20日、羽田盃と東京ダービーがS1からJPN1に変わりJRA馬に出走枠が開放されるというニュースが発表されました。


東京ダービーと羽田盃に中央馬が出走可能に 新たに3歳ダート馬3冠路線を創設 



JRAとNARの枠組みを考える中でも大きな変革になりそうで、2024年の競馬とそこを目指す1歳馬の仕入れがどのように変わるのか興味深いです。


さて、今後は馬主の中でも手に入れた新馬をJRAかNARどちらでデビューさせるかを考える方が多くなると思いますし自分もそのひとりなのですが、これは簡単に結論が出ることではないのでまたゆっくり考えたいと思います。



元々書こうと思っていたのはレースによる馬の消耗度の話です。

これがひいてはJRAかNARかという話にも繋がって行くわけですが、


私の持論のひとつに「馬の消耗度はレース賞金に比例する」というものがあります。


考えれば当たり前ですが、一般的にはレースレベルが高いほど賞金も高くなっています。

JRAでは最低ラインの賞金でも未勝利で1着520万円あります。

この520万円というのは地方では重賞レベルです。


JRAでデビューして良いところがない馬がサラブレッドオークションで売却されて、その後地方で水を得た魚のように連勝することが時々あります。

地方は2022年現在、3歳限定戦の最低賞金は30万円台です。


これは強い調教を課して「最低でも520万円」のレースに臨まなければいけないのと、40万円弱のレースを使いながら鍛えていくことができる地方のシステムの違いです。


一般的に競走馬は強い負荷を掛け始める2歳上半期頃は、まだ骨が育っておらず(化骨が遅いなどと表現)に腕節部などに負担が掛かりやすくなります。

有名なソエなどの管骨骨膜炎もそうですし、強い調教は諸刃の剣になります。


ただ2歳の春にもなると、馬主のほとんどは自分の馬がどのくらい調教が進んでいるのかが気になりますし、これまたほとんどの方は出来るだけ早くデビューして欲しいので気が急ぎます。


勿論こう思うのは当然のことで、実際にJRAでは早くデビューした方が入厩も出走もしやすくベネフィットが大きくなる様に設計されています。

しかしながら、JRAは「最低でも520万円」のレースしかありませんからそれなりの仕上げをしないとデビューという判断にはなりません。


ここで骨がどれ位完成されているかという話になります。

骨、基礎体力、心肺機能がデビューの水準になるためには丈夫な脚元が必要ですから、これが整うまでは我慢しなければ失敗する可能性が高くなるわけです。


この部分が今の時代一番難しいと思いますが、2歳春には可能な限り正確なアドバイスが育成から欲しいところです。

ダメならダメと早目に言って欲しいということですね。


そしてこのダメというのが時間が掛かるということであれば、JRA予定だった馬を地方デビューに切り換えるという判断も可能になります。

調教師さんもわざわざ難しい馬をやりたくはないのが本心ですので、案外馬を見た上で預託予定を変更して貰うことは可能(私の感覚ですが)です。


また逆に馬体が大きいけど緩いので最初は無理せず地方から行こうかと考えていたものが存外動けるようになってきたので、スタートをJRAにしようと変更した馬もいます。


JRAの場合、調教の負荷は厳しい反面トレーニング効果は大きく、競馬を使ってタイムオーバーにならない程度であればできるだけ在厩させた方が馬が強くなる可能性が高くなります。

現時点で馬が調教に耐えられているかどうかは、ほとんどの場合厩舎におまかせして見ればわかります。


可能性を感じている馬であれば在厩時間は長くなりますし、放牧してもすぐに入れ替えで戻ってきます。

調教方法やコースの選び方でも結構わかります。



地方在籍馬でも、年間に何走ではなく(全部勝ったら)何万円だったかを考えると色々と気付きがあったりします。

預託料とのバランスを考えても良いと思います。


例えば南関東所属で預託料が月に35万円だとして6ヶ月在厩していたら210万円です。

これで6ヶ月に9走して平均1着賞金が100万円、実際には300万円稼いだとします。


すると6ヶ月の間に900万円分の消耗度で300万円を得たということになります。

(実際には昇級とか色々他の要素もありますが)


馬はレースを数使って、休む時はしっかり休むことによって強くなると基本的には考えています。


適材適所の考え方も、通用しないレベル(得られない可能性が高いのに消耗度が高い)を避けて適した条件で走らせることで馬も無駄に消耗せず、賞金を得られる可能性も上がるというのが狙いです。


JRAで3歳未勝利に終わったとしても、本当にその馬が鍛えても伸びる余地がないのか、時間を与えて少しずつ消耗度の低いレースを重ねれば強くなる可能性があるのかを判断することはとても重要です。


諦めが悪い、というだけでなく1頭の馬を完成させるためには色んな工夫を心掛けていきたいと思います。