ナチス・ドイツのユダヤ人に対する惨劇を描いた二作品。
まずは、こちら。
ナチスの手からいくつもの命を救った英国人。オスカー・シンドラーや杉原千畝のような人物が英国にも存在した実話です。
ニコラス・ウイントンを演じるのは、名優アンソニー・ホプキンス。
自分が助けた子供たちと50年後に再会するシーンでは、演技なのか実際なのか分からなくなるほどリアルです。
相反する作品。
こちらはアウシュビッツ収容所と、壁一枚隔てただけの収容所司令官とその家族の話。
迫害の直接的な描写は一切ない。看守の怒鳴り声、囚人の叫び声、銃声などが鳴り響き、煙突からは煙が上がる。
そんな環境の中、壁の外では幸せに暮らす家族。なんとも恐ろしい描写です。
この二作品。
どちらも子供たちが楽しくプールで遊ぶシーンがあるのですが、かたや、救われた子供たちの孫世代が無邪気に遊んでいる。
かたや、司令官の子供たちが遊んでいる壁の向こうの彼方に、収容所に運ばれる汽車の煙がたなびいている。
なかなかどうして。
考えさせられる作品でした。

