二度と言いません | 転妻よしこの道楽日記

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ひろしま菓子博2013の片棒を担いでいるのではないが、
この半月ばかり、我が家には、もみじ饅頭がシヌほどあった。
最初は50個はあったと思う。
主人と私とで(あんこ系を食べない娘は、仮にいても戦力にならない)、
毎日、オヤツの一切をもみじ饅頭に切り替えて食べ続け、
今朝、ようやく残りあと三個、というところまで追い詰めた。

どうしてこんなことになったかというと。

そもそも、娘が下宿生活を始めるにあたり、
大家さんやご近所へのご挨拶をせねばならないだろう、
と我々は思い至り、出発前日に主人が、
広島駅で、大家さん用に箱詰めのもみじ饅頭ひとつと、
ご近所用に5個セットの小さい袋入りのを10袋ほど買った。
これまでの転勤生活の習慣から言って、
引越挨拶とは、だいたいそういうものだったし、
もみじ饅頭がごく一般的な意味で、喜ばれるお土産であることは、
私達も体験的に了解していたのだ。
しかし、今回に関しては正直なところ、そのもみじ饅頭が、
主人と娘の広島出発にあたり(私は入院中だった)、
物凄く邪魔な(爆)大荷物になったこともまた、間違いなかった。

そして、現地に到着して、大家さんにはきちんとご挨拶できたのだが、
同じ階および真下の住人たちは、単身者ばかりのせいか、
娘が何度回ってみても、夕方や夜の早い時間などの
常識的な時刻にはどこも留守で、なかなか会えなかった。
不動産屋さんの話から、全部の部屋に居住者がいることは確実で、
夜の10時過ぎとか、朝7時台に行けば在宅しているだろうと思われたが、
それは、平時によそ様を訪問するべき時間帯ではなく、娘は困った。
そうこうするうちに、4月第一週が終わる頃、娘がメールを送ってきた。
「もみじ饅頭、明日が賞味期限なんだが」。

仕方がなかった。
私は娘に指示して、残っているもみじ饅頭全部を、
着払いの宅配便で、我が家あてに送らせた。
私達が食べるほかはないと思ったからだ。
その日から、主人と私の苦闘が始まることになった。
これがまた、悪いことに主人は若い頃からずっと、
もみじ饅頭の悪口ばかり、言って来た人だった。
個人の好みの問題だから仕方ないとは思うが、
主人は、もみじ饅頭を評価したことがなかった。
『どこがええんや!』
『なんでこんなもんが、広島みやげの代表みたいに言われにゃならんのや!』
『名物に美味いものナシとは、これのことじゃの!』
と主人は、昔からずっと、もみじ饅頭に悪態をついて来た人間だったのだ。

「ごめんなさい(T_T)。もう言いません(T_T)。私が悪ぅございました(T_T)」
と主人は、目の前の皿に積み上げられたもみじ饅頭を見て、泣いた。
私は無言で茶を淹れ、主人と差し向かいで、もみじ饅頭を食べた。
「……案外、美味いわ(^_^;」
と主人が力なく言った。

私達の猛攻の甲斐あって、現在、もうゴールは見えている。
賞味期限を半月以上過ぎてもなお、もみじ饅頭はなんともない、
ということを、私は今回、身をもって知った。
いや実際、なかなか美味しかったですよ(爆)。