ジョン王 (ウィリアム・シェイクスピア著 白水Uブックス) その6
第三幕第一場も前場と同様にフランス王のテントだ。コンスタンスとアーサーのところにジョン王、フランス王、皇太子ルイ、ブランシェ、皇太后エリナー、フィリップ、オーストリア公、ソールズベリーが来た。
フランス王がこの良き日をいつまでもフランスの祭日として祝うことにしたいと言うと、コンスタンスは呪わしい災厄の日ですと応じた。さらに彼女はフランス王が自分たち親子を押しつぶすことで和睦を結んだのです、天よ、誓いを破った王たちを撃つべく武器をお取りくださいと叫んだ。オーストリア公がそれを宥めたけど、聞く耳をもたず、卑怯者です、悪党ですなどと逆に食ってかかる有様だった。
そこに法王イノセント三世の全権大使であるミラノの枢機卿のパンダルフが登場した。彼はジョン王に対して「教会に故意に侮蔑的な態度を示し、キャンタベリーの大司教の選ばれたスティーブン・ラングトンがその聖職に就くことを妨げるのか、その返答を法王の名において要求します」と問い詰めた。「神のもとにあっては、あくまで私が最高の主権者だ、法王などという無意味な、無価値な、滑稽な名を持ち出したところで、この私に命令して返答させることはできないのだ」と言い返した。その言葉を聞いたフランス王が「それは神を冒涜する言葉ではないかな」と問うた。ジョン王は、法王は免罪符を安売りしたため神の許しを手放してしまった堕落した人間であると糾弾し、法王に断固として反抗し、法王の味方はすなわち私の敵とみなすだろうと答えた。
ジョン王の返答を聞いたパンダルフはジョン王に対して破門を宣言した。コンスタンスも彼の言葉に続けてジョン王を呪う言葉を吐いた。パンダルフがフランス王に対して「そこにいる大異端者と手を斬りなさい。ジョン王が法王の命令に服さぬ限り、フランスに軍勢を持って彼に罰を加えるように命じます」と告げた。逡巡するフランス王に対して、皇太后エリナー、コンスタンス、オーストリア公、フィリップ、ブランシェ、皇太子ルイがそれぞれの立場から意見を述べた。
迷った結果、フランス王はジョン王に「あなたとは手を切ろう」と宣言した。その言葉を聞いたブランシェは「どちらが勝とうと、私はその勝ったほうで敗れるのです、勝負が始まる前に、私の負けは決まっているのです」と嘆いた。
ジョン王は味方の軍勢を集めるように命じて、「フランス王、私は今怒りの炎に燃えあがっている、この烈火の憤激はあなたの血を持ってせざれば鎮めることはできない」と言い放った。フランス王は「その烈火の憤激とやらがその身を焼きつくし、灰にしてくれよう」と応じて戦闘準備に入った。