昨日、八十歳超の実家母から携帯にメールが来て、
タイトルは『押し買い←押し売りならぬ。』。
なんでも、数日前、実家に見知らぬおっさんが来て、
「ネックレスでも指輪でもブレスレットでも、古いのが何か無いか、
石の取れたのでもいい、高値で買い取りするから」
と言ったそうだ。
ジョークではなく、私の母はそういうものを持っていない。
まあ、葬式にしていくパールくらいはある筈だが、
母がネックレスをつけているところは、私の人生で数回しか見たことがないし、
指輪をしたところなど、私は生まれてこのかた、ほぼ一度も見たことがないと思う。
昭和ヒトケタも前半の人なので、母は私が小さい頃はよく和服を着ていたし。
今となっては既に八十歳超で、滅多に外出そのものをしない、バさまだ。
「ほんまに、何ひとつありませんねん」
「棺桶に片足突っ込んどぉのに。無い袖は振れんわ」
と母は水仕事で荒れた両手を広げて見せて、神戸弁で(笑)断った。
台所の窓越しの話で、背後の食堂には父もいたので、
母は別に慌てることもなく応対したそうだが、
それでも並みのセールスに較べて結構しつこかったとのことだった。
「ほんなら、名刺、出しんさい」
と今度はなぜか広島弁で母が言うと(←本人は無意識のスイッチング)、
おっさんは名刺は持っていなくて(←どんだけ怪しいねん)、
持参したチラシに担当者の名前をカタカナで書いて置いていったそうだ。
そのチラシを母があとで読んでみると、出だしがいきなり、
『最近は、紙幣価値の変動激しく……』。
そうなんか、硬貨やったら大丈夫なんか、と母は笑ったということだ。
この話題をツイッターに書いたら、
うちにも来たことがある、と反応して下さった方が複数あった。
全国的に、少し前から大きな問題になっていることだそうだ。
手口は、不意に自宅に来て、鑑定をしてやる・高値で買い取る等と言い、
強引に勧誘して、貴金属やアクセサリー、和服を買い叩く、というものだ。
一人暮らしだったり、女性ひとりで家にいるような時間帯だったりすると、
うっかりこういう人を相手にしたが最後、どうしても帰ってくれないので
怖くなって、高級品を二束三文で渡してしまうこともあるのだそうだ。
毅然とした態度で断りましょう、
と国民生活センターなどが注意を喚起しているが、
超明瞭な日本語の短文で、切り口上に断っても、
こういう手合いはとにかく帰らないので始末が悪い。
ツイッターの友人から聞いた話では、
「ネックレスのちぎれたのでもいい、
イヤリングやピアスなど片方だけでもいいから」
等々と、あり得ないほど粘ったということだった。
そしてこいつは、挙げ句の果てには、
「金歯、置いてないですか?」
とまで言ったそうだ。
おい。
ちょっと待て。それオモロいやないか(^_^;)。
ラッパーの家でも行ったら、ええんちゃうか。
どっかで、金歯にダイヤ埋め込んだんが、あったらええなあ、にいちゃん。
その根性とギャグのセンスを、どっかほかで活かせんもんか。