明日は西暦では 2010 年 2 月 28 日ですが旧暦では 1 月 15 日になり、チベット暦でもたまたま 1 月 15 日になっているので、チベット暦の 1 月 1 日から始まった記念週間の最終日となっていて、通常はこの最終日の 1 月 15 日をもって 《 大神変の記念日 》 と呼んだりもしています。


  《 大神変の記念日 》 というのは、お釈迦様の伝記である仏伝にある重要なエピソードに基づいて定められた 《 四大聖日 ( 四大記念日 ) 》 と呼ばれる四つの記念日の内の一つです。


 これは、仏教内部の異論者(デーヴァ・ダッタ)や六師外道らの異教徒を、お釈迦様が圧倒的な神通力をもって撃破したという逸話に基づくもので、その神変の具体的な例としてはお釈迦様の上半身が炎に包まれその下半身が水になったとされる 《 双神変 》 と呼ばれるものと、お釈迦様が無数の分身を出現させたとされる 《 千仏出現 》 と呼ばれるものなどがよく知られています


 一般に 《 双神変 》 の奇跡はサヘトマヘトの地で起こされたものとされ、 《 千仏出現 》 の奇跡はシュラーヴァスティ即ち舎衛城で起こされたものであるとされているのですが、この内サヘトマヘトの地は彼の悪名高き某カルト教団よりも前の世代のある新興宗教教団の開祖の方がお釈迦様より人類滅亡のメッセージをヴァイブレーションとして受け取った地としても昔からのオカルト・マニアの方々には知られている土地でもあります。


 さて、ここではそのような新興宗教に関わる人類滅亡などという破壊的なメッセージは横に置いておいて、 《 双神変 》 と 《 千仏出現 》 というお釈迦様の示した二つの代表的な神変の内から 《 千仏出現 》 をによる 《 舎衛城の神変 》 讃えるチベット語の偈 ( 首盧迦 ) をご紹介しておく事にします ( 和訳は学者さんによるものが市販されていますのでそれを引用しました → 田中公明 『 チベット密教・成就の秘法 』 p.102.参照 ) 。


舎衛城の神変 》 を讃える偈


三界 ( 欲界・色界・無色界 ) において喩えることもできないほどの功徳をもって

シュラーヴァスティーで大いなる奇跡を示され

一切の神々と人間に供養され

教法を弘められた方を礼拝いたします。

 俗にこの日に行った行為は10 万倍になるとも言われていますので、この日に善事を行うと普段の 10 万倍の功徳になるという事です。


 ・・・、という事は、この日に電車やバスの中でたった一回お年寄りに席を譲っただけで 10 万回も席を譲ったものとして閻魔さんの仕切る地獄の法廷で証拠提示できるという事ですね 叫び


 この日に積んだ陰徳も 10 万倍がけで計算してくれたらとっても助かるんですけどね。


 せっかくのお釈迦様の縁日ですので、お釈迦様の遺徳を偲びつつこんな偈を唱え、少しは善行を心がけてみるようにしてみるというのも良いのではないでしょうか。