おめでとうマエケン | 転妻よしこの道楽日記

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今シーズン、いいところの少なかった広島カープだったが、
ファンや市民の不満は、主として球団経営に関することに
端を発しているのであって、選手の頑張りそのものは素晴らしかった。
前にも書いたが、廣瀬―天谷―赤松という外野守備陣は
それこそメイク・ミルミル(笑)なプレイをたびたび見せてくれたし、
43盗塁で盗塁王を獲得した梵にも、ファンは心から満足したと思う。

中でもマエケン(前田健太投手)は本当に見事だった。
カープ・ファンの今季の大きな喜びは、
マエケンの成長ぶりを目の当たりにできたことだった。
最優秀防御率(2.21)最多勝利(15)最多奪三振(174)の3部門で
マエケンはセ・リーグ・トップを飾ってシーズンを終わった。
広島カープからこんな投手が出たのは、球団史上初だ。

昨年のカープ先発陣は、ルイス―大竹―マエケンの三枚看板だったが、
マエケンはその中で、まだ明らかに「三番目」だった。
エース・ルイスの本来の目覚ましさと、
覚醒して「神竹」になった大竹の勢いに比して、
マエケンはまだ若く、特にシーズン前半は球にボリュームが足りず、
頑張ってはいたが、まだまだ「今後に期待」という印象の投手だった。
しかし今年、球団経営のマズさからルイスという優れた投手を失い、
さらにキャンプ中の大竹の負傷が思わぬ重傷で、
今シーズンは最初から、いきなりマエケンひとりが
たった一枚の「切り札」になってしまったのだ。

四年目の若さで、この重圧に耐えられるのか、と心配したが、
長いペナント・レース中、マエケンは本当に偉かった。
防御率2.21がすべてを物語る通り、とにかくマエケンは
打たせない・点をやらないピッチングで、勝ちを重ねた。
12球団中12位のチーム打率を誇り続けるカープ(泣)で
勝って行くにはそれしかなかった。
カープの貧打ぶりは、他チームにとってはしばしば、
「ボーナス・ステージ」のようなもので、
マエケンの最大の不幸は、自身は決して、
このボーナス・ステージで勝ちを稼ぐ機会がない、ということだった。
その中での最多勝利だ。これがどれだけ凄いことか。

球団は果たして、この三冠獲得の破格のエースに
このあと、どのように報いるのだろうか。
私はそれに注目している。
カープの赤貧ぶりは言われなくてもわかってはいるが、
それでも出すべきところで出さなければ、チームの士気は下がり、
有力選手が次々と球団に見切りを付けるようになり、
いつまで経っても待ちこがれた場面が見られないファンには
日々、年々、フラストレーションが溜まっていく。
球場から皆の足が遠のくことを、しまいには止めようがなくなる。

ファンが反乱を起こさないうちに、球団経営を改めて貰いたい、
と私は市民のひとりとして、最近、特に切実に思うようになった。
また、以前から書いていることではあるが、首長にも、地元財界にも、
広島にとってカープが何であるかを、もう一度考えて貰いたい。
これを失ったら、広島市は終わりだ。
冗談ではなく、私はそういう危機感を持っている。
私程度にしか野球を観ない人間でもそう感じるのだから、
長年のカープ・ファンの嘆きと怒りは、如何ばかりかと思う。