■ HONDAのXL125Rの点火回復

 しばらく前に、突然エンジンが始動不能になったというホンダXL125Rを預かっていた管理人。

 最近、レストア作業欠乏症の傾向が見受けられるのだが、症状を少しでも緩和する目的もあって、他所のXL125Rを預かって、スパークプラグに全く火が飛ばないという点火不良問題を解決してみようと試行錯誤をしてみるのだった。

本内容は管理人が行った活動の記録だったりする。

各名称等は管理人が使用しているもので正式なものではないかも。

こんな記録を参考にせず、正しい情報を入手して、正しく活動されたい。

万一、参考にしてしまう場合には自己責任で。

■ 前回からの続き

 前回、ホンダXL125Rを少しお手入れしてみた#01【エンジン始動不能】【無点火】レストア手伝いで電気配線のカプラ(コネクタ)の接触不良を疑い、各部のカプラや端子を確認し、接点復活剤を塗布するなどしてみたのだが、結果として点火が回復することはなかった。

 仕方が無いので、前回に引き続き点火不良の原因を探るべく、作業を開始するのだった。

 

 燃料タンクの下側、コイルに繋がる

 コネクター(画像は点火コイルに送電するための配線)

 

 点火コイルの端子をはずして接点復活スプレーを塗布。

 

 ボディアースをとっている部分も念のため接点復活剤を塗布している。

 

 高圧部分にも。

 

 フレーム左側を確認。

 

 この位置のコネクタも、

 

 一旦分離してから内部の端子を確認していく。

 

 青白いのは緑青のような物体。

 

 泥や砂が溜まったカプラ内。

 

 反対側はこんな感じ。

 とりあえず接点復活スプレーを噴きつけておいた。

 

 この時点までで確認してみるが、まだ点火は復活しておらず、エンジンは始動できない。

 

 更に各部を確認しておこうと、

 エンジンのシリンダーヘッド、この部分に装着されたポイント的な機構を観察しておく。

 

 マグネットとか、とりあえず見て確認できるような破損箇所は見当たらず。

 

 CDI的な部品についても、

 

 コネクタ内部を確認。

 

 CDI的な部品に接続されるコネクタ部分。

 

 その他、エンジンと接続される部分とか、

 

 コネクタ内部を確認してから復旧することになる。

 

 コネクタ内部。

 

 その他の配線・ギボシ端子とか、

 

 枝分かれ配線とかも確認しておく。

 が、ここまで行っても点火は復活していない。

 

 当初は電気配線まわりの接触不良ぐらいを疑っていたのだが、簡単には原因を突き止められなかった。

 とりあえず、点火関連以外の部分を先に見ておこうということで、

 ドライブチェーンがカタカタ音を立てる点について、

 ドライブチェーンの油が切れていることから、とりあえずドライブチェーンに油をさしておくことにした。

 

 ついでに、

 見事な磨耗状況のドリブンスプロケットの歯。

 外したスプロケットを手裏剣として使えるほどの尖り具合。

 

 歯の先端など、円の中心から垂直方向にそびえ立っている様。

 明らかに張り過ぎで油が切れたドライブチェーン、

 手裏剣のように歯が尖ったドリブンスプロケット、

 チェーンとスプロケットが引っ掛かって問題が起きても不思議ではない状態。

 (このドリブンスプロケットを見ると、管理人のXT660Zテネレ「ねこわさび」がドライブチェーンまわりからの異音に悩まされていたことなど、たいした問題ではないと思えてしまう。)

(参考)【整備 車検Ⅲ】#04 ドリブンスプロケットの手入れとか ヤマハXT660Zテネレ 「ねこわさび

 

 とりあえず、車体を押し歩きする程度ではドライブチェーンからの異音は治まった。

 が、XL125Rのオーナーには、これらドリブンスプロケットとドライブチェーン、ついでにドライブスプロケットの交換が必要だと伝えておいた。

 

 ドライブチェーンから異音は解決したので、再度点火不良の件について作業を再開する。

 テスターを用いて、各接続部の抵抗の他、メインキーシリンダー・メインスイッチ部分の導通、各スイッチの導通をチマチマ確認していく。

 

 キック操作をしても、全く火花が飛ばないことから、メインキーシリンダーのスイッチ部分が短絡してしまっているかと考えたのだが、メインスイッチの各端子間の導通を、ネット上にあった配線図の端子間導通表と較べてみたが、特に問題はなかった。

 ちょっと困った。

 

 

 

 ここまでで点火不良の問題が解決できていないことから、ちょっと気分転換でウインカーまわりの配線を整理しておくことにした。

 カウル(ヘッドライトバイザー)裏面に納められたウインカー等の配線類。

 そのギボシ端子で接続された配線類を見ていくと、

 

 黒色の被覆に「水色(空色)のテープ」が巻きつけられた配線が、黒色の配線と接続された箇所があった。

 通常、空色の配線は「右ウインカー」の配線。

 黒色の配線は、「メインスイッチオンでバッテリーのプラス側に繋がっている」または「古いバイクだとキルスイッチ用のエンジン停止用の線」といった認識。

 (参考)HONDA 配線色の役目

 おそらく、ウインカーまわりを弄っていた際に、配線被覆が黒色だから、空色のテープを気にせず「黒色の配線」と「黒色の配線」を接続してしまったのだろう。

 これが点火不良の原因だったのだろうということで、メインキーシリンダーをオンにして、キックペダルを踏み込んでみると、

 

 

 キャブレター内に残っていたガソリンで、無事にエンジンを始動させることができた。

 これまでの苦労が何だったのかと考えるほどのあっけない始動。

 

 このXL125Rの年式だと、スイッチボックスにはキルスイッチが無いので、エンジン停止線がヘッドライトまわりに存在しているのはおかしいかとも思ったのだが、この後の年式だとキルスイッチが装備されたような話も聞くので、エンジン停止線だけはキルスイッチが装備されるよりも先に装備されていたのかも。

 

 とりあえず点火不良の問題は解消し、エンジンの始動はできたので、XL125Rはオーナーの元に帰っていった。

 

 

 

 ひさしぶりにレストアっぽい作業をしたのだが、やっぱり走りまわるだけでなく、整備作業もしておきたい管理人。

 最近は何か適当な題材でも無いかとネットで探してしまったりするのだった。

 

 GL500とか、NX650ドミネーターとか、グース350とか、VTZ250とか、CBR750Rとか、XJ400ZSとか・・・

 DIO50とかDJ1とか、スペーシー125(初代リトラクタブルライトの)とかでもいいな・・・

 (NSR250とか、TZR250とか、NSR50とかは価格が高騰しているようなので手が出そうも無い)

 

 

SDカードエラー発生【毎月】 2023年01月