有馬記念を前にして少しシリアスな、というかどうなるんだろうという話題を書きます。
これも2026年を占う話ですので。。

全くの推計ですので細かくは突っ込まないで頂きたいのですが、仮に500頭増えた生産頭数の半分250頭が②の要因だったとします。
元々預託生産をしている方もいますので、その方が繁殖を増やしたのか新たに預託生産を始めた方がいるのかですが、肌感としては後者が増えた印象です。
250頭というとセレクションセールの1日分以上、サマーセールの1日分位に相当します。
これくらいの数の馬をすでにセリの前に保有している馬主がいるというのはそこそこのインパクトです。
生産した馬を自分で競馬に使う方と、セールで売ろうという方は両方いますが、そのどちらにしても育成場(コンサイナー)を使います。
必然的に育成場と厩舎が逼迫してくる構造になりつつあります。
80〜90年代には1万頭以上生産していましたが、その頃とは地方競馬場の数が違いますからね。
さらにこちらの話があります。

種付料500万円以上の種牡馬は2026年は21頭もいるそうです。
5年前の2021年は9頭。この頃にはすでにディープインパクトもキングカメハメハもいませんでした。
ここには生産業界内の二極化が見て取れるわけですが、現実的に考えると種付料500万円以上の種牡馬には誰がお金を投じているのでしょうか。
種牡馬のオーナーであるスタリオンの株主は実質タダですので、余勢申込みでお金を払っているのは大手牧場と預託生産の馬主が大半と推察します。
セレクトセールなど上位のセリにはある程度名前の売れた種でないと選ぶ方が大変ですので、大手牧場はどうしても販売を考えると高めに寄っていきます。
※本日(12/25)
来年500→1000万円に倍増したリアルスティールが満口になりました。
ドレフォンも500→800万円に上がり、昨年は満口ではなかったが今年は満口。
すでにブランドを確立していて売主プレミアムが大きく付く牧場はむしろ高い種は投資効率が良くなります。
ところが(うちの牧場もそうです)、中小牧場にとっては高い種はとてもリスキーです。
例えば2000万円の種を付けるとして、飼養原価を考えると当歳でも3500万円、1歳なら4000万円以上で販売できないと心臓に悪いだけで利益という果実はそこまで手にできなかったことになります。
でも実際にはセレクションセールでそんなに有名「でない」牧場が4000万円以上で売るのは結構ハードなことです。
もう一つは試行回数の問題です。
1000〜2000万円の種馬を日常的に付けている生産者と、清水の舞台から飛び降りる覚悟(或いは本当に飛び降りて笑)で付ける生産者とは大きな違いがあります。
過去に何度か書いていますが、生産はある程度の数がリスクヘッジになり、数が苦しめることもありますが数が助けてくれることもまたあるのです。
私も生産者として高みを目指してはいますが、この種付料高騰の流れをどんな風に乗り切っていくかは思案のしどころ、腕の見せどころだと思っています。
馬は値段だけではないというのが自分の考え方です。
例えばリーディングサイアーランキングで15位のサトノダイヤモンドが種付料100万円だったりしますし、安い馬でも走る馬を見付けることは可能だと思っています。
一方でセレクトセールなどを見ていると皆が良いと思うのも頷ける本当に惚れ惚れするような馬がいるのもまた理解できますし、良い厩舎に進めば走る確率が高くなるのもその通りです。
生産には広い土地とその土地の草地管理、それらができる人間が必要です。
北海道にいるとわかりますが軽種馬生産も間違いなく人手不足で、高齢化、担い手不足が進んでいます。
また今はとにかくモノが高いです。
牧草を採るための農機具や機械類の値段が上がっているので、飼養コストをプッシュします。
何年か前にはヤフオクでもトラクターを探せましたが、今は出物が皆無です。
円安と人件費の高騰で飼料も高くなっています。
ただ高い餌を買うだけではなく栄養価に対するコストパフォーマンスは考えますし、工夫はしますが結構馬を作るためにはお金がかかります。
馬以外のこうしたコストを盲(めくら)コストというそうです。
こうした状況下でどうやって良い馬を作っていくか、考えることは多いのです。
やる気は満々なのですが、盲滅法ではいけませんのでね。