ちょっと暗い話題に見えるかも知れませんが、JRAで馬主を続けていくためには必要な考えだと思いまとめてみます。


私もJRA馬主の末席に身を置くものとして、毎年何頭か新馬を用意しているのですが今年の2歳世代は昨年のオータムセールで購入したモーリス産駒牝馬を育成していました。


それが結局デビューを断念して2歳中に登録抹消するわけですが、、

初めにことわっておきますと、これは馬のマネジメントの一例で特定の育成場や厩舎を非難するものではありません。


続けていくとこういうこともありますよ、という話です。





北海道で2歳春先まで育成後、関東に移動すると6月末に美浦トレセンに入厩しレシャルプジョーヌと名付けられました。

特に仕上がりが遅いこともなく、馬体や脚元にも問題は指摘されてきませんでした。

ゲート試験もすぐに受かり、デビューに向けて上げていこうとしましたが2ヶ月ほど経過しても追い切りの時計が詰まってきません。
これが8月中旬くらい。



今年の夏は特に暑かったですから、私は調教師と協議した上でこれ以上このまま詰めて行っても消耗するばかりと思い、休養に出すことを判断しました。
1ヶ月半ほどガス抜きしてやれば上向いて来るかなという目測もありました。

ところが、そこから約3ヶ月経過しても中々体調は上向かず、育成牧場としても気持ちと走りが噛み合っていないという評価。
「悪い馬ではないのだけれど…」と口を揃えます。

勿論このまま育成牧場で調整を続けて貰い、3歳になってから帰厩しても良いのですが、経験上このタイプの馬はJRAでは芽が出ないことが多いので未出走抹消を決断しました。
勿論、私の拙い経験ですしどんな馬でもやってみないとわからないのがこの世界の常です。

こういう時、私は調教師には率直に相談します。
また有り難いことにほとんどの先生は私の判断を尊重してくださいます。



とこんな感じのやり取り。
実にシンプルです。
これが本当にありがたいです。

JRAの抹消見舞金、給付金は在厩日数60日が経過していれば支給されます。
そこもちゃんと確認してくれています。

2歳未出走だと140万円支給ですので、60何日分の預託料はだいたい賄えます。
おそらくこういう風に使う制度なのでしょう。


レシャルプジョーヌは(もしかすると改名して)金沢競馬場でやり直すことにしました。

少しずつ少しずつ良くなるタイプなので、勝つと急激に相手が上がる南関東ではなく金沢競馬場でじっくり力を付けたいと思います。
すでに金沢の厩舎には渡りをつけました。
未出走馬ということで案外楽しみにしてくれています。

繰り返しになりますが、育成牧場にも厩舎にも大変お世話になりましたしとても良くして貰いました。
やるべきことはやりましたが、タイミングに恵まれなかったということです。

そんなわけで、予定されたルートに乗らなかった馬でも迂回ルートを考えてやってそれはそれで楽しむくらいの気持ちでやっていくのもまた馬主のWay of Thinkingなのかなと思っています。