妄想タイム
末澤くんがタクシーを捕まえ、私が先に乗せられ、次に正門くん、最後に末澤くんが乗り込んだ
おいおい、なんで3人でギューギューに座ってるのよ、と文句も言いたくなる
正門【僕も乗せてもらってスミマセン、ありがとうございます】
いえいえ、お気になさらずに、なーんて
イイ女ぶって言ってみたが、めっちゃ近い
コンビニにいた時点でも、正門くんへの想いが溢れそうだったのに、この状況は…もう溺れそう
末澤【俺は○○駅で、正門は☆☆駅で降りるから、それでエエ?】
何か言ってきたけど、それどころではなくて、空返事だけした
末澤くんと正門くんが雑談しているなか、私は街の光を視点を合わさず見ていた
タクシーがカーブを切り、少し体勢が崩れ、座り直したときに
私の手が正門くんの指に触れた
その瞬間に手を引っ込めようと思えばできたが、あえて触れたままにして
勝負に出た
彼は気付いているんだろうか
全く彼の指も動かず、触れた状態が続く
指に全神経が行っているのが自分でも分かる
数分経っても彼の指は何も反応して来ない
ドキドキしてるのは私だけか
○○駅に着き、末澤くんが【助かったわ、おやすみ】とだけ言って降りた
これで正門くんの指とも離れてしまうなぁと思っていたけど
何故かまだ、触れたままでいる
正門くんが【あのー】と切り出した
【タクシー代の精算はどうしたら良いんですか?】
指の件じゃなくて、そっちか(笑)
『今日、助けてもらったお礼だから気にしないで』と答えると
【もしあのまま△△さんに連れていかれたら、って考えたら、シンプルに、俺、イヤでした】
『そうよね、上司とのあんなゴチャゴチャした場面は後味悪いよね(^_^;)』
【いや、というか、○○さんを守りたいって思って、体が動きました】
そんなこと言われて何も感じない女はいない
嘘でも社交辞令でも勘違いでも、もう何でも構わない
無意識になのか、本能的になのか、自分の指を正門くんの指に絡めていた
ほんの少しだけ、今だけ許して
正門よ、気付かないフリをしてくれ、鈍感であってくれ、と祈った
続く
