妄想タイム
ソースたっぷりの焼きそばでお腹を満たして、徐々に気持ちが落ち着いてきた
ランチ前に喫煙スペースでの話を正門くんに知らせなきゃ!とスマホを持とうとしたら
突然、頼まれごとが降ってきた
【ほら、あの一覧表ってどこだったっけ?ファイリングしてあったよね】とかなんとか上司が叫んでる
ん?ファイリング?
やっぱりあの世代は紙が主流
【あっちの資料室にあるはずだから】
あっちって、ちょいと離れてますが、仰せの通り探してきます
似たような一覧表のファイリングが数冊ある
内容がダブってるのもあるけど、いちいち確認すると時間が掛かるし、全部持っていけば納得するはず
重ねたら無駄にボリュームのある、大小のファイル合わせて7冊
それらを抱えて廊下をヒョコヒョコ歩いていたら、後ろから声がした
【手伝いますよ】
自分に声が掛けられているとは気付かずに進んでいたら、横からひょいとファイルが取られた
ひゃっ!ビックリしたー、藤ヶ谷くんか!
『最近よく会うね、私のストーカーでしょ??』
【何を言ってるんですか…】と少し呆れた口調で、重ためなファイルを持ってくれた
【どこまで運びます?】
『えっとねー、えっとねー、私の机まで』
廊下を進んでいくと、今度は前方から正門くんが小走りでやってきた
【持ちます!!】
じゃあ藤ヶ谷くんが持ってくれてるファイルを受け取ってくれる?とお願いした
藤ヶ谷くんは【いや、このまま持っていきますけど…】と、最初は戸惑い気味だったが
正門くんの【〇〇さんは僕のグループのリーダーなんで、僕が持ちます】の言葉に押されたようで、バトンタッチした
ヒューヒュー!よっ!実直!
藤ヶ谷くんにお礼をして、彼は戻っていった
そして正門くんが真横に並んだ
【あのー、さっきランチしに行った子は同期の子です、それを早く伝えたくて】
ご丁寧にどうも…と思いながらも、その女のコは夢に出てきた訝しい女だったんだよな(-_-;)
偶然?予知夢?
モヤモヤするけど、深呼吸、深呼吸
『ふーん、小走りしてまで?』とツッコむと
【もし嫌な気持ちにさせちゃってたら、それは不本意やから】
『それ以上でもそれ以下でもなく、単なる同期の子なのね?』
と、念を押すと、彼は私の目を見て頷いた
【ちょっとは気になりました?】
『当然でしょ、貴方の彼女なんだから』
えへへ、嬉しい!と今にも心の声が漏れ聞こえそうな顔をした正門くん
会社でそんな顔してくれるなよ、可愛すぎて困るから
『私も藤ヶ谷くんの件を言おうとしたんだけど、この有様で』
と前置きをし、藤ヶ谷くんが元カノと話し合うことにしたという報告を受けたことを、ようやく話せた
…
ファイルを持って上司の席に向かい、私はその上司と作業を続け
正門くんは一礼して自分のデスクに戻った
…
はぁ、解放された!!
集中してたから、ドッと疲れが出た
それを察してか、上司が差し入れを持ってきてくれて、ちょうどお菓子を切らしていたから助かった
一口入れて、糖分を補給しながら思い出した
喫煙スペースで藤ヶ谷くんが発した言葉
《鬼じゃないですよ、綺麗な心の持ち主ですよ》
なんじゃアレは!衝撃凄すぎて、ヒヤヒヤした
にしても、一体何が藤ヶ谷くんにそう思わせたんだろう?
心当たりを探しながらお菓子を食べる手を進めた
誰かにお菓子をつまみ食いされてることに気付かないまま…
リアルに、どうしたもんかな
正門くんに、なんと言ってフォローするのが正解?
正解ってあるの?下手に私が弁解するのも変な話だし
【お菓子食べすぎですよ!】
続く
