川崎の所有馬ネバーエンドマーチが月曜(12/15)に復帰戦を迎えました。






レースの結論としては勝ちました。


これはとても良い結果であり、喜ばしいことなのですが今回はここに至る過程を書きたいと思います。


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振り返ること1年2ヶ月前





新馬戦快勝後の2戦目、2頭が落馬するレースとなってしまいネバーエンドマーチはアオリを受けてフォームが乱れて競走中止になりました。


新馬を勝った喜びも束の間、翌月の出来事です。


笹川騎手がミスステップの違和感に気づいて止めてくれたので最悪の結果は免れたものの、馬運車で運ばれてきたので背筋には冷たいものが走りました。


歩様などを数日見た上での診断は股関節を開いてしまい、その影響で脚の付け根の深いところに痛みが出ているという状況。


勿論休養です。




通常の休養と違い、全治期間がわかりません。


骨折のように手術などで外科的なアプローチもできず、どんな治療が良いのかを模索するという時間になりました。


痛みは右トモで、馬房の中で立っているのもつらいですし、程なくして反対の左トモにも疲れが出てきます。

こうなると左右バランスが悪くなってきて、1ヶ月もすると痛みは次第に和らいできたもの右トモの筋肉が落ちて見た目にも左右差が出ている状態。


当初は痛みがなくなれば年内に帰厩するかという話もありましたが、乗り出すとそれどころではないということになりました。


復帰は年明けか春か、あるいはもっと先か。


私も長期休養はある意味慣れているのですが、外国産馬で新馬戦を勝った期待馬でもありましたので流石にがっくりきました。


とはいえ仕方ありません。


まずは落ちた右トモの回復と左右差を矯正する治療方針です。


ショックウェーブやインディバといった治療器具を使ったやり方も考えましたが、股関節の深いところに作用させるのが中々大変なため、地道に整体でアプローチすることにしました。

西洋医学でダメなら東洋医学です。


これで少しずつ矯正して、年明けに乗れる牧場に移動します。


そこからトレッドミルと馬場乗りで進めていき、暖かい時期まで待って競馬に復帰したのは5月でした。


5〜6月に3戦して、3→3→6着。

まだトモの踏ん張りは本物ではありません。

そのためこの3戦で切り上げ(真夏を躱すためでもあり)、再度休養に入ります。



南関東には大きく分けて2つのプランがあります。


1つは新馬戦から春の重賞路線へと向かう王道スタイル、もう1つは古馬で能力とクラスをマッチさせて勝利数を沢山稼ぐというプランです。


ネバーエンドマーチは力のある馬ですが、2歳から3歳の波に乗り遅れてしまうと無理して使っても良いことはありません。


6月の段階で格付けは390ポイント。

秋に復帰すると古馬混合のC2です。


馬自身の走りを取り戻すことができるなら、C2の相手なら充分戦えます。


真夏に無理をせず、さらに左右バランスを矯正しながら3歳中に復帰できれば良いくらいの考えですすめることにしました。


調教試験にならないギリギリの開催で復帰させて挑んだのが、今回の競馬でした。

(ここでやっと冒頭の結果に話題が戻ります。笑)




新馬戦の時にはまだ及ばないまでも、外枠からハナを切れましたし少しずつ本来のスタートダッシュを取り戻してきています。


今回は厩舎にはまだ心臓が重いと言われていましたが、C2は勝ち切ってほしいと思っていましたので良かったです。


復帰戦を勝てたので490ポイント、次の開催ではもう1回C2で走れます。


来年も春まで使って夏はまた休ませる予定です。


長い目で見ていく、というのは言葉では簡単ですが実際のマネジメントに落とし込んで行くのは中々大変です。

大きな期待をした馬ですので、こうしてまた競馬の計画を練ることができるようになったことはとても嬉しいです。


難しい故障をしてしまったネバーエンドマーチですが、段階的に治療して目標を何度も修正しながら大成させていきたいと思います。