主人と知り合うことがなかったら、私はこれほどまでに、
警察だの刑事事件だのを、身近に感じる機会はなかったと思う
(家庭争議とか少年事件のほうは、あったかもしれないが・爆)。
なんしろ、その昔、初デートで広島市内を歩いたとき、
主人が案内してくれた場所のひとつが「広島拘置所」だった、
っつーくらいのものだよ(^_^;)。
で、私は、自分がそれまで抱いていた様々な先入観が、
誤りや、事実無根であることに、だんだんと気づくようになった。
例えば、これは以前も書いた話だが、
『警察の取り調べには、カツ丼が出る』
ライトに煌々と照らされた、狭い取り調べ室で、
入れ替わり立ち替わり警察官に責められたあと、
食事と言えば、深夜になってようやくカツ丼ひとつ、
・・・みたいなイメージが、なぜか、私には、あった。
思うに、昔聴いた、スネークマンショーのネタのひとつ、
『ポールマッカートニー取調室』において、
伊武雅刀・扮する菊池刑事が、麻薬不法所持のポールを取り調べる際に、
『さっきカツ丼取ってやったら、美味そうに食っとりました。
ヤツ(ポール・マッカートニー)も人の子ですわ、はははは』
等々と、上司に報告する場面があって、
これが私の中で、ひとつの刷り込みになったのかもしれない。
だが実際には、そんな食事が出されることなど、あり得ない。
取り調べ中には、適宜、食事時間は取られるが、
普通、外食が許されるか房に戻るかのどちらかで、
警察のほうで何か奢ってくれるなどという親切なことは、無い。
っていうか、そんなことがあるとしたら、
警察官がポケットマネーで容疑者をもてなす理由はないから、
皆様の税金で出前取っちゃったことになる。ちょと、マズかろう。
だが容疑者本人が自分持ちで出前を取ること自体は、可能だろう。
劇中のポール(小林克也)は、きっと、
望みもしないカツ丼を、自腹で食べさせられたんだ(^_^;)。
さて、もうひとつ、私の中で、長らく定番となっていたのが、
『法廷で、裁判官が木槌で台を叩く』
「静粛に!」とか「判決!」とかいうタイミングで、
裁判長が、カンカン!と木槌で台を叩いて、注意を喚起するあれだ。
この場面はイメージとして実に広く定着しているのではないか、
と思うし、私もそれを長い間受け入れていたのだが、
実際に観察してみると、本物の裁判では、木槌など登場しない。
道具自体が、少なくとも日本の法廷には存在していないようなのだ。
昔の日本では使っていたのだろうか?
東京裁判は、進駐軍が仕切ったのだから、使ったのか?
もっとも、「静粛に!」と裁判長から注意されることは、勿論ある。
傍聴席からヤジが飛ぶような公判だって、結構あるからだ。
これは、大昔に若い司法修習生から聴いた話で、
もう時効だと思うから書くのだが、
ある法廷で、やはり傍聴席の私語がやたらと多いことがあって、
たまりかねた裁判長が、数回の注意ののち、ついに、
「退廷!」
と一喝したことが、あったのだそうだ。
そうしたら。
それまで裁判長の隣で居眠りをしていた、
右陪席裁判官が、おもむろに立ち上がって、出て行こうとした、
・・・・・・とかなんとか・・・・・・・・。