ピアノでもバイオリンでも、ソリストとしてオーケストラの前で弾く場合、他の人の前に出てくるような音を出す必要があります。それがたとえピアニッシモであったとしても、ショートケーキの上のイチゴのように、レイヤーの一番上に浮き出なければオケの中に埋もれてしまいます。
これは一人でソロの曲を弾いていても同じ。
Pが3つのピアニッシシモになったとしても、一つ一つの音の粒にはしっかりした芯があって、強い光を宿しているべきだと思います。
音がきれいだとか汚いとか以前に、茫洋とした光しか宿さない音は、前に出て行きません。オケの厚い音の壁をピアニッシモで突き抜けていくような、強い光を持った音を奏でたい。
ショパンを練習しながら、そんなことを考えていた日曜日でした。
つまり、自分の音のクオリティーの悪さが気になるということ。
光が弱い。カラーが乏しい。意思が感じられない。アティキュレートされていない。
少しも自分がイメージしているような音が出てこない。
そうやってずぶずぶと底なし沼に沈んでいきます。