「死ぬまでに弾いてみたい曲(コンチェルトは除く)」リストの上の方の1曲、
シューマンの「クライスレリアーナ」
子供の時からの憧れの曲で、これまでに何回か挑戦しかけたのですが、いつも2番目の曲で挫折して今日にいたります。しかし、このコロナ禍の今だからこそ、何かを成し遂げたいと思って、もう一度この曲に挑戦してみようと思ったのは、昨年の10月のこと。
去年の3月から数回しかレッスンにはいかずに、久しぶりに師匠に会った11月のある日のこと、
「この先はどうする?何か弾きたい曲はある?」
と言った師匠に
「やっぱりクライスレリアーナが弾いてみたいんです。難しいことは重々承知していますが。」
と私。
「いいんじゃない?」
と師匠。
そこで、張り切ってすぐに譜読みを開始、それから頻繁に師匠とメールでやり取りするうちに、シューマンの話になると、どうも話が噛合わなくなってくるような感じがしていたのですが、師匠が
「君がクライスレリアーナを弾くなら、僕も勉強しなくちゃ。」
と言うので、
「えっ?先生はクライスレリアーナは弾いたことがないんですか?」
と素朴な疑問を口にしてみたところ、
師匠、いきなり、ぶちぎれてしまいました。。。
「モスクワ(音楽院)でだって、あの曲を弾かない人の方が多いんだよ。君は僕が何でも弾けるとでも思っているの?!」
と。。。
だんまりの私。
「。。。。(でも、心の声は「はい、何でも弾けると思っていました。。。」)」
そんなわけで、師匠との会話からは、一切抹殺したクライスレリアーナ。でも、とにかく自分でできるところまではやってみようと思って、音だけは全部読み、現在一つずつ練習中。
、
その後、しばらくして師匠が
「クライスレリアーナ、できたものからレッスンに持ってきてね。」と。
「???」私。
あんなにぶちぎれてたのに。。。
もう彼とはこの曲はやらなくても良いかな?という気がしています。途中で切れられても嫌なので。いつかチャンスが巡ってきたときのために、温めておこうと思います。
何か良くない思い出があるのか?
どうやら、地雷を踏んでしまったようです。
とにかく穏やかで声を荒げたことなど聞いたこともない彼が、あんなふうにブチギレルなんて、いったいクライスレリアーナとの間に何があるのか?
あのレベルのピアニストは、皆クライスレリアーナは弾いたことがある!と信じていた私が間違いだったようです。。。クライスレリアーナってそんなに鬼門な音楽だったのでしょうか?もちろん、とても難しい曲だということはわかっているのですが、、、
※私の大好きな大好きなクライスレリアーナは、やっぱりホロヴィッツ。子供のころは、アルゲリッチの演奏を繰り返し聴きましたが、今はホロヴィッツのクライスレリアーナの方が好きです。ホロヴィッツのクライスレリアーナの録音はたくさんあって、それぞれかなり違うので、一言にホロヴィッツと言っても、好き嫌いは分かれるかもしれません。私が一番好きなのは、実はこの演奏ではないのですが、私が好きな演奏の録音は見つけられませんでした。これが近いかなと思いますが、それでもアーティキュレーションが結構違います。でも、それこそが、シューマンがシューマンである理由なのかもしれません。ちなみに、コルトーの演奏も素敵です!
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