私本人が未だにポゴレリチの来日公演感想文を書いていない。
実はもう、かなりの分量の「下書き」が一太郎の中に眠っているのだが、
今回、書いて残しておきたいと思うことがあまりにも多すぎて、
箇条書き的になら書けても、なかなか全体を文章としてまとめきれないのだ。
ポゴレリチの、速度や音へのコダワリ方、
ポゴレリチの強い打鍵の特徴と、今回の来日での私の発見、
ポゴレリチの解釈のあり方と、楽譜の読み方、
5月3日と5日と6日がそれぞれ全く違う演奏会になった理由、
彼が「楽譜通りに弾いている」と強固に言い切ることの意味、
ポゴレリチは本質的に1980年から全く変わっていないと私が感じるワケ、
ポゴレリチの演奏は19世紀的なアプローチを基盤にしていると私が思う根拠、
彼の演奏が、現段階では「ライブでなければならない」、
レコーディングであの音楽は決して再現できないと私が感じている理由。
等々、等々、いずれも今回の来日公演を聴いて初めて思ったこと、
私なりにわかった(のではないか)と感じたこと、の分量が膨大で、
かつ、それらを読んで下さる方に伝わるように説明することが難しくて、
演奏会が終わってこのかた、書いては消し、書いては直し、
読み直してガッカリして、またあちこちいじり、の繰り返しで、
挙げ句に疲れて保存、なかなかサイトにUPするところまで行っていない。
一ファンのオバちゃんの雑文なんだし、私設サイトに過ぎないのだし、
次の来日までに書ければイんでない?とも思うのだが、
時間が経ちすぎると、印象が自分の中で歪んでしまいそうでそれも怖い。
それにしても今回のポゴレリチは非常に面白かった。
とてもとても怖い思いもさせられたが(6日の福岡公演!)、
全体として、彼が独りになってから何を目指して来たか、
が初めてぼんやりとだが私にも見えた気がした来日公演だった。
凄かった・素晴らしかった・彼は最高!という話ではないのだ。
なんという途方もないことを彼はやっているのだ、
という感嘆みたいなものが私の感想の大部分だ。