妻と会えなくなって、もう一年以上過ぎてしまった。
もちろん、知り合ってこのかた一度も経験したことがないことだ。
最初の頃は、毎日、そんなことを意識していた。
このベッドで一人で寝るのは、いつ以来のこと。
妻がこれだけ家を明けるのは、いつ以来のこと。
妻と何日、話をしないのは、いつ以来のこと。
妻と何日、顔を合わせないのは、いつ以来のこと。
そして、すべてのことが、妻と知り合って以降では、初めてのことばかりになってしまった。
それでも、当然のことだが、一日たりとも思い出さない日はない。
時には、懐かしく思い出すのだが、まだまだつらさや痛みを伴うことも多い。
今朝は、通勤電車の中で週末の予定を考えていた。
この土日は、オリックスの試合はアウェイゲーム、神宮でのヤクルト戦だ。
こんな日は、二軍(サーパス)の試合を観に行くのが常だった。
土曜は、息子は午前中学校だ。
迎えに行って、その足で二軍戦のある北神戸あじさいスタジアムまで向かおうか。
昼食は、途中のコンビニででも買おうか。
そんなことを考えていた。
以前は、妻と二人で行くのがほとんどだった。
妻は、子ども達の昼食を作り置いて、二人で出かけた。
コンビニで買っていくこともあったし、早めに球場入りし、途中外出で最寄のショッピングセンターまで歩いて食べに行ったこともあった。
けっこう距離があったのだが、頑張って歩いたな。
そこまで思い出して、胸が詰まった。
喉の奥がぎゅっと締め付けられるようで息が苦しくなった。
思い出すのをやめた。
普通ならこのまま病気になってしまうんだろう。
僕はここでむりやり切り替えてしまう。
タフなんだな。
冷たいのかもしれない。
わかりすぎるほどわかっている。
もう二度と帰ってこない。