Dear DéCèS[ディシーズ]
まずはオープニングを飾るインストの回想〜reminiscences〜から
この曲はたしかアルバムの中でも最後に作った曲になるのかな?
今回のアルバムのコンセプトを過去の自分や思い出の回想にしようと決めた時に一曲目はインストにしようって思ったんだ
タイトルREWINDの巻き戻しの意に相応しいリールを巻くS.Eから始まる形も全体の曲調も過去を回想するイメージにピッタリだなと自分でも凄く気に入ってるんだ
特にまとばゆうさんにデモの形そのまま弾いてほしいと言ったわけじゃないんだけど、ほぼデモのまま弾いてもらい打ち込みのシンセをはじめオレの世界観全開という感じの一曲になりました
ただひたすら、過去を回想...昔を思い出す...
ていうことをずっと念頭に置いて捻り出した旋律なんだけど強いて言うならFF5の想い出のオルゴールという曲に影響されてこんな雰囲気の曲を作りたいと思ってたところはあるかもしれない
聴き比べてみたら分かると思うけど全然似通ってはいないんだけどね
ただ、聴いた瞬間に「あ〜なんか昔の想いに耽ってる感じがする...」て思われるような一曲にしたいという意味では共通点はあったかも
この想い出のオルゴールは、主人公が故郷の村に帰ってきた時に昔の自分の家にあったオルゴールを開くと当時の家族との団欒の様子が回想されるというシーンで流れる曲なんだけどオレはこの曲が本当に好きで今でも聴くとたまに涙が出てきます
ちなみにその村にいる間に流れてる、はるかなる故郷という曲も物凄く好きでオレはFF5で、このリックスの村を訪れるところが一番好きなんだ
リアルタイムでプレイしてた時期は小学4年とか5年くらいだから、「あ...なんかすごい良い」て思うところはあったんだけど年端もいかない少年だったせいもあったし二十代半ばくらいまでは感情表現が下手なほうだったから、そこで得た感動をどう発散していいか分からなくて、何かこう胸の奥がこそばゆいような複雑な心境になってたのを今でも覚えてる
ただ、なんとなく物悲しいなって...
家族の話だけじゃなくて昔一緒に遊んだ仲間や主人公に密かに想いを寄せるキャラクターも居たりで主人公の過去が全て詰まってて自分が本当に故郷に帰ってきたようなそんな想いに浸れる大好きなワンシーンなんだ
そんなことを思い出しながら作った曲です
でも、比べること自体、身の程知らずって感じなんだけど想い出のオルゴールや、はるかなる故郷のような感動はまだまだ与えられないなと...植松さんの曲を聴くたびに感動すると同時にいつも自分の力量の足りなさを痛感させられます
オレはFFシリーズは主に遊んだのは3〜9までなんだけど、どのシリーズも名曲揃いで本当に凄いなって感心と尊敬の念が常に湧いてくるよね
そのシーンに合った曲を生み出してプレイヤーを見事に感情移入させてゲームの世界観に引き込んでしまう
これが本当の作曲者なんだなって
凄いな
なんでこんな曲が作れるんだろう
オレもこんな曲を作れるようになりたい
昔からずっとこんな想いに駆られた上で作曲にチャレンジしてきたから少年時代の気持ちを思い出せて良かったなと思ったよ
憧れや目標は人を輝かせるけど時に劣等感に悩まされ自分を苦しめるものにも成り得る諸刃の剣だ
少年時代は苦しめられてた時間のほうが長かった気がするけど...
そういう意味ではこの曲は大成功だったと思う
タイトル通り昔の自分を掘り起こすことができたんだからね
少年時代はって書いたけど植松さんの曲に入り浸ってると(最近また何度目かの植松さんブームが...)まだまだ自分なんかヒヨッコもいいとこだという打ちひしがれる感じ
そしてもっと良い曲、色んな曲を作れるようになりたいという探究心が湧き出てきて心の中で何かが戦ってるような気がします
もう何度か言ってるけど、この先どんな形で将来の生計を立てていくか分からないけど探究心と向上心だけは常に持ち続けることができるものを職にしたいと思う
この考えだけは今も昔も少しも変わらない唯一無二のオレのコアだ