簡単に結論が出ない系の記事です。


先に謝っておきます。取り留めがなくてすみません(笑)。



初めて馬主になって何が一番大変かと言えば、文字通り右も左も分からないことです。


競馬関係者が親族にでもいない限り、育成も厩舎も知り合いはいないでしょうし、馬主仲間もいないのが普通です。


私自身も馬主を始めた当時は誰も知り合いがいなくて、セリも育成も手探りでした。


正確には教えてくれる人はいたのですが、同じ目線で馬主をやっている仲間がいなくて今起きていることが良くあることなのか、イレギュラーなことなのかの判断が付きませんでした。


同じ様な悩みを持つ馬主さんは結構いると思います。



馬主をやっていく上で必ず必要な厩舎、育成牧場との繋がり。


気心が知れる、というところまで行かなくてもある程度遠慮なく話せてリクエストも出来る調教師。

セリで買った馬を育成して貰い、これまたその馬について忌憚なく良い悪いを言ってくれる育成牧場。


このサイクルを何世代かやってみて起こることを経験して行く。これを縦の経験と呼んでいます。


例えば明け2歳の3月に、育成Aと育成Bでは同じ様な進度の馬にどういうことをしているか。目標に対してどうアプローチしているか。競馬場の厩舎ならどうか。


これが横の経験です。

それも馬によって全て事情は違うので、一概に比べるのではなくケーススタディとして経験を重ねていくことになります。


競馬をずっと見てきた人であっても、馬主になって初めて経験することが沢山あります。

世の中には語られないニュースの方が多いのです。


このブログの目的の1つには、全くガイドラインのない馬主というものの入口を少しでも入りやすくする、怖さを取り除くというものがあるのですがそれでも最短距離で目的地に辿り着くことは難しくて、これらの知識を徐々に獲得するという意味で色んな寄り道があります。



それから経験をひと通り身に付けてもやはり走るのは馬ですから、思い通りの成績を挙げさせるのは容易ではありません。


ここ数年は様々な問題がありながらも、地方競馬の売上は好調でどこの競馬場も番組が充実してきています。


私は2018年頃から、意識的に馬をたくさん購入して色んな地方競馬場で使って来ました。

多い時には現役馬で80〜90頭いましたので、毎日5頭、多い時には10頭以上走るという日もありました。


では何故こんなに馬を買ったかというと、ひとつはJRAの免許を申請している時期でしたのでJRAでデビューさせた馬の進路としての選択肢を沢山持っておきたかったからです。


今JRAは平均値で年間4〜5走しか出来ないのが問題になっていて、スリーアウト制などがあってもしばらくはこの状況が続くと思いました。

(勿論本気でやっていますが)JRAでの出走をあまりアテにし過ぎると大変になるので、その辺の心理的リスクヘッジでもあります。


馬が沢山いたおかげで全国の地方競馬に知り合いが出来ました。

その中にはありがたいことにリーディング上位の厩舎もいて、話すだけでも大変勉強になります。

これらの厩舎の馬づくりはJRAの厩舎とも全く遜色なく、地方競馬を先に勉強することで馬主生活は非常に奥行きのあるものになりました。


地方競馬各地のルールもずいぶん勉強しました。

番組賞金計算や馬場を理解することで、あるところで頭打ちになってしまった馬でも活躍するステージを用意出来ることがあります。


無理を言って迷惑を掛けてしまったこともありますが、これからも地方競馬の馬主は楽しんでやっていきたいと思います。

私の中ではJRAと地方競馬で上下の順番は全くありません。それぞれが必要で、それぞれの仕組みを使って1頭の馬を仕上げる時代です。


JRAをやるためにも、地方競馬を沢山勉強する。これは必要なまわり道だったと思います。




この馬はイクスパイアーズという馬で今は繁殖牝馬として北海道にいます。

JRAで初めての世代の馬でした。


当初予定していた栗東の厩舎に入れるため北海道での育成を終えて2歳の6月に関西へ移動しました。

ところがいつまで経っても入厩されず時間だけが過ぎていき秋になった頃、このままでは年内は厩舎が空かないと言われます。


今なら笑い話です。


そして急遽関東でデビューしますがその頃には芝短距離の番組は混んでしまい3走するのがやっと。


笠松で早々と2勝してJRAに戻る前に南関東を経験させようとしたら剥離骨折、その後千葉の牧場で放置されてしまい、船橋の厩舎では能力試験も受けられない状況になってしまいます。


何とか立て直してお願いした浦和の厩舎に戻れたのは4歳の夏になっていました。

そして最後は損傷率40%以上の屈腱炎を発症して引退です。


お恥ずかしいですが、これほどに上手くいかないこともありました。

スピードのある馬で、上手くマネジメントしてあげられなかった未熟な馬主に当たらなければもっと走ったかも知れない馬です。


書いていると申し訳なくなってきますね(笑)

この間牧場で謝って来ました。


お陰さまで繁殖としてのコンディションは良くなってきてくれて、先日スマートファルコンを種付けしました。

気を取り直して良い仔を産んでくれると良いのですが。


こういうケースになるともはや迷い道です。


でもやっていればこういうことはあります。これからもなるべくならしたくないですがあると思います。


様々な経験をしたおかげで今があると思いますし、振り返ってくよくよすることはあまりありません。



今年の2歳世代もJRAを始めとして、盛岡、川崎、金沢、園田でラインナップしています。


また新しい経験が出来るかと思うと楽しみです。