2年前の夏の室内楽のキャンプで練習したフォーレのドリー組曲。
なぜかそれっきりチャンスが無く、去年のロックダウンの時に、録音された師匠のパートに合わせて弾いたものを更に録音して仕上げる、という方法で何曲か弾きましたが、全部は終わっていませんでした。
ロシアへの里帰りから戻ってきたばかりの師匠から
「明日ドリー弾かない?」
とお誘いがあり、もう一年以上弾いていなかったドリー組曲を慌ててさらい直して持っていきました。
今日はとりあえず2、3曲だけ?と思っていた予想に反して、
「とりあえず全曲通してみよう!」
とやる気満々の師匠。譜読みしてない曲があるのに!でも弾き始めてみれば、それは楽しい楽しい音楽の時間でした。
「フレージングが急に良くなったね?何かあった?」
と師匠。
もしそうなら、それは去年のコロナでロックダウンの時に師匠の録音に合わせて練習をしたせいかな?と思います。師匠のおかげで曲のフレージングが良く見えるようになったみたいです。ありがたや。
実は、昨日慌てて練習した時に、師匠のパート録音があるものはそれに合わせて、無いものは、オランダ人のハンサム兄弟のピアノデュオコンサートの録音に合せて弾きました。その時に気が付いたのですが、師匠の方がユッセン兄弟よりも全体的に揺れがずっと大きいのです。ユッセン兄弟はとてもお行儀がよく、全体的にフラットで揺れが少ないので、合わせやすい。
一方師匠は、普通に聴いているとそれほど揺れているとは感じないのに、実際に合わせてみると細かな揺れや長めの呼吸がいくつもあり、合わせるのが難しい。
でも合わせた録音を聴くと、断然師匠との連弾の方が素敵なのです。音楽が生きているというか、セクシーと言うか、これはロシア人のなせる業だなあと思った瞬間でした。一つ一つのフレージングがくっきりはっきりと、鮮明に形作られているからこそだと思うのです。
師匠の隣に座って弾きながら、思わず
「先生ってやっぱりロシア人ですね。いやあセクシーです。」
とコメントしてしまった私。
上手い人との連弾は、生きたフレージングを弾きながらにして体感できる貴重な機会!
上機嫌の師匠、
「今度はラフマニノフの連弾をやろうか?」と。
ちょっと涎が出そうになった私。