランド - 昭和 59 年 9 月 10 日
於:静岡県函南町 富士箱根ランド
総録音時間にして一時間をゆうに越える付録 C D から今は無きあの田中角栄の大演説が永遠の時を越えて蘇ります。
個々の演説の内容については、当然のことながら当時の時代性と現代とで共有する常識が違う為に特に若い世代にはピンと来ないところもあるかとは思いますが、それでもなお現代においても今だ解決されていない問題についてもすでに触れている部分もあったりするみたいで ( 全国に高速道路網を整備した上でさらに新幹線を通すなどという事をこの時代からゴチャゴチャ語っていたみたいです・・・ ) 、なかなか聞きごたえのある演説になっているのではないかと思います ( 個人的にはもっと論理的なものの方が好みなのではありますが、日本人的にはこんな感じのものの方が受け入れやすいのかな・・・、などと思ったりもしました ) 。
語っている内容は必ずしも論理的とばかりは言えないような気がしなくもないのですが、首脳外交のなんたるかという事に対する見識のあり方を含めて、国運がいまだ尽きる前の日本を懐かしむことのできる一品ではあるかと思います。
もしも田中角栄という存在を当時リアル・タイムで経験したとしたら、果たして私にその偉大さがどれだけ理解できたかは若干心もとないところもあったりはするものの、それでも、 「 今この時代に ( 闇将軍ではない現役の ) 田中角栄がいたら・・・ 」 と思う事が時折りあります。
そんな事を思う国民が多くいるからこそ、こんな C D を付録につけた特集号が発売されたりもしているのでしょう。
民主党の独裁者・小沢一郎氏などは田中角栄の秘蔵っ子などと称され、あたかも田中角栄的な政治手法の継承者であるかの如くにもてはやされたりする事もあったりするわけですが、長い歴史の中で両者を比較してみると、オリジナルの田中角栄に比較してその劣化コピーに過ぎない小沢一郎氏のなんと矮小な事かと驚嘆せざるを得ません。
もちろん、その田中角栄でさえもがその志半ばにして巨大な闇の勢力に討伐されて倒れたことに思いを致せば、その角栄の劣化コピーに過ぎないものが自己の保身に汲々として国家国民をその視野の外に追いやるというのもやむを得ず、それを攻めるのは酷なのかと惻隠の情というものを抱かなくもない部分は若干はあるものの、そのような輩は政治など志すべきではないと、ドワンは断言してみたりして正論を断固として主張するべきなのではないかと思うという事を率直に述べてみます。
劣化コピーが劣化コピーでしかないのは、自らの頭で考えることをせずにただオリジナルを模倣することに汲々としているからというだけではなく、その根本において《 志 》 というものが欠落しているからなのでしょう。
その意味において、本誌には 『 「 小沢一郎 」 に最後のとどめを刺す 』 などと口先ばかり威勢の良い平成の風見鶏とも言うべき御仁の記事が掲載されていたりもしているのですが、これなどはまさに貧すれば鈍する見本で、 《 志 》 が無いばかりか劣化コピーでさえもなく自らの身を挺する覚悟もないただの頭デッカチごときに何ができるわけもないのは自明と言うべきで、いまさらながらに日本の国運に思いを致すことともなった今日この頃なのでした。
ちなみに、サッカー・ワールドカップの決勝トーナメントにおける対パラグアイ戦において日本代表が、前後半から延長戦と粘り、さらに P K 戦にまで持ち込みながらも後一歩力及ばなかったというのも、まさに日本の国運の問題と思わざるを得ません。
その意味から逆に、この ( 日本の国運がすでに尽きたという極めて悲壮なる ) 状況の中で日本代表は極めて高いパフォーマンスを示したとも言え、その健闘は高く評価されるべきでしょう。