構成は同じです。
この構成図は実は左右逆でした。ここまでは前回通り。
これが正しい構成図です。このレンズ構成図からすると前玉より後玉の方が大きい感じですが、比べてみると
右が前玉、左が後玉。あまり差はないようです。
レンズの厚さ的には前玉が厚く後玉が薄いので上記構成図(2つめ)で間違いないようです。
ではこの構成の正体は一体何かということです。
まず構成図が逆さまだった時点でエルノスターは消えました!
上記候補の一つに「スピーディック」が浮上します。スピーディックはテイラー・ホブソンのリーが設計したトリプレットの進化版です。リーはオピックや初期のパンクロの設計で有名です。
トリプレットの3枚目のレンズを分割することにより強い正パワーを持ちながら曲率を緩やかに抑えて収差を抑える設計です。
前から+-++のパワーバランスを持ちます。
もう一つの候補がパオロ・ルドルフの「ウナー」です。
このレンズはパウル・ルドルフが1899年に発明したレンズで後にテッサーへと進化する。
レンズの持つパワーは+--+だ。
もう一度Fujinonを見てみると
レンズパワーは+-++に見える。三枚目のエレメントが正のパワーを持っていればスピーディック、不のパワーを持っていればウナーと同じパワー配置になる。
Fujinonの3枚目のレンズは?
取り外して細かい文字の上においてみると、僅かに文字が大きくなっているのが分かる。
これはすなわち正パワーを持っているということになる。
無限遠を見たときに景色が反転して見えたことからもこのレンズは凸レンズである。
つまりフジノンのレンズパワーは+-++となる。レンズパワーからするとスピーディックと言う事になる。
しかしスピーディックはトリプレットの派生型なので基本形は両凸、
一方ウナーの3枚目はごく弱い凹メニスカス。
正確には変形ウナータイプというべきか。
ここからは個人的な仮説になるが、
ちなみに海外ではこの構成をフジノンのタイプとして独自構成と見
いずれにせよ非常に珍しい構成のレンズが国産レンズに採用されて