昨日(11/30)行われたジャパンカップはフランス調教馬(生まれはアイルランド)カランダガンが優勝しました。


勝ちタイム 2.20.3は世界レコード。

アーモンドアイの驚異のレコード 2.20.6を破ったことは大きな衝撃でした。

※元々はホーリックスの 2.22.2も永遠と思えるレコードだったわけですが…


2着に競り合ったマスカレードボールはこれで種牡馬としても価値を大きく上げたことでしょう。

入線後の落馬の心配もあり、レースの激しさを物語っていました。




1着賞金に加えて、300万USDの報奨金もあったとはいえ(さらに騸馬で凱旋門賞に出走できなかったとはいえ、)カランダガンレベルの馬を招致することに成功したのは大きかったのではないでしょうか。

今でこそ世界中で活躍できるようになった日本馬ですが、久しぶりに本格派が来日して最強クラスを軒並み倒していったことは刺激になったことと思いますし、カランダガンの決して大きくはないですが素軽く力強い馬体を見て馬づくりの参考になった生産者もきっといたと思います。



それに関して、生産の観点から思うことを。

カランダガンの血統を改めて見ると、こちらも衝撃的です。


父 サドラーズウェルズ

父母 ストームキャット

母父  ダンジグ

母母  トライマイベスト

つまり、全部ノーザンダンサーです。


おまけに母系にはデインヒルとリナミックスがいますので、ノーザンダンサーのクロスは6本持っていることになります。


この後の話で出てきますが、日本ではサンデーサイレンスのクロスについて議論されているところでいかに基幹的な種牡馬でもこんなに入れて良いのか?

という話なんです。


たしかにノーザンダンサーは1961年生で世界中の基幹種牡馬であり、枝分かれした系統も多岐にわたっています。

同じく1970年生のミスタープロスペクターも同じ位の存在かと思います。

1986年生のサンデーサイレンス、1989年生のエーピーインディなどももう少しするとクロスがあって当然の存在になってくるのかもしれません。



クールモアなど欧州の生産者の視点としては、同じノーザンダンサーでもサドラーズウェルズとダンジグでは完全に別物ということなのでしょう。


良く欧州のニックスとして言われる「ガリデイン」「ガリダンジグ」は、本来同じノーザンダンサー系ですので、ここではすでに別系統として捉えられていることがわかります。


同じようにしてジャイアンツコーズウェイやスキャットダディを中心に欧州で伸びているストームキャットも、アクラメーション〜ダークエンジェル(日本にもマッドクールがいます)のトライマイベストも、欧州においては別系統扱いなのでしょうね。


日本調教馬だとシンエンペラーがそうなのですが、こうした四系統同じノーザンダンサー系という配合は日本の牧場からはまず生まれることがないですので、良いとか悪いとかではなく大変興味深いです。




ちなみに、こちらはマスカレードボールの血統表です。
いわゆる「サンデークロス」の馬で、種牡馬になればもれなく父系でサンデーサイレンスのインクロスを持った馬が誕生します。

すでに種牡馬になっている馬ではエフフォーリアがそうです(スペシャルウィーク×ハーツクライ経由でのサンデークロス)。

これからはひと口にサンデーサイレンス系と言ってもどこを経由してクロスになっているのかを議論する時代になりそうです。

マスカレードボールの場合はその戦績からも、ドゥラメンテ後継という立場からも間違いなく種牡馬すれば人気となり、社台グループは重点的に良い繁殖を送ると予想されます。
きっとかつてドゥラメンテに送っていたような輸入繁殖を積極的に選んで行く感じになりそうです。

キンカメ×サンデー(ディープ)になると、今度はノーザンダンサーが遠くなっていきますので場所が変われば配合の考えも変わっていて面白いです。

2025年のジャパンカップは、ノーザンダンサーだらけの欧州配合馬と最先端のサンデーサイレンスをフル活用した馬とが同じ府中の2400mで叩き合い、世界レコードを更新したレースとして私の記憶にも深く刻まれたレースとなりました。