前週のレッスンで、M氏が見本に弾いてくれたメンデルスゾーン”ロンドカプリチオーソ”の導入部があまりに美しく、特に最初のG#が心に突き刺さり、グラグラ状態にされてしまいました。更に、自分の奏でる音とあまりに違うクオリティーを見せつけられ、久しぶりにどん底まで落ち込みました。それからというもの、この曲を練習する気力もなえて、1週間を新曲の譜読みだけに費やしてしまいました。

 

新曲をもらって、うきうきワクワクの一番楽しい時のはずなのに、心はどよーん。

悶々としながらバッハのパルティータ第2番、シンフォニアを弾いてしまいました。

バッハは不思議なもので、バッハの難しさにどん底まで突き落とされることもあるのに、こういう精神状態の時に弾くと”精神安定剤”の効果がある気がします。心がすっきりするのです。

 

バッハのパルティータ第2番、cマイナー。イギリス組曲の同じく第2番のaマイナーと、この曲は、子供の頃から私の憧れの曲でした。9月から取り組んでいたイギリス組曲2番全曲が一段落し、新たにこの曲を始めることになりました。

 

「弾いて見せるね!」

と楽しそうに見本を弾いてくれたM氏のシンフォニア。もうこの人のバッハは、別格です。全てがクリアで、音楽的。そしてフレーズの作り方が本当にすごいのです。とにかく説得力が違います。

 

「はあ。。。」とため息をついた私に、

「前を向いて!音楽の中に楽しみを見出して!この曲を弾こうという君には立ち止まっている暇はないんだよ。」

とM氏。

 

本当にその通りだと思いました。

私には立ち止まっている暇も、落ち込んでいる暇もないのです。

前進あるのみ!でも苦しい。。。

 

 

 

 

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