昨日、私が聖地巡礼に出ていた間、主人も大阪で遊んでいた。
と言っても、それぞれ勝手に行って勝手に帰ったので、
現地で出会うことは全くなかった。
主人は、まず、行列のできるうどん屋に行ったらしい。
これのために朝から出発したのだそうだ。
それが終わると、今度はネットで調べて興味を持った蕎麦屋に行った。
店内は昼時で、混雑していたので、知らない人と相席になった。
相席の人は、つきだしのお豆腐が出てきても手を付けず、
主人はどんどん食べながら「?」と思って見るともなしに見ていたら、
蕎麦が出てきた時点で、おもむろに立ち上がり、
携帯を構えて、写真を撮影したそうだ。
どうやら、食べ物ブログをやっているヒトだったようだ。
「すみませんでした」
とその人は、着席しながら周囲に頭をさげて下さったそうで、
とても良いヒトらしかったが、
それにしても、主人に言わせると、
『結局たいした蕎麦ではない』(殴)
という評価だったそうで、
その人は恐らく御自身のブログに感想を書かれたのだろうが、
果たして褒めただろうか、と主人は可笑しく思ったとのことだ。
そのあと、主人はさらに、フランス料理屋に行った。
高級感のある店とは大違いの、下町の一角にある店で、
これもネットで調べて知ったのだそうだ。
カウンターの、厨房の見える位置に、男ひとりで陣取り、
アラカルトで「普通のポーションで」とあれこれ頼み、
最後はフォアグラにして甘口のワインを指定するという、
とても変な客だった主人を、店の人も怪しんだと見え、
「どちらからおいでになったんです?」
と訊いてきたそうだ。
さすがに、広島から、とは言えなかった、とのことだ。
神戸に住んでいた頃も、主人はひとりでしょっちゅう、
フランス料理を食べに現れて、常連だった某店のマダムから、
恨ミシュラン・ライターか何かだと思われていた、
という過去があった。
「でもワシ、ブログやってないし」
と主人はきょうその話をしながら、苦笑していた。
『影響力を持ったファンが一番ありがたい』
と清志郎が言っていたものだが、
主人のような客は、怪しさ全開で店内に緊張が走るだけで、
結局、全然店のためになっていないのだった。
ということで、昨日、朝から食い過ぎた主人は、
私よりはるかに早く、帰宅していた。