※今回は、日本文化チャンネル桜のメルマガより、代表である水島総氏のエッセイが素晴らしかったので引用します。
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SAKURA NEWS DIGEST 第141号 - 平成21年7月18日
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【巻頭エッセイ】
「敗戦の御詔勅に還る」
日本文化チャンネル桜代表 水島 総
日本に大きな転換が訪れようとしている。
具体的には、民主党による政権交代だが、その意味するところのものは、もっと深刻で危機的なものである。つまり、戦後六十余年にして、いよいよ古来から続いてきた日本という世界最古の国柄が、現実的に解体、消失しようとしているのだ。
三島由紀夫が自決前に述べた「ニッポン」の現実化である。
「 二十五年間に希望を一つ一つ失って、もはや行き着く先が見えてしまったような今日では、その幾多の希望がいかに空疎で、いかに俗悪で、しかも希望に要したエネルギーがいかに厖大であったかに唖然とする。これだけのエネルギーを絶望に使っていたら、もう少しどうにかなっていたのではないか。
私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら「日本」はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである。 」
というアジアの国「ニッポン」が誕生しようとしている。
二千年以上にわたって、「ますらをの かなしきいのちつみかさね つみかさねまもる やまとしまねを」(三井甲之)として、我が国の国体を維持してきた私たちの祖先や、悠久の歴史を信じ「後に続く」を信じて散華していった英霊を思えば、胸が痛む。
一体、何ということなのか。
私たちの時代に、私たち日本人自身が、この祖国日本を解体させようとしているのである。私たちはそれを阻止出来ぬまま、むざむざ許そうとしている。祖霊、英霊に合わす顔もない。
雪崩を打つように日本が崩壊していく中、今、私たちは何をなすべきなのか、何が出来るのだろうか。
以前も、このエッセイで書いたが、私の尊敬するドイツの作家トーマス・マンは、ナチスに追われてアメリカに亡命したとき、書斎の壁に「私がいるところにドイツはある」と書いて貼っていたという。マンの座右の銘は「duruchhalten=持ちこたえる」だったという。
私自身も、マンと同じ気持ちである。
「日本草莽のあるところ日本はある」そのように私たちは生き、子孫に伝えていかなくてはならない。
どんな困難な状況にあろうとも、私は日本と日本人を信じるものであり、日本文化チャンネル桜も同様である。その信念と姿勢を、私たちは自身の背中によって、未来の日本の子供たちに見せなければならない。彼らはこういう状況の中でこそ、大人たちの背中を見ている。
我が国は、物量の差やその他の要因で、大東亜戦争に敗れた。勝敗は時の運である。大事なのは、その敗れ方である。敗れたときの私たちの姿勢であり、態度である。
戦後日本人は、果たして「見事に」敗れたのだろうか。残念ながら、私たち戦後日本人はそうではなかった。本当は、私たちが、日本人として誇りと矜持を保ち続ける限り、「国敗れても 国は滅びず」だったはずなのである。
繰り返すが、特攻に散った英霊たちが「後に続く」を信じ、従容として出撃されていったのは、国家や国民、悠久の歴史と文化のために、その命を捧げる精神が引き継がれるならば、国は敗れても、国は滅びないと、固く信じていたからである。
日本草莽の皆さんに呼びかけたい。
私たちの祖国は、間もなく大きな崩壊や解体的状況が起きるだろう。しかし、私たちが、日本人としての魂を持ち続け、そして、皇室がある限り、日本社会がどんな惨状に陥ろうと「日本はある」のである。
私たちには、絶望が足りない。
絶望的な状況の中で、もう絶望をみみっちい希望と共に語るのはやめよう。それ以上に、大きく遥かな希望を抱こうではないか。
先人のことを考えれば、まだまだ私たちには、「日本」が足りないのである。
昭和二十年八月十四日、敗戦にあたり先帝陛下におかれては、国民に対して御詔勅を発せられた。
「 宜シク挙国一家子孫相伝ヘ 確(ヨ)ク神州ノ不滅ヲ信シ 任重クシテ道遠キヲ念(オモ)ヒ 総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏(カタ)クシ 誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ 世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ 爾臣民其レ克(ヨ)く朕カ意ヲ体セヨ 」
戦後日本と日本国民は、これを実行しなかった。
真剣に実行されるべきは、今である。
第二の敗戦たる今からである。
そういう意味で、一人の草莽を紹介したい。
「日本世論の会」会長の三輪和雄氏のことである。
彼は御自身で「アジの開き」と自称し、「アジ演説で世論を啓く」運動家であることに徹すると常々話されている。彼のNHK抗議運動への関わり方の中で、ひとつ感心させられたことがあった。
真っ先に立ってデモや集会をリードしているのは、いつものことだが、国民大行動・第二弾のデモ行進の途中、交差点で信号を待つ間、三輪さんはデモを眺める若者たちに声をかけ、なぜ、自分たちがNHKに抗議しているかを真面目に説明し始めたのである。突然、見知らぬオヤジが語りかけて来たので、若者たちは戸惑った表情を見せていた。
その一生懸命な姿が印象に残った。「やむにやまれぬ大和魂」を見たように思った。
効果があるから、結果が出るから、得になるから、私たち草莽は立ち上がるのではない。
「やむにやまれぬ」思いから、静かに、そして断固として、立ち上がるのである。
今年も八月十五日があと一ヵ月でやって来る。
英霊たちは万感の思いで、今年の夏を、私たち日本国民を、見守っている。
畦の花 召しいだされて桜かな 特攻隊員の遺句
※水島氏の指摘通り、民主党に政権交代するということは、日本の国柄(国体)が解体、消滅することです。そして、三島由紀夫氏が言われるような国に成り下がってしまうことです。
現実的に民主党政権が誕生する可能性はかなり高いですが、私たち草莽の民が立ち上がり、日本国を守るため、「後に続く」を信じて散華された英霊の方々の思いに応えるために、この厳しい現実に立ち向かわなければならない時です。私もできるだけの事はやります。