「空母いぶき」佐藤浩市氏炎上について オマケで徴用工問題 | ЯαYの日記

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信なくば立たず

 潰瘍性大腸炎の安倍総理を役柄に使ったと炎上してる佐藤浩市氏ですが。
 多くの報道では佐藤氏が「本当はやりたくない役柄だったけど、胃腸に持病がある役ならやります」と現体制に批判的な立場と取られかねない表現が為されています。
 しかし問題のインタビューは一番下に全文載せておきますが、要約すると「やや神経が細く頼りない総理で、その結果ストレスですぐ胃を下してしまう」というものです。胃を下してしまう原因は「潰瘍性大腸炎」ではなく「神経性胃炎」という事です。
 そもそも佐藤氏の論じる総理像はリーダーシップのある安倍総理とは真逆です。

 だから炎上は完全なミスリードですが、これが現在の日本の保守層の知性です。そして原作者の百田尚樹氏は「三流役者が、えらそうに!」「私の小説が映画化されることがあれば、佐藤浩市だけはNGを出させてもらう。」と反応しています。一部だけしか抜粋していませんが、これはツイートを直接ご覧下さい。
 ネトウヨは話になりませんが、百田氏のような在り方が日本の保守層の象徴だと僕は感じています。
 要するに「短気」な人が物凄く多いです。感情で政治や外交を論じている。かつ言説も攻撃的・挑発的な場合も少なくありません。これは一般の保守系の方々にも強い傾向かと存じます。
 僕も結果として保守の方々と意見は合いますが、自分が彼等の仲間だとは絶対に思っていません。百田氏に象徴されるように善意の人々というのは理解していますが、残念ながら同じ旗は仰げないというのが本音です。

 一方櫻井よしこ氏に関しては支持していますし尊敬もしています。僕は彼女の言説に初めて触れたのは小学生の頃だったと思いますが、その頃から尊敬している数少ない大人の一人です。彼女の言説に触れて日本国に対して悔い改めた面もあります。
 だから単に自分と意見が合うから支持しているような人々とは違います。その言説内容ではなく、自分の意見を肯定する為に知識人の言説を支持する人々とも違います。
 本だけでなく他者の意見を読むというのを、新たな知見を求めるのではなく、自己正当化の為という摂取の仕方をここで強く批判しておきます。保守系に限らず、思考や主義主張が偏った人々はこの傾向が強いです。

 オマケですが、徴用工問題についてです。
 上述した櫻井よしこ氏が報道番組で仰っていたのですが、実は韓国国内で「日本は徴用工に対して賃金も払い扱いもちゃんとしたものであった」と何十人もの韓国の学者が声明を出してるそうです。
 韓国のマスコミは当然取上げませんが、こういった方々を日本のマスコミは取り上げて、日本人が彼等を支援する事をすべきという事も櫻井氏は仰っていました。
 意外かもしれませんが、韓国国内でもそういう人々が少なからず存在するという事です。
 日本も最近は嫌韓の雰囲気が強いですが教育現場では殆どありません(今は知りませんが)。韓国はもう子供の頃から反日の雰囲気の中で過ごすので(これは直接韓国人に聞きました)、刷り込みが日本人の比ではありません。
 そういった中で日韓の間に対して公正な姿勢を貫ける人々が居る訳ですが、僕はこれにはそれ程驚きませんでした。どの国家にもそういった人々は居るだろうと。
 自分も含めて特に公正さを大切なものと考えてる人々は少数派だと思わざるを得ませんが、学問というのは重要な要素だと感じています。
 「学がある」という言い方が為されますが、その本質は公正さと客観性では無いでしょうか。

 


以下百田尚樹氏のツイートと佐藤浩市氏のインタビュー全文です。
 

https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1127470125647519744


https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1127523005515493376


【インタビュアー】総理大臣役は初めてですね。

【佐藤】最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね。でも、監督やプロデューサーと「僕がやるんだったらこの垂水総理大臣をどういうふうにアレンジできるか」という話し合いをしながら引き受けました。そしてこの映画での少し優柔不断な、どこかクジ運の悪さみたいなものを感じながらも最終的にはこの国の形を考える総理、自分にとっても国にとっても民にとっても、何が正解なのかを彼の中で導き出せるような総理にしたいと思ったんです。

【インタビュアー】総理は漢方ドリンクの入った水筒を持ち歩いていますね。

【佐藤】彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます。

【インタビュアー】劇中では名実ともに「総理」になっていく過程が描かれます。

【佐藤】これはある政治家の人から聞いたのですが、どんな人でも総理になると決まった瞬間に人が変わるっていうんです。それぐらい背負っていくものに対する責任を感じる、人間というのはそういうものなんですね。

【インタビュアー】この映画からどのようなものを受け取ってもらいたいですか。

【佐藤】僕はいつも言うんだけど、日本は常に「戦後」でなければいけないんです。戦争を起こしたという間違いは取り返しがつかない、だけど戦後であることは絶対に守っていかなきゃいけない。それに近いニュアンスのことを劇中でも言わせてもらっていますが、そういうことだと僕は思うんです。専守防衛とは一体どういうものなのか、日本という島国が、これから先も明確な意思を提示しながらどうやって生きていかなきゃいけないのかを、ひとりひとりに考えていただきたいなと思います。