「宮司さん」といえば思い出すことなど | 転妻よしこの道楽日記

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狩野英孝氏の父である桜田山神社宮司の死去に思う(BLOGOS)

この件で私は、昔の友人のことを思い出した。
私自身が大学生だった頃、某神社の次男であるという友人がいて、彼は、
「大学を卒業したら國學院の専攻科に進んで明階を取らんといかん」
とよく言っていたものだった。
彼は地方出身で、神道学科とは無関係の某私立大学の学生だったが、
家が古い神社で、大学卒業後に神職資格を取り、跡継ぎとして故郷に帰る、
というのが、大学進学時の両親との約束だったそうだ。

神職資格の階位には、高い(偉い?)順に、
「浄階(じょうかい)」
「明階(めいかい)」
「正階(せいかい)」
「権正階(ごんせいかい)」
「直階(ちょっかい)」
という区別があり、神社本庁の定める「別表神社」に該当する神社の場合、
「明階」以上の階位を持つ神職でないと宮司になれない。
広島なら、厳島神社や護国神社あたりが、このクラスに相当するが、
冒頭の彼の家も、名前を言えば多くの人が知っているほど有名な神社で、
ゆえに彼は、「明階」を取らなければ家の宮司になれなかったのだ。
彼の実家の神社には、代々の宮司職を受け継がれた御父上のほか、
補佐なさる叔父上や、そのほか何人もの神職さんが奉職なさっていて、
例祭以外にも、結婚式や初参り・車の安全祈願・地鎮祭などを、
一年中、忙しく務めていらっしゃり、
彼は、若い神職さんたちと兄弟のように遊んで育ったと言っていた。
……あの彼は、今どうしているかな。
元気で「掛介麻久母(かけまくも)~」をやっているだろうか(逃)。

そこまで大きな神社でなく、普通の、地元の小さな八幡様、
のような神社だと「権正階」から宮司になれる。
こういうところは、宮司さんひとりしかいらっしゃらなくて、
祭りのない普段の日だと、社殿に鍵がかかっており社務所にも人がいなくて、
宮司さんご本人も、会社員だったり学校の先生だったりして、大抵、兼業だ。
どこの地元神社も、ほとんどはこのくらいの規模だろう。
うちの村も、隣の村も、神社と言えばそういう感じだった。
ついでに言うと、単衣に袴という姿で、境内を箒で掃除している、
……という宮司さんの定番スタイルは、私はあまり記憶にない気がする。
何かというと、神社の掃除という行事は村ではよくあったが、
宮司さんも、近所のお父さん同様、シャツとズボン、だったような(^_^;。

Wikipediaを見てみると、神職資格取得方法は幾通りかあり、
國學院大学か皇學館大学の神道学科(学歴によっては専攻科)に進学するか、
そうした大学や地域の神社庁が設けている神職養成講習会に行くか、
あるいは通信教育、というのも可能ではあるようだ。
いずれの場合も、履修内容や取得単位数等によって取れる階位が違って来る。
タレントの狩野英孝さんとその弟さんが、どれを選択なさるかわからないが、
もし、これから勉強を始めて資格取得を目指されるという状態であるなら、
さすがにこの秋の例祭には間に合わないのではないだろうか。

そういえば、うちの叔父が、去年の祭りのときに来て言っていたが、
叔父一家の住んでいる町ではその前の年、高齢だった宮司さんが亡くなり、
息子さんは神職資格をお持ちでなかったので、やむなく、
同じ地区のほかの神社の宮司さんに、秋祭りの斎主を代行して貰った、
という一件があったということだった。
リンク先の記事にもあるように、今時は経済的な問題も深刻で、
後継者が決まっていないままの神社もまた、多いのだ。

ところで、私は二十代の頃、ちょっと仕事絡みで、
明治神宮・日枝神社・靖国神社を、一日でまわったことがあった。
暑いさなか、長い宮司講話で寝そうになった(爆)という不敬ぶりで、
直会(なおらい)で御神酒を頂いたときには、
アルコールが一切駄目な筈の私でもシヌほど美味しいと思った、
という出来事など、いろいろと忘れ難いことがあったのだが、
そのときに変に感心したのは、靖国神社は神社本庁に属していない、
という事実だった。
素人の私が見ていても、靖国神社の祭式は独特だったのだが、
それも道理で、ここは大きな神社ではあっても非常に特殊な存在だったのだ。
明治神宮や日枝神社は、それこそ「明階」を持たないと宮司になれないが、
靖国神社はそういう規定からも自由なので、極端な話、
階位など持たない、神職ですらない人でも宮司になれるということだった(O_O)。

そして、私たちが参拝したときの、靖国神社の宮司さんが、
首相参拝だなんだと、どれだけニュースが注目していようが、
私は8月15日には、ここには居ませんよ。
天皇陛下のご臨席になる、日本武道館の式典のほうに参ります

と仰ったのには、とてつもなく迫力があったので、
どうもなんだか、私は今でも気に入っている(^_^;。