前にも書いたが、我が家は今、
簡単に言うと佐伯区と中区で二重生活をしている。
佐伯区のはもともと舅の持ち家で、
舅姑夫婦が二十年ほど住んでいたのだが、
一昨年、舅姑が同時に病気になり、
徐々に介護が必要な状態になったため、
主人が職場に願い出て、昨年4月に
ほとんど無理矢理に広島転勤を叶えて貰い、
娘と私も皆一緒に、同居というかたちで佐伯区の家にやって来た。
が、それまでずっと転勤先で使っていた家具や荷物を入れる場所が要るし、
主人も仕事上、職場の近くに寝泊まりする場が必要ということで、
中区の官舎も同時に借りた。
実質的には、この中区の官舎のほうは
主人の単身赴任先みたいなもので、
主人は、仕事の都合があるときは官舎に泊まり、
帰れる日は佐伯区の自宅に帰る。
私は昼間、官舎を利用することもあるが、
基本的には佐伯区の家のほうに居る。
娘の学校も佐伯区内にある。
ということで、官舎は今の私にとっては「別宅」だ。
それはまるでプチ・トリアノン。文字通り狭いし天井低いし。
あそこに行けば宮殿(本宅)の厳格な行事(掃除)から解放されて
私は生き生きと呼吸できるのよ(散らかせるのよ)。
しかし官舎には舅こそ居ないが(^_^;、
転勤で出て行くとき恐るべき「退去点検」がある。
これが凄い。営繕課から、マルサの女みたいな人が数人来て、
「壁紙が汚れている」「床のフローリングに傷がついている」
「電灯のスイッチのところに手あかのあとがある」
「風呂の天井にカビと思われるシミが数点ある」
「ふすまの枠の部分に一部、損傷がある」
等々と、小さな失点の端に至るまで目ざとくことごとく指摘し、
立ち会った私にそれらを認めさせ、のちほど我々に対して、
「修繕費・掃除費」という名目で請求書を寄越すのだ。
退去点検の間、場合によってはこちらはまさに
「どうかバレませんように~」
の心境だ。誠実さを装っていくつか
「ここは私が壊しました」
と自己申告しておいて、もっと大物を隠しおおせた、
ということも過去にあった(懺悔)。
今回のプチ・トリアノンは少なくとも表層は新品だ。
これがいけない。
どんな小さな傷も汚点も、やったのは全部我々、
ということになる。
「そんな!来たときには既に壊れてました!!」
と今まで百万回使った言い逃れは、もう通用しない。