日本に引き上げたばかりの頃、なぜか私はちっともワクワクせず、生きる意欲すら持てなかった。
一つの人生が終わって、家財道具もたくさんの植物も、いや人にとって一番大切な家族も全て手放して帰ってきた喪失感が原因だったのか、自分でもよく分からない。
スピリチュアルの人たちが言っている現実崩壊というものだったのか?
それでも家賃の自動引き落としのために日本の銀行口座が必要、そのために住民票が必要、連絡先も必要だから日本の携帯電話の契約が必要、と、生きるために様々な雑事をこなさなければならない。
炎天下の中、足の怪我のリハビリもまだ十分でないことに気付きもせず国道を歩きに歩いた。一回転んだ。夜は足がつる。
地域内放送では連日、スマトラ沖巨大地震が一週間以内に発生しますと伝えられた。
スーパーやATMなどあらゆるところに「詐欺」という文字の入った大きなステッカーが貼ってある。
日本にいることが恐怖だった。
慣れ親しんだ国を離れたことは間違いだったんだろうか?あそこは地震なんてなかった。気温も安定していた。ワクチンの問題もなかった。
怖い、怖い、怖い、怖すぎる
私の脳は徐々にバグっていった。
現実崩壊、からの精神崩壊?
不安症とか神経症というものだと思う。
高齢の母が不安拮抗薬を送ってくれ、それを飲むと、あれ?さっきまでの恐怖感がケロリと治まり、思考が正常になる。
薬ってすごい。
そうか、心のやまいじゃなくて、やっぱり脳の問題なんだ。
4年前、先生がうつ病だと打ち明けてくれた時、先生は自分の頭を叩きながら、ここがおかしくなっているんだと言っていた。
それで、私はうつ病の正体が知りたくて、先生を知りたくて、調べ倒した。
そんな当時を思い返していた。
ああ、そうか。
私の魂がそれを知りたかったから、このような擬似体験をしたのか、と思った。
あの頃全く理解できなかった先生の不安感や気分をやっと理解できた。
この数か月、まるで飛行機が着陸する前に必ず通る乱気流のように、不安定に揺れに揺れた毎日を過ごしてきたけれど、
先生をツインレイと思い込んでしまったせいでたどり着いた自己統合やセルフラブの概念のおかげで、自分のベストフレンドになることで何とか乗り切った。
そう、自分のベストフレンドになってはじめて、ああ、私、先生のベストフレンドじゃなかったな、と分かったんだよね。
この経験はこれから先の人生にきっと役に立つと思う。
先生、ごめんね。ありがとう。
私の飛行機はやっと日本に着陸したよ。