マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー -27ページ目
‘ディスコ,正式にはフランス語で‘ディスコテック,というらしい、本場アメリカではフィラデルフィアサウンドやファンクミージュクなどの曲をかけゲイ男性の社交場だったが、1960年代後半からポップス系の曲がかかり徐々に大衆化し白人たちも踊れる場として発展し海を渡り日本にも広がっていく事になった、本格的には75年頃にブームが訪れバン.マッコイの‘ハッスル,アース.ウィンド&フアィヤー‘シャニイングスター,やクール&ギャング、ミラクルズの‘ラブ.マシーン,などノリのいい曲が掛かっていた、六本木のメビウス、大衆向けには新宿のカンタベリーハウスなどが結構知られていた。


もちろんダンスはするが男たちがディスコに行く目的は当然ナンパだった、初めてのディスコという事でワタクシは白い靴と白いズボン、派手な模様の入ったシャツを買った、ディスコに行くその日に鏡を見て「完璧だ」と1人悦に入っていた、家を出るとき母親が「お前、何その格好はー!チンドン屋じゃないの!」と言ったがワタクシは「帰らないかもしれないよ~」と逃げるように高速スキップで家を出ていった、待ち合わせ場所の新宿駅でワタクシや大川とその友人2人は落ち合い初めての歌舞伎町を闊歩した、
ワタクシ「これが歌舞伎町ちゅう処か~」
と、田舎者丸出しのワタクシ
杉田君「あれ、レイスリー君は新宿初めてなの?」


ワタクシ「いや、100回目位は来てるかな~」
田舎者に見られるのが嫌で、つまらない事に見栄っ張りのワタクシ、特にハンサムボーイの杉田君には知らず知らずの内にライバル心を抱いてしまっていたのかもしれない、初めての歌舞伎町に初めてのディスコと初めて尽くしだが何故だか新宿という街が余り好きになれなかった、実は今もそうなのだが人が多過ぎる場所は息苦しくってどうも苦手だ、特に新宿という街は何度行っても愛着が湧かなかった。


さて噂のディスコに入ったワタクシたち、暗い中を周りを見渡すとラッキーな事に女性のグループばかりではないか、これは「ひょっとしたら、ここはハ、ハ、ハーレムか~!!」と思ったが、実際は声を掛け相手がOKしなければハーレムを堪能する事は出来ないのである、取り敢えずダンスフロアーで踊りながら物色する事になり大川とワタクシが斬り込み隊長として行く事に、大川は一番前でミラーを踊ろうと言うので二人で踊り始めた。


この店はDJ側が正面になっており更にミラーがある、その一番前で踊るのはかなり勇気がいる、ダニの心臓で恥ずかしがりやサンのワタクシが一番前で踊るなんて、だがワタクシはこういった日が来るのではとアメリカの‘ソウル.トレイン,という黒人ミュージシャンが歌い踊る番組を見て日夜研究していた、フロアーに行くと2.3人の女の娘が踊っているだけだった、隣を見ると大川がスケベそうに腰をクネクネして踊り始めていた、「フフフ~、本場の踊りを見せてやるか」と自信タップリにワタクシも踊り始めた、と言っても当時は今程の激しさは全くなく単純な踊りを繰り返しおこなうだけだった、しかしミラーを見ながら10分程踊るとある異変が後ろで起こっているのに気がついた。


ミラーでワタクシの後ろを見ると女の娘たちが30人程踊っているのが見えた、振り返ってよく見ると女の娘全員がワタクシの踊りをそっくりそのまま踊っているではないか、ワタクシのダンスの真似をして全員の女の娘が踊っている、こんな事は小学校時代のラジオ体操以来だ、「こ、こ、これは、入れ食いかあー!!」暗いのでよく解らないがタイにカツオやマグロ、中にはトドやタコのような女もいるがワタクシのダンスに皆ウットリして「声を掛けてくれるのを待っているに違いない」と本気でそう思った。

この2年後にジョン.トラボルタ主演の映画「サタデー.ナイト.フィーバー」が出るが、ワタクシはトラボルタよりも先にフィーバーして女の娘たちの憧れの的になってしまう事が脳裏に浮かんでいた、だが現実には皆が真似するのが恥ずかしくビィビィってしまいイソイソと自分たちの席に舞い戻ろうとした、だが隣で踊っていたはずの大川が女の娘と何やら話している、どうやら一匹いや1人の女性を引っ掛けるのに成功したようだ、ダンスと麻雀はヘタだが大川も天性の女好きなだけにチャンスは逃さない、話しが終わり大川が戻ってきた、
大川「やったよ、友達が3人いるから一緒に来るって」
さすがに早稲田大学だ、「やるときはやる男だ」、と思ったが、実際にやって来た女の娘はサンマにメダカにカニにブタだった、何故か一匹だけ哺乳類が混じっていた、おまけにブタはワタクシの隣にやって来て「ブヒブヒ」と鼻を鳴らしながら家を出る時に付けてきたコロンの匂いを嗅いでいる、
ブタ子「あら~、いい匂い、私この香り大好きー」

ワタクシ「あ、あっそうなの、ところで君何処から来たのブダペスト?」

ブタ子「えっ、何~、よく解らないだけどおー」

ワタクシ「好きな食べ物は何?まさかトンカツじゃないよねえ」


ブタ子「トンカツ大好きよ~」
ワタクシは心の中で「それじゃあ共食いだろう!」と吠えて沢村忠のように真空飛び膝蹴りを喰らわしてやりたかった、ワタクシは昔は全くタイプでないブスには南極の氷のように冷たかったのだ。


結局、大川はサンマ子の電話をゲットしたが後の3人の周りにはシラケ鳥が飛んでいた、残念ながら始めてのディスコではロマンチックな出会いは全くなかった、だがワタクシはゲロオの後輩のサユリと2日後に映画を見に行く約束をしていたので余裕タップリだ、しかし、サユリとのデートの日にある出来事が起こってしまうのだった。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして心より御礼申し上げます。