娘がきょうの夕方、
『塾に行きたくない』
と珍しくしょんぼりしていた。
いくら呑気者の娘でも、さすがに自分の成績を悲観したのか(殴)、
と私は早合点したのだが、よく聞いてみたら、そうではなかった。
『友達が居ないから、やだ』
というのが、娘の言い分なのだった。
娘は去年の3月、5年部開講時に、まず土曜コースで入塾し、
約半年後の二学期9月から、通学コースに移った。
以来、きょうまで四ヶ月半ほど、週三回、通ったわけだが、
ほとんど、友達ができないのだという。
家の事情もあり、ずっと娘は学区外の小学校に行っていて、
一方で塾は自宅の近所で決めたものだから、
同じ小学校の子が全然来ていない、というハンデがあった。
ほかの子たちは、家も学校も近くの者同士で仲良しだったり、
4年部からずっと来ている馴染みだったりして、
それなりにグループが出来上がっているらしい。
娘に聞いた範囲では、いじめられるとか無視されるとかの問題は無く、
なんとなく話をする程度の顔見知りはいるらしいのだが、
学校のように、休憩時間に笑い転げて遊ぶ気を許せる仲間が、
全然いないので、それが寂しい・つまらない、のだそうだ。
・・・と言いつつも娘は結局、塾へはいつも通り行った。
それで、入れ違いに帰宅した主人に、私は早速、娘の話をした。
どうもあの子は友達が居ないから塾がつらいらしい、
やっぱり通塾は大変すぎたかなあ?と。
そーしたら。主人は言った。
「んなこと、当たり前じゃん。俺も、塾へ行きよったけど、
友達なんか、ひとりもおらんかった」
えーーーーっっ!!!
私「し、知らんかった。ほんとに!?」
夫「6年部終わるまで、ひとりも友達なんか出来んかったぞ」
私「だけど、休憩時間とか、どうしてたわけ。ひとりぼっち?」
夫「休憩なんかすぐ終わるやん。十分かそこらやろ」
私「た、確かにそうだが」
夫「どーせ塾なんか今だけやん。友達がおってもおらんでもええわいね」
私「そりゃまあ、学校とは違うけども・・・」
夫「それに、わし、だいたい、人と打ち解けるタイプじゃないもん」
えーーーーっっ!!!
夫「わしは、自分から話しかけて友達つくったり、せんかった」
私「孤独が平気だった?」
夫「だいたいが、塾は友達と楽しく遊ぶために行くとこじゃないし」
私「そ、そりゃ、そーだけども」
夫「高いゼニ払うて安楽にダベりに行くとこか?ちゃうやろ。
勉強が出来るようになるために、行くとこだろが。
友達とぺちゃくちゃ喋って、あー楽し!で、好きな中学合格!
なんつーうまい話があるわけないが?」
私「・・・ごもっともです・・・」
夫「それにたかが何ヶ月か行った程度で、
そんなに都合のええ友達が次々出来るわけなかろ。
もともと塾なんて、接触時間が短いんやからさ。
違う学校の友達がどうしても欲しいと思うんなら、
よほど積極的に自分から周囲に話しかけるしかないわいね」
さすが、中学受験経験者は、言うことにリアリティがあるな。
私は主人に敬服した。なるほど、彼の言う通りだと思った。
しかし。
何よりびっくりしたのは、主人が「人と打ち解ける性格ではない」
とわかったことだった。
実は、主人と初対面のとき私は彼と打ち解けるのに、
ものの10分もかからなかったので、
主人はそういうテキトーでノリの良い人間だと信じていたのだ。
現に、主人は今でも何人もの学生時代の友達に誘われて、
よく飲み会に行くではないか?
弔電だって香典だって知らせもしないのにいっぱい来てたし、
主人は、とても交友関係の広い人だと私は思いこんでいたぞ。
夫「あれは特別。中高で凄く仲良くなった友人だから」
私「大学の友達はいなかったわけ(学食専攻の仲間とか)」
夫「おらんよ。めんどくさいじゃん」
えーーーーっっ!!!
いやー、結婚十年以上を経て、初めて知ったことが様々あった。