これはご存知の方も多いと思いますが、日本の年金制度の場合は現役世代が支払っている年金額の全てが年金受給者に充てられています。所謂「賦課方式」です(逆は「積立て方式」です)。
でもこれはあまり知られて無いのですが、現在の現役世代が負担している年金額では足りずに、税金からも持ち出しがあります。
2018年の場合ですと給付総額55.1兆円の内、財源の約7割(38.5兆円)は現役世代からの保険料収入で、2割強(12.7兆円)は税金からの持ち出しです。税金が補填しないといけない年金制度というのは、もはや破綻していると思われます。
因みに最近年金破綻論が無くなったのはこの為です。焦点は国家財政問題にシフトした訳です。
あと一応164兆円のストック分には手を付けず運用がされていますが、たった3年分しか無いので運用しても年金支払いには雀の涙となります。
2040年になりますと65歳以上の年金受給するであろう世代は現在より270万人増えます。実はここは日本の人口からするとそんなに大きな数ではありません。
が64歳以下の就業人口は1550万人減ります。だからこちらの数字の方が痛いんです。欧州がその補填に移民を利用してしまったのも無理もない事だったのかもしれません。
試算によりますと2040年の保険料収入は30.4兆円まで減ります。一方年金給付総額は60兆円となります。そしてその時の税収はかなりの好景気だと想定して47.3兆円です。それに対する年金不足分が30兆円です。もう無理なのです。
そしてこの数字は2060年までは悪化する一方となります。 なぜなら現在では夫婦一組当りの子供の数が1.5人を切ってしまっている(つまり確実に人口は減り続ける)ような状況ですので、今の年金制度だと収支は永遠にバランスしないからです。
赤字額自体は2060年以降は横ばいかやや微減していきますが、そもそも人口が減って経済規模も縮小しているので、国家財政に対する負担率は変わりません。もっと悪くなっている可能性は十分にあります。累積赤字の利息が凄い数字になっているだろうからです。
日本は少子化国家なので現役世代が担う年金負担額も税収も減っていきます。一方で年金受給者は増えていきます。上記の数字を知らずとも、この構図と年金の仕組みを少し知っているだけで、今の年金制度を維持できっこないのは子供でも分ると思います。
なので何れ調整が入ると思います。恐らく年金受給額はかなり減ると自分はみています。
国の借金について楽観論もありますが、所詮は何の責任も無い立場の方々です。その一人は消費税10%の時に「上げたら大恐慌が来る」と言ってました。消費税上げで更にコロナ禍であっても今の所大恐慌では無いようです。
但しFRBはコロナ禍でドルを倍近くに増やしました。この悪影響は今後出て来るでしょうが、別の記事で考察出来たらと思っています。
既に13兆円もの政府支出で補填されている年金制度を信じている人が多いのですが、少子化で現役世代の年金負担額も税収も減って行く中でどうやって信じられるのか自分は理解に苦しみます。
現状を国民に伝え、健康な高齢者なら働ける環境整備を進めるべきです。それは定年を延長するという方法では公務員以外上手くいきません。
そういうただ企業の負担が増えるだけで拒否されてしまうような制度ではなく、高齢者を雇用すると税制的に有利になるとか色々な方法があります。無論正社員である必要は全くありません。雇用し易い環境の方が大切です。
あともう一つ、もっと根本的な解決策があります。それは少々長くなるのでまたの機会にします。
以下参考にしたサイトです
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO35370650U8A910C1PPD000/