同僚のSちゃんが貸してくれたイギリスの推理小説。
分厚くて読み応えがありすぎて、ひと月かけてようやく読了。
独断指標
★★★… オモロイ!オススメ!
★★ … 良い
★ … まあまあ
なし … うーん
- - - - -
『湖畔荘』/著 ケイト・モートン、 訳 青木純子/
東京創元社/2017
… ★★
追っていた行方不明事件が捜査打ち切りとなり
業を煮やした女性刑事は
警察が不利になる情報をマスコミへリーク。
それが上司にばれ、停職命令により一時帰郷した際、
ある上流階級の湖畔荘で70年前に幼児が行方不明になった事件を知り、
首を突っ込んでいく…みたいな話。
1910年代、1930年代、2003年頃までといった
3~4世代の幅広い人たちの出来事が
いかにも大英帝国的趣味を感じさせながら、
あれこれと複雑に入り混じり、
バラバラだったピースが少しずつつながる快感…
が、味わえるようになるのは、上巻の後半ぐらいから。
それまでは
「あれ?この人は誰だっけ?あ、犬の名前ね」
など、こんがらがって場所も時代も飛ぶので、
もう一度、前の時代の別の場所に戻って登場人物名を確認したり、
自分が今、どの時代の誰のエピソードを読んでいるのか
新しい情報が入るたび
家系図やら人間関係やら性格やら職業やらエピソードやらを
世代も含めてチャート式に組み立てて整理していかないと
迷子になってしまうのです。
多くのミステリーの進め方としては
ゼウスのような俯瞰者が事実のみを淡々と語り
要所要所に登場人物の気持ちを盛り込んだりする手法や、
主人公の「私」や「僕」なりの一人称の視点で進行しながら
語られることが多い印象がありました。
が、この本は、各時代で各々の登場人物が、
それぞれの視点で周りの人を絡めながらエピソードごとに区切られ、
それが時代順ではない進み方なので初めのうちは苦戦。
で。
登場人物と時代と出来事のチャートがなんとなく把握できてくる
上巻の後半頃から
この面倒くさい作業も含めて実に展開が面白く感じるのでした。
それに加えてイギリスのアンティーク趣味の調度品や、
野鳥を中心とした自然の生きもの・風景といった背景描写が
ここかしこに散りばめられており
それが自分の趣味のバードウォッチングから
検索無しで即座にわかる種名ばかりだったり
英国アンティーク製品の販売経験などから、
たとえばマホガニーの家具の質感などが即イメージできたりしたことも
面白く感じた理由のひとつ。
ひとつだけ文中に疑問が。
「フクロウが頭上をバタバタと羽ばたいた」
みたいな表現がありました。
これは誤訳?
現実のフクロウは、特殊な羽根の構造により、
羽ばたきの際、ほとんど音がしないはず。
その羽根の構造が新幹線のパンタグラフにも採用され
消音技術に一役買っているほど。
原著は読んでいないのでわかりませんが
翻訳者の誤訳か、原作者の勘違いなのか。
イギリスは貴族を筆頭に
野鳥の観察や研究が盛んで
多くの人に知識や素養があるけれど
ケイトさんは英国在住ではあるけれど
(YoutubeでもBBCの野鳥関連の映像を観るとよい)
生まれも育ちもオーストラリア人だから
そこまで野鳥に詳しくないのかな?
一回、出版社に投書してみようかな〜?
なんて、思ったり、思わなかったり。
以上、毎度毎度の長ったらしい感想文終わり。







