「日本の常識は世界の非常識」と竹村健一氏がよく言われますが、歴史認識に於いても、日本は特異なものになってるように思います。
それは、「戦前」と「戦後」で歴史が断絶されているということです。

戦前の日本は真っ暗闇の暗黒時代で、戦後の平和な時代とは違うから、切り離して観るべきだというものです。
しかし、戦争したのも我々のご先祖ですし、その後復興させたのも、その時生き残ったご先祖です。天皇陛下も戦前も戦後も同じ昭和天皇でした。戦後、※GHQ(連合国総司令部)により日本軍は解体させられましたが、国体(国家の体裁や国柄)は護持されました。
つまり、戦前も戦後も日本軍が解体されたこと以外はこの国は大きく変わっておらず、現実の歴史は途切れることなく連続して現在へと続いているのです。
ですから、戦前を暗黒時代だったとして断絶してしまうような歴史認識はおかしいのではないかと私は思いますし、こんな歴史認識を持ってる国は他には無いのではないでしょうか。
※ GHQとは
第二次大戦後、連合国がポツダム宣言及び降伏文書に基づいて、対日占領政策にあたるために設置した、連合国最高司令官の機関を言う。【注釈終】
このように、戦前と戦後の歴史を断絶してしまっていることが、現在の日本人の精神の荒廃の大きな要因ではないかと思います。
断絶とは、辞書(大辞林)で引くと、「長く受け継がれてきた事が切れて続かなくなること。とだえること」と記してあります。
つまり、歴史が断絶してしまってるせいで、戦前までは伝えられてきた日本人の美徳(勤勉、正直、謙虚、礼儀など)や、文化、伝統、慣習というものが、戦後は伝えられなくなってしまったのです。
GHQなどのプロパガンダ(宣伝。特に特定の主義思想を押し付ける宣伝)のせいで、「戦前=全て悪」という意識を日本人は植え付けられてしまいました。そして、歴史を断絶して捉えるようになり、それまで伝えられてきた良いものまで切り捨ててしまいました。
現在を生きる私たちは、歴史を振り返り、切り捨てて無くしてしまった大事なものを取り戻さなければならいと思います。
平成17年(2005)7月11日