行き詰まってしまった時にいつも読み返すのは、レッスンの時にとったノート。レッスンの時にノートをとるのは、集中しなくなるので止めた方が良いと言われたこともあるのですが、言われたことを全部覚えていられる自信はなく、せっかく先生が言ってくださっていることを聞き漏らすのも勿体ないと思い、NYに来てから習った先生のレッスンではいつも簡単にノートをとってきました。そのノートもかなりの冊数に。。。

面白いのが、N氏こと西川悟平氏とM氏ことMaxim Pakhomov氏、日本人とロシア人、演奏スタイルは全く違う二人ですが、ノートを読み返してみると結構共通点が多いこと。N氏はNYに来てから、アメリカ人のピアニストだけでなく、ロシア人ピアニストでジュリアードで長く教鞭をとっていたオクサナ・ヤブロンスカヤにも習っていたので、そういう意味でロシア製のM氏と共通項が多いのかもしれません。

 

そして、このノート以外に私のバイブルと言えるのが、

ロシア人ピアニストのジョセフ・レヴィーンの「ピアノ奏法の基礎」という短い本です。

版も小さく、薄い本なのですが、その中身の濃いこと!何度読み返しても新しい発見のある素晴らしい本、まさに私のバイブルです。

 

このジョセフ・レヴィーンというピアニスト。M氏の母校でもあるモスクワ音楽院でラフマニノフやスクリャービンと同級生、ルービンシュタインとも親交が深い優れたピアニストであり、ピアノ教師です。同じくモスクワ音楽院卒のピアニストであるロジーナ・レヴィーン(中村紘子さんのNY時代の先生)とともにアメリカにわたり、NYのジュリアード音楽院で教鞭をとりました。この本はそのころに書かれたものだと思います。

 

私にSteinwayを譲ってくださった伝説の調律師、T氏の奥様から、数年前にいただいたたくさんの音楽書の中の1冊でした。この本を訳された中村菊子さんと私のピアノ調律師のT氏がお友達だそうです。何とも狭い世界です。この中村菊子さんも大変興味深い方なので、この方のことはまた改めて書きたいと思います。

 

今回のスランプ中もやはりこの本を何度も読み返すことになりました。ピアノの技術的な弾き方だけでなく、休符やスタカートなどアーティキュレーションの話もあり、いつも改めて気づかされることがいっぱいの私の大切なバイブルです。

 

 

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