ブログでも色んな方々が取り上げていらっしゃる2019年度のJRAルール改正について、私も影響を考えているところです。

私の様な個人馬主にとって大きいのはやはり、いわゆるスリーアウト制。
(3歳未勝利で9着以下3回→2ヶ月出走停止)

あからさまな出走手当目当てや見舞金狙いの馬をオミットするための施策で、一見すると大変厳しい改正に見えます。


しかしながら、個人的には以下の観点から歓迎とまではいかないものの「やり様」はあると思うに至りました。
※ややマニアックな内容となりますのでご勘弁下さい。

① 本当に弱い馬の排除とさらなる地方競馬研究
馬主である以上、どの馬にも活躍を願うわけですが、やはり能力の限界値というのは確実にあり、JRAでは難しい馬がいます。
育成時点ではっきり言って貰えないことによって出てくる問題でもありますが、未勝利戦における出馬投票の混み具合は深刻で、ある程度の馬の退場は必要な状況です。
JRAだけが競馬ではなく、そう言った馬でも活躍の場があるのですが馬主自身がもっと地方競馬を勉強する必要があります。

② 2歳時にスリーアウトはないこと
2歳であればタイムオーバーを除けば着順によって出走機会が制限されることはありません。
こちらも育成との連動になりますが、2歳9月までにデビュー出来る馬を選定することがより肝要になる時代になりました。
なぜ9月かと言うと抹消見舞金に関係してくるのですが、こちらはまた別の機会にまとめます。

③ 未勝利を勝つのが大変なら別の方法を
こちらが今回のテーマとなります。
スリーアウト制の他に、3歳秋期の未勝利戦をやらないというものもあることから益々未勝利突破の為の争いは苛烈になり、出走戦略というレースの前のレースも繰り広げられるため、かなりの数の馬が自身の成長曲線に合わせて貰えない形で出走を迎えることになります。
予測出来るのはサラブレッドオークションなどの市場に、今にもまして多くの現役馬が溢れ出てくる事態です。
その多くは、JRAでタイムアップになった馬、つまりは成長曲線と調子と番組とがマッチしなかった馬になってきます。
そう言った馬を地方競馬のルールを勉強することによって競走馬として蘇らせ、再キャリアを積み上げていくことが有効な時代になると思います。

マル地転入を掘り下げて勉強する必要があると考えています。

マル地転入については、一口馬主をされている方ならば概ね理解されていると思います。
地方転出後、3歳12月までなら2勝、4歳以降は3勝でJRAに再転入出来るルールです。

しかし、このルールには地方からの再転入をただ歓迎するだけではなく、一定の制限が掛かっていることを理解されている方は少ないのではないでしょうか。


上の表は、5歳以上のマル地転入馬に対する出走手当の減額措置についてのものです。

例えば、社台系クラブ馬で3歳未勝利を2着3着はあるものの残念ながら勝てなかった馬が地方競馬の園田競馬場に転出、3歳のうちに2勝してJRAに帰って来たとします。
ところが4歳になって調整が中々上手くいかず、500万下を勝てずに5歳を迎えると出走手当が半額支給となり、会員の維持費負担が増加するということが起きます。

未勝利で2着があるのになぜ?
と思う方もいらっしゃると思います。

理解が難しいのが「平地収得賞金」というものでよく本賞金と言われるものがこれに当たります。

先程の馬が園田に転出した際に持っている平地収得賞金は0円で、ここに園田で獲得した賞金が加わります。

【地方競馬の収得賞金計算方法】
・1着のみ、万円以下切捨て
・4歳5月までの収得賞金は半額扱い
※降級ルールがある今年度まで

園田C2賞金は35万円なので、万円以下切捨てで収得賞金に算入できるのは30万円になります。

2勝目も同じ計算方法なので、30万円が加わり、この馬の収得賞金は60万円となります。
これが5歳以上で出走手当が減額されてしまう理由です。


かなり前置きが長くなりましたが、地方競馬においてJRAの平地収得賞金が200万円以上になり、かつ500万下で転入出来るマル地馬を作ることが③の方法になります。

具体的に作る方法は各地の地方競馬場の転入ルールと賞金を勉強することに他なりません。

益々未勝利突破が大変になる時代において、個人馬主が生きる道としてマル地転入(再転入)を掘り下げて勉強し、チャレンジしていきたいと思います。


こちらはブレイブウォリアー。
収得賞金200万円以上、かつ500万下を満たしたマル地再転入で間もなくJRAに戻って来ます。

簡単ではないと思いますが、頑張って欲しいです。