■ ウィンカー球を全LED化したら点滅しなくなる原因を探ってみる
これまで、管理人は世間では広く一般的に行われるようになっていたウィンカー(用電球)のLED化について、(消費電力の低減にはあまり効果がないことから)ほとんど興味を持ってこなかったのだが、最近になってXTZ125のヘッドライトやメーター照明まわりを反応性が良いLEDに換装したことから、(エンジン回転数が極低いアイドリング時などにウィンカーを使用すると発生する)「チラつき」が気になりだしてしまった。
そこで、これら「チラつき」を軽減するべく、ウィンカーの消費電力を抑えて、発電量の不足が発生し難いよう、ウィンカーの電球をLED化する作業を開始し始めたのが少し前。
このウィンカーをLED化する活動内容について、前回までにウィンカーをLED化して作動試験を行ったところ、全部の電球をLED化すると、なぜかウィンカーが「点滅しなくなってしまう」と言った大問題が発生してしまった。
そこで、今回はウィンカーの電球をLED化した際に点滅しなくなってしまった理由を、自分でちまちまと色を塗った配線図を用いて調べてみた。
本内容は管理人が行った活動の記録だったりする。各名称等は管理人が使用しているもので正式なものではないかも。こんな記録を参考にせず、正しい情報を入手して、正しく活動されたい。万一、参考にしてしまう場合には自己責任で。
■ ICウィンカーリレー導入のおさらいとか
これまでのウィンカーLED化に関する記事は、
*ウィンカーをLED化#01(T10型LED+BA15S→T10 アダプタ) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
*ウィンカーをLED化#02(T10型LED アダプター) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
*ウィンカーをLED化#03(標準ウィンカーリレーでハイフラ) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
*ウィンカーLED化#04(ICウィンカーリレーを投入a) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
*ウィンカーLED化#05(ICウィンカーリレーを投入b「点滅しない」編) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
*ウィンカーLED化#06(ICウィンカーリレーをR&Pから移植「やっぱり点滅しない」編) ヤマハXTZ125「ねこちやづけ」
あたりに書かれていたりする。
前回までに、作動状態となったウィンカー球(バルブ)の前後のうちどちらか一方でも電球が入っていれば無事に点滅するのだが、前後のどちらもがLED化していると、ウィンカーが点滅しなくなってしまっている。
もう少し具体的に書くと、ウィンカーのスイッチを左右どちらかに入れると、最初に一回はウィンカーが【明るく)点灯するのだが、その後は「ぼんやり」とウィンカーLEDの発光素子の一部が「ぼんやり」と点灯したままとなってしまい、それがウィンカーのスイッチを別方向に操作するまで、「ぼんやり」した点灯状態が続いてしまう。
「ぼんやり」とウィンカーが点灯しっぱなしになってしまった状態。
そこで、仕方なくウィンカーが点滅しないという大問題の原因を探るべく、手持ちの配線図をしらべてみることにした。
■ 配線図を確認してみる
ここは、基本に立ち返って、ウィンカーの電球をLED化した際に発生する問題の原因を探ってみる。
ブラジル仕様の配線図
(管理人が少し変更している。)
ここで、ウィンカーに関する部分だけを、より簡略化して抜き出してみると、
● 標準状態
「ウィンカーまわり」 の標準状態を表した図
ウィンカーのスイッチを、左右どちらにも入れていない状態。
画像左側が電流の上流側。
画像右側がアース(下流)側。
ウィンカーリレーの上に1つある電球がウィンカーの作動状況を表示する「ウィンカーインジケーター」
画像右端に4つ並んでいる電球が「ウィンカー球」である。
● ウィンカー作動状態 (ウィンカー点灯中/ウィンカー消灯中)
標準状態のウィンカーのスイッチを左右どちらかに入れ、ウィンカーを作動させると、
まずはウィンカーリレーを電流が通過し、前後2つのウィンカー球が点灯する。
(このとき、ウィンカーリレーよりもウィンカーインジケーターの抵抗の方が大きく、ウィンカーインジケーターには電流が流れず、ウィンカーインジケーターは点灯しない。)
やがて、ウィンカーリレーが電流を遮断する。
そうなると、それまで流れなかったウィンカーインジケーターに電流が流れるようになり、
ウィンカーインジケーターが点灯する。
ウィンカー球には電流が僅かに流れるが、電流が十分ではなく電球は点灯しない。
( ここでようやく、ウィンカーが点灯しているときにはウィンカーインジケーターは消灯して、
ウィンカーが消灯しているときにウィンカーインジケーターが点灯していたことを思い出した。)
● ウィンカー球を全LED化した状態
ウィンカーの前後とも電球をLED化した状態
ウィンカーのスイッチを左右どちらかに入れ、ウィンカーを作動させると、
まずはウィンカーリレーを電流が通過し、前後2つのウィンカー球(LED)が点灯する。
※ 2つ上の図と同じ。
やがて、ウィンカーリレーが電流を遮断する。
そうなると、それまで流れなかったウィンカーインジケーターのLEDに電流が流れるようになるが、
電球のように消費電力が大きくなく、電圧の降下も少ないので、
「ウィンカーリレー」の前後で電圧差が僅かしかなくなってしまう。
⇒ 「ウィンカーリレー」に電流が流れない。
⇒「ウィンカーリレー」にとっては、「ウィンカーのスイッチを切った状態と同じ。
上の図の点線のように、僅かな電流が流れ続けるだけで、ウィンカーリレーは非作動状態のまま。
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「ウィンカーインジケーター」と「ウィンカー」は、全て「ぼんやり」点灯したまま、
点滅動作は行わない。
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という理由で、点滅をしなくなってしまったのだろうか?
・ ちょっと試したいこともあったりした。
今回の話で、ちょっとだけ脱線 (今回の推測を無視) して、
「消費電力が足りないので、もう少しだけ消費電力を増やしたら、ウィンカーリレーが作動して、点滅動作をするのではないか?」と思った、前回の思いつきについて、少しだけ試してみた。
前後のウィンカー球を今回LED化して、消費電力が少なすぎるなら、以前にLED化していたウィンカーインジケーターのLEDを、電球(T6.5ウェッジ電球。ちなみに管理人はLED化した際に、勝手にT5ウェッジ球型のLEDに換装している。)に戻したら、ウィンカーリレーが作動する電流値となるのでは・・・
さっそくウィンカーインジケーターのLEDを、標準のT6.5ウェッジ球に戻してみたら・・・
やっぱり、ウィンカーを作動させても、一度ウィンカーが光った後は、ウィンカーインジケーター(電球内のフィラメント)がぼんやり点灯するだけで、連続して点滅する様子はない。
(あとで画像追加予定)
という訳で追加してみた。(12/4)
ウインカー側のLEDはぼんやり点灯。(点滅せず。)
インジケーターの電球は、フィラメントが少し赤くなる程度。
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やはり、単純に消費電力が足りないので、ウィンカーリレーが作動しないという訳ではなかったようだ。
■ ひとまず、ウィンカーの作動を優先させておく
ここまで作業して、ウィンカーまわりを以前の状態(電球等)戻すのは(面倒なので)避けたかったりする管理人。
手っ取り早く、ウィンカーインジケーターを通って、ウィンカーリレーをバイパスしてしまう電流を止めてしまうためにとった対策が・・・
対策後の図
見ても分かるように、「ウィンカーインジケーター」をソケットから抜き取っただけ。
これなら、ウィンカーインジケーターを回り込んで、ウィンカーリレーの(前後電圧差をなくして)作動を阻害する電流を阻止することができるはず。
という訳で、作動試験を行った結果、
(写真は後で追加する予定)
という訳で追加してみた。(12/4)
ニュートラルランプが明るく光っていて見難いのだが、
ウィンカーインジケーターは点灯していない。
(ニュートラルランプの右側、左右矢印(←→)印のランプが点灯していない。)
全LED化したウィンカーが、正常に点滅することを確認した。
紆余曲折はあったが、とりあえずXTZ125「ねこちやづけ」の全灯火類がLED化したことになる。
(この時点ではウィンカーインジケーターは省略されてしまっているが。)
遠回りはしたが、LED化したウィンカーのはっきりした点滅は気分も新たに嬉しかったりする。
(個人的には、電球の穏やかな点滅も捨て難いが。)
■ その後
LED化したウィンカーは快調に作動し続けている。
左右の前ウィンカーを、直に目視できることから、メーターパネル内の「ウィンカーインジケーター」はそれほど重要という訳ではないのだが、明るい環境下等では、ウィンカーインジケーターは無いより有った方が良い事には間違いない。
(後で写真を追加予定)
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上の画像で、前ウィンカーが直接目視できるのが分かるはず。
・・・どうせなら、他の改良と合わせて、ウィンカーインジケーターの復活を試みてしまう。
しつこく当分の間の予定で続いてしまう。