ジョン王 (ウィリアム・シェイクスピア著 白水Uブックス) その8 | 岩崎公宏のブログ

ジョン王 (ウィリアム・シェイクスピア著 白水Uブックス) その8

第四幕第一場はイングランドの城内の一室だ。ヒューバートと死刑執行人たちが登場した。ヒューバートは彼らに「俺が足を踏み鳴らして合図をしたら、飛び出して来て、アーサーを縛るんだ」と指示して隠れているように命じた。

ヒューバートはアーサーに声をかけて招いた。アーサーの無邪気な口ぶりを見ていてヒューバートは慈悲心を起して決心が鈍った。ヒューバートは自分の態度を見て心配したアーサーに対して令状を見せた。それを読んだアーサーは「おまえは熱い鉄の串で、ぼくの両目を潰さなければならないんだね」と言った。そしてヒューバートに「本当にやるつもりなの」と尋ねた。「そうするつもりです」と答えたヒューバートに対して「おまえには人の心がないの」と言ってこれまでの自分とヒューバートのことを話した。

ヒューバートは苦しくなったけど合図をして死刑執行人たちを呼び出した。彼らの姿を見たアーサーは助けて欲しいと哀願した。ヒューバートは死刑執行人たちに自分に任せて出て行くように命じた。執行人の一人は「助かります。こんなことをしないで済むので」と言って他の執行人たちと立ち去った。

ヒューバートは命令を実行しようとした。しかしアーサーの哀願を聞いているうちにその気持ちがなくなった。「あなたの伯父さまが全財産をくださると言って下さっても、あなたの目には触れません。伯父さまのジョン王にはあなたが死んだものと思わせねば。スパイには嘘の情報を流しましょう。坊ちゃん、安心してください」と言った。アーサーは礼を言って、ヒューバートとともに出て行った。

第四幕第二場はイギリスの王宮だ。ジョン王、ペンブルック、ソールズベリーが登場した。ジョン王は再び王座に就いて戴冠したことを喜びを持って迎えられるだろうと言った。しかしペンブルックとソールズベリーは戴冠の儀式を二度重ねたことは適切ではなかったと指摘した。さらにソールズベリーは戴冠式の前にそのことを申し上げたけど、陛下がその提言を退け、我々臣下の者の願望は陛下の御意に従うことだけですので御心に服しただけですと告げた。

ジョン王は戴冠の儀式を重ねた理由の一部は既に伝えてこと、自分の危惧が弱まればさらに強い理由を申し聞かせるつもりであると語ったうえ、諸卿が改善を望む点があれば喜んで要求を聞こうと言った。それを聞いたペンブルックはアーサーの釈放を求めた。

そこにヒューバートがやって来た。ジョン王はアーサーのことはペンブルックに任せると言ったあと、ヒューバートに用件を尋ねて、彼を脇に連れて行った。ペンブルックとソールズベリーはジョン王の令状のことを知っていて、王とヒューバートを非難する陰口を叩いた。

ジョン王が二人のところに戻ってヒューバートからアーサーが亡くなったという報告を受けたと告げた。ソールズベリーは恥ずべき不正行為だと王を批判し、ペンブルックも彼に同調して二人は出て行った。ジョン王は二人の態度を見て「悪いことをした。血を流したうえに土台を築いても不安定でしかなく、他人を殺して得た命は不確かなものと決まっている」と呟いた。

使者が駆け込んで来て、ジョン王にフランスの軍勢がイングランドに向かっていることを報告した。ジョン王がフランスにいたスパイや母親はどうしていたのかと聞くと、使者は皇太后エリナーが4月1日に亡くなったこと、さらにその三日前にはコンスタンス夫人も狂死したことを答えた。王は自分の不吉な運命を呪った。フランス軍の指揮を執るのは誰かと聞くと、使者は皇太子ですと答えた。