少年よ
娘は背が高く体格が良く、かつ髪が短いので、
シャツとスキニーなどというスタイルだと
かなりの確率で男の子と間違えられる。
今回も、函館で乗ったタクシーの運転手さんから、
「息子さん」「息子さん」
と娘はずっと言われていたのだが、
もはや本人も主人も私も、誰も訂正しなかった。
また、JR札幌駅からホテルへ行くのにタクシーに乗ったとき、
荷物が多くて娘が助手席に座ったのだが、娘の話によれば、
運転手さんは乗務記録の「乗客内訳」の欄に、
「男 2 女 1」
と書き入れていたそうだ。
勿論、娘でなく私が「男」としてカウントされていた、
という可能性についても検討する余地があるが、
会話中、私は幾度か「奥さん」と呼ばれていたので、
やはりここでの「男 2」の内訳は「主人と娘」だと思われた。
携帯電話のご使用は
函館から札幌へ行くのにJRの特急北斗に乗ったのだが、
車内で堂々と携帯電話に出て話をする女性を見た。
私の斜め前の席にいた人で、発車してすぐ彼女の携帯が鳴り、
鳴ったということはマナーモードにしていなかったわけだが、
彼女は平然とそれに出て、「もしもし?ああ、今ね・・・」
とごく普通のリラックスした会話を始めた。
話は数分で終わったが、しばらくしてまた彼女の携帯が鳴った。
彼女は再び、特に焦った様子もなくバッグから携帯を出して応答した。
こういうことが、札幌に着くまで四度ほど繰り返された。
常に、彼女は席についたまま、落ち着いた態度で電話に出て、
急いで話を切り上げる様子もなく、呼び出し音もそのままだった。
それで考えてみると、私は北斗に乗車してからは、あのいつもの、
『携帯電話はマナーモードで』『ご使用はデッキで』
の注意事項を、アナウンスで聞いた記憶が無いような気がした。
東海道山陽新幹線だと、駅を出るたびに携帯に関する注意が
日本語でも英語でも放送されるのだが、
少なくとも北斗車内では、そこまで徹底したアナウンスは無かった。
もしかして、JR北海道では、車内での携帯の使用は
個人の判断の範疇だったのだろうか。
それとも単なる私の聞き漏らしであり、
あの女性のしていたことは、やはりマナー違反だったのだろうか。
敢えて確認はしなかったので、この件は謎のままだ。