2013 年 11 月生まれの小梅が我が家に来たのは翌春。約 12 年間、家族の一員として我々を楽しませてくれ、癒してくれました。私が早く帰れる日や休みの日には 1 時間以上もの散歩をするのがお互いの楽しみでした。ところが 2023 年 5 月、突然全身痙攣を起こすようになり、精査の結果、悪性の脳腫瘍(グリオーマ)と診断され、手術ができる場所ではないとのことで余命半年を告げられました。しかしながら、大阪公立大学の獣医センターで放射線療法を行っていることを知り、週 3 日、4 週間、毎回麻酔をかけて治療を行うこととなりました。治療は大成功で、腫瘍は殆ど消え、定期的な麻酔下でのMRI検査でも再発することはありませんでした。2024 年夏、口唇の裏側に扁平な腫瘍ができ、悪性の肥満細胞腫(グレード 3)と診断されました。腫瘍摘出およびリンパ節郭清の手術を受け、その後、抗がん剤の内服治療を継続。これまた、予後半年と診断されましたが、全く再発なく経過良好でした。これらの治療後の定期検診時、今春、胆泥(胆嚢粘液嚢腫)という良性ではあるものの犬特有の胆嚢が徐々に腫れあがり破裂するという疾患がエコーで診断されました。暫く経過観察することとなり、間もなく手術を考慮していた矢先、その胆嚢の陰に肝臓がんが認められ、結局手術は出来ないとの判断で、これまでの耐え忍んだ 2 つの悪性疾患も、胆のう、肝臓の疾患でとどめを刺された形となってしまいました。その後も、小梅は元気に過ごしていましたが、7 月末ごろより、黄疸が出だし、食欲にムラが出るようになってきました。8 月、9 月と比較的安定していましたが、10 月 8 日、胆のうが破裂したのか急変。獣医センターや近くの動物病院の先生方に大変お世話になりましたが、日に日に衰弱。体重は激減し、歩行するのも大変となり、10 月 25 日、早朝に痙攣が始まりました。この日は土曜日でしたので、私は出勤前に 『小梅、長いことありがとう!』 と別れの挨拶をして出勤しました。同日 14 時 10 分、自宅で息を引き取り、天国に旅立ちました。数えきれない思い出、写真があります。これまで、クリニックの PCには小梅の何枚もの写真をスクリーンセーバーとして映してきました。診察室に入って来られる患者さんの中には、『 おはよう!』 とか 『 元気? 』 と画面に声をかけて下さる方もおられます。暫くは、この画面を見るのも辛いところはありますが、皆さんが引き続き声をかけて下さるのでこれからも引き続き残していきたいと思っています。亡くなって 1 ヶ月少しが経ちますが、突然涙が湧いてきたり、物音に振り返ることがあります。また、そのうち帰ってくるのかな なんて思うのですが、はかない幻です。脳腫瘍が診断されてから無力の私は、5 か所の神社と 3 年前に亡くなった母親の墓に週に 1 ~ 2 回、お願いに上がりました。小梅が急変した 10 月 8 日が丁度 100 回目でした。難病に罹り、大きな治療をし、予後が不良と言われていましたが、小梅の頑張りと、神様方のお陰で 2 年以上(人間でいえば、14年以上)も元気に過ごさせてもらいました。神様は居るんだなとつくづく実感し、感謝の毎日でした。有難うございました。