善なる人 | 転妻よしこの道楽日記

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今日の昼、主人が自転車を盗まれた。
最初、出先の彼から、
「自転車を盗まれてしまった」
と携帯にメールが入ったとき、私は、
「違法駐輪していて撤去されたの?」
とひどい返信をしたのだが、事態は、全然そうではなかった。

某BOOK-OFFに行って、ちょっと、と思って自転車をとめて、
中でささっと立ち読みした程度で出て来たつもりだったのに、
出てきたら、無かったのだという。その間、十数分。
数ある自転車の中から、よくぞ選んで盗って行ったものだ。

帰ってきた主人は意気消沈していた。
夫「ほかにもいっぱいとめてあったのに~」
私「鍵は」
夫「つけっぱなし」
私「自転車に名前書いてなかったの」
夫「書いとらん。書いとったって出て来んし」

それじゃ自分が悪いんやん、
と言いたかったが、カワイソーだったので、やめた。

夫「チクショー。昨日の休日出勤の手当てが、自転車代でパアだ~」
私「ちとは歩け、っていう神様の思し召しだろう」
夫「やだ~~」

自転車を盗まれるのは、福岡時代からいったいこれで何台目だろう。
この十年、商店街の真ん中、銀行の前、いろんなところで盗られた。
自転車本体以外にも、彼は神戸労災病院の駐輪場で、
自転車の前カゴに入れていた革の手袋を盗られたことがあるし、
自転車に関係ないが、同じく神戸の某レストランでは
紳士用の傘のかなりいいやつを盗まれたこともある。
なぜ、彼ばかり盗難に遭うのか。

そこまで考えて私はふと思った。
もしかしたら、彼は、これまで数々の盗難に遭ったという事実を、
あまり、記憶していないのではなかろうか。
ちょうど、自分がこれまでに幾度も財布を忘れたということを
すっかり忘れてしまっているように。
だから、性懲りもなく善良な止め方をして
何度となく自転車を盗まれるのではないだろうか……。

地元テレビ局中国放送の広告の紙をそばで眺めていた娘が、
絶妙なるタイミングで呟いた。

娘「『渡る世間は鬼ばかり』?仏ばかりだといいのにねえ」